衆院の解散を前にした緊迫した情勢のもと、国公労連は11月15日、全労連、国民春闘共闘、国民大運動実行委員会に結集し、消費税増税阻止、社会保障と公務・公共サービスの拡充、退職手当削減反対、労働者の賃金・雇用を守る要求を実現しようと秋年闘争11・15中央行動を展開しました。
この日は、日比谷野外音楽堂での中央総決起集会や、交運共闘による国土交通省前要求行動や個人請願行動などもとりくまれたとともに、全労連などによる総務省・厚労省・財務省・農水省前行動、国会請願デモ、国会議員要請行動などで終日奮闘。行動には全国から3,000人が結集し、公務部会からは1500人(国公労連は約500人)が参加しました。
労働者切り捨ての不当な分限免職をやめよ!
社保庁不当解雇撤回・人事院前要求行動を展開
国公労連は、社会保険庁職員の分限免職撤回と公正・公平な判定を求めて人事院前行動を行い200人が参加。この行動には、民間労組・年金者組合、JAL原告団の仲間も多数駆けつけました。
11時40分から始まった要求行動で主催者あいさつした国公労連の川村中央執行副委員長は、「昨日の衆院厚労委員会で、年金を2・5%削減する年金削減法案をわずか3時間で強行可決された。社会保障を拡充し国民のくらしと命を守るためには政治転換こそ必要だ。社保庁分限免職処分撤回を勝ち取るためにもたたかおう」と呼びかけました。
連帯あいさつした全労連の根本副議長は、「社保庁不当解雇撤回11・2中央総決起集会の成功をバネに全国オルグ、署名、行動で奮闘しよう。総選挙の投票日は12月16日だ。私たちの要求を束ねて総選挙をたたかおう」と訴えました。交運共闘の藤好議長(建交労委員長)は、「企業年金の厚生年金基金問題が深刻な状況になっており、このままでは労働者の負担増になってしまう。公的年金を守るためにも、公務と民間が力をあわせて一緒にたたかおう」と呼びかけました。
全法務の浅野副委員長は、「市場化テストの導入で、乙号業務を支えてきた多くの民間委託労働者が職場を失う事態となっている。法務局では毎年3ケタにのぼる定員純減が続き、出先機関廃止の対象から外れていないことから、整理解雇は『明日は我が身』の問題だ。人を大切にする社会正義の実現をめざすために、社保庁不当解雇は私たち自身の問題としてともにたたかう」と決意を表明。
当事者である全厚生闘争団の児島さん(愛媛)は、「社保庁の分限免職から3年がたった。これまでの人事院審理を通じて、解雇の必要性はなく、解雇回避努力も尽くしていないことが明らかになった。愛媛の出原さんが7月に日本年金機構へ正職員採用され、香川の綾さんが公務災害に認定されるなど、分限免職の正当性を覆す事実がでてきている。解雇自由化を許さないため、全厚生闘争団は先頭にたってがんばる。さらなるご支援をお願いします」と訴えました。
首都圏反原発連合も連帯あいさつ
「国民の願い実現する政治に」日比谷野音で総決起集会
日比谷野外音楽堂では12時20分から「諸要求実現11・15総決起集会」(全労連・国民春闘共闘・国民大運動実行委員会主催)が開催され、3000人参加しました。
集会は、「デキシーユニオン」によるジャズ演奏でスタート。主催者あいさつした全労連の大黒議長は、「野田首相が衆議院の解散を表明し、総選挙が行われる。特例公債法、比例定数削減、国家公務員退職手当削減、社会保障国民会議のたちあげを狙っている。自公民三党談合をやめさせ政治の転換をもとめて奮闘していこう」と呼びかけました。
連帯あいさつでは、首都圏反原発連合の越後さんから、「官邸前の行動が、いま全国に広がり、どこの組織にも属さない市民にとっての受け皿という役割を担っている。力をあわせて原発ゼロをめざしたい」と力強い訴えがありました。
国民大運動実行委員会の黒田事務局長の情勢報告のあと、建交労、全生連、農民連、日本医労連、全教、大阪市役所労組など各団体の代表が決意を表明。
全教の今谷書記長は、「少人数学級を求める運動と共にオスプレイの危険性から子どもをまもるとりくみなど、教職員組合の役割をはたしていく」と述べ、大阪市役所労組の田所書記長は、「橋下大阪市長の組合敵視に対して裁判でたたかっている。憲法にもとづき、いきいきと働ける市役所となるよう、原告として奮闘していく」と訴えました。
退職手当削減法反対!公務・公共サービス拡充を
総務省前要求行動
総決起集会後、総務省、厚労省、財務省・農水省前で、同時並行で要求行動がとりくまれました。
公務部会・公務労組連絡会が主催した総務省前要求行動で主催者あいさつにたった公務部会宮垣代表委員(国公労連中央執行委員長)は、「野田政権は、衆院を明日解散するもとでも来年1月からの退職手当改悪強行をたくらんでおり、法案を葬り去るