社保庁職員の不当解雇撤回を!たたかいに勝利して笑顔を取り戻そう
11・2中央総決起集会に全国から600人が結集
全労連、国公労連、全厚生闘争団は11月2日、2年10カ月が経過した社保庁職員の不当解雇撤回、雇用確保をめざす「11・2中央総決起集会」を日本教育会館ホールで開催しました。集会には、分限免職処分の取消を求めてたたかっている30人の当事者をはじめ、各単組、北海道・秋田・千葉・東京・神奈川・愛知・岐阜・愛媛・大阪・京都など県労連、民間労組、争議団、民主団体、首都圏の県国公の仲間あわせて全国から600人の仲間が参加しました。
「公務員権利の抑圧は、国民生活に直結」加藤弁護士が情勢報告
主催者あいさつにたった国公労連の宮垣忠中央執行委員長は、「労働者の雇用を守るべき厚労省が、一生懸命、夜遅くまでがんばって仕事をしていた職員の雇用を奪い、路頭に迷わせて生存権を脅かしていることを断じて許すわけにはいかない。年金記録問題を解決して国民の年金権を守るためにも、国や大企業による『解雇の自由』の流れをストップさせ、働くルールの確立、人事院に分限免職取り消しの公正な判定を出させるため運動を強めよう」と呼びかけました。
加藤健次弁護士(自由法曹団、写真右)が、社保庁分限免職処分に対する闘いの到達点と課題について情勢報告を行い、この間の審理で明らかになった分限免職の違法性・不当性を鋭く指摘しました。
加藤弁護士は、「政府は、年金行政に対する国民の不信を職員に転嫁して、『公務員だってクビが切れる』という見せしめにした。①北久保さん(京都)に対する懲戒処分取消の判定、②出原さん(愛媛)の日本年金機構への正職員採用、③綾さん(香川)が今年10月に病気が公務災害と認定される、など分限免職の正当性を覆す事実がでていきている。年度内人事院判定にむけてヤマ場を迎えている。賃下げ反対、市民的・政治的自由の確立、地域主権改革とのたたかいなど公務員の権利をめぐる諸課題と統一して運動をすすめることが重要だ。公務員の権利が抑圧されればすべての国民生活に直結することから、みなさんは当事者の思いをもっと伝えてほしい。不当解雇を許さない労働者のたたかいとの連帯を強めよう」と訴えました。
「とどけよう!39人のこえ」全厚生闘争団が熱演
続いて、全厚生闘争団と全厚生の組合員がいっせいに登壇し、合唱構成劇「とどけよう!39人の声」が鮮やかな映像スクリーンを背景にスタート。全厚生闘争団支える会員で全国税の田山さんがギター伴奏するなか、仕事のやりがいと誇り、理由もなく突然解雇されたことへの怒り、解雇撤回への決意をこめた4つの歌「働きたいのに」「お父さんの背中」「笑顔の意味は」「はな」を合唱しながら解雇当事者である全厚生闘争団のメンバーが熱演しました。
合唱構成劇では、夫婦で解雇された京都の原告が、公務員としての雇用を希望したにもかかわらず、政府・厚労省による解雇回避の努力もないまま解雇されたことへの怒りを訴えました。さらに当事者である全厚生闘争団一人ひとりから、不当な分限免職で家族と人生を狂わされた悲痛な思いを語りつつ、「職場を取り戻すために、たたかいがはじまり手をつないだ/多くの仲間に囲まれ、一歩ずつ進む/たたかいに勝利して笑顔を取り戻そう」とたたかう決意を歌で表現しました。
MIC、JAL原告団、JMIUなど争議の仲間がたたかいへのエール
感動的な合唱構成劇のあと、各争議団等から5人が激励と連帯を表明しました。同じ時間に集会が開催されているMIC(日本マスコミ文化労組会議)の仲間を代表して連帯あいさつしたブルームバーグ争議の原告は、「能力不足、ノルマ未達成を理由に私は解雇された。泣く泣く退職した記者がたくさんいる。業務改善を口実にした解雇に歯止めをかけるため新聞労連の個人労組に加入し、解雇撤回を求めた東京地裁裁判で勝利した。解雇自由化を断固許さないため、ともにたたかおう」とたたかうエールを送りました。
JAL客乗原告団の斉藤良子事務局次長は、「JALは2010年大晦日に客室乗務員84人を解雇しておきながら、今年10月に940名を新規採用した。私たちはお客さまの命を預かっている。新人ばかりで突発的な事故が起きればどうなるのか考えてほしい。国が本気で国民の年金権を守る気があるなら、ベテランの職員をすぐ職場に戻すべきだ。公務も民間も同じ労働者として連帯して一緒にたたかおう」と力強く呼びかけました。
JMIU(全日本金属情報機器労働組合)の三木陵一書記長は、「解雇は人生を破壊する。いま日本IBMには、労働者を突然呼び出して解雇を通告する大量指名解雇攻撃の嵐が吹き荒れている。あらゆる争議に勝利するため力をあわせ、労働者の雇用と権利を守るため全力をあげよう」、年金者組合の田島茂副委員長は、「国民の年金権をまもるため、全厚生の仲間は重要なパートナー。税・社会保障一体改革と消費税増税阻止のたたかいと一体で、あらゆる手段で宣伝・運動をすすめていこう」、自治労連の山口祐二副委員長は、「橋下・維新の会がファシズムと職場支配、労働者を分断し、公務労働者の身分保障が根底から揺るがされている。また、年金業務に非正規労働者が増大し、いま公的年金が危ない状態に陥っている。民間労働者と地域経済を守るため、ともにがんばろう」と、ともにたたかう決意を表明しました。
当事者、全厚生闘争団がたたかう決意を表明
全厚生闘争団の北久保和夫事務局長が、「全厚生闘争団39人の仲間が経験者を職場に戻せと全国でたたかっている。この間の審理で明らかになった分限免職の不当性を社会的に明らかにし、人事院に対し免職取消の判定を求める世論を広げるため、署名・宣伝・行動で全国に訴えている。一方、やむなく非常勤職員を選択した当事者が来年3月に雇い止めという『第2の首切り』がされようとしている。憲法を生かし国民の権利を守る国づくりのため、安心できる年金制度をつくる運動など国民の要求実現と一体で奮闘する」とたたかう決意を力強く表明し、支援を訴えました。
最後に、全労連の根本隆副議長が行動提起と閉会あいさつを行い、団結ガンバロウでたたかう決意を固めあい、集会は感動のうちに終了しました。
【参加者の声】 ※たくさんの感想のなかで、民間と地域の仲間の声を紹介します
●合唱構成に胸がいっぱいになり、涙が出ました。仕事が好き、生きがいを感じ、真面目に働いてきた仲間たち…。勝利するまで、ともにがんばりましょう。あきらめないで!(年金者組合)
●闘争団のみなさんの気持ちが伝わった素晴らしい集会だったと思います。労働者の共同を広げていきましょう!(JMIU)
●合唱構成で舞台に立たれた原告団一人ひとりの様々な想いが伝わりました。全国から結集し、また勇気と連帯を感じて、それぞれのたたかいの場に戻られることと思います。この決起集会をやってよかった!という声が39人の仲間が感じられれば、この集会は大成功です。支援する私たちにはしっかり伝わっています。ともに勝利しましょう!(金属反合)
●悪政推進のテコとして、公務員バッシング、賃下げ、権利侵害が広がっているが、これは公務職場だけの問題にとどまらない。民主、自民、橋下、石原に共通する憲法改悪の危険な動きと一体の攻撃を跳ね返していかなければならない。(自交総連)
●本日の集会で弁護団の報告を聞き、国、人事院による解雇の不当性が大変わかりやすく、聞いていても激しい怒りがわいてきました。国鉄闘争によく似た攻撃に、解雇を撤回させるまで、ともにがんばりましょう。(品川労協)
●社保庁バッシングで大変な業務に追われ、病気を発症した者まで解雇してしまう国の不当なやり方に強い怒り!断固、撤回までたたかおう!(愛労連)
●みなさんのお話を伺って、まるでJALの事かと思うほど同じようなことに、あらためて怒りがこみあげてきました。ともにがんばりましょう!(JAL原告団)
●39名合唱団の歌を唱和して、団結を深め、力を倍加してがんばってください。私たちも応援させていただきます。(通信労組)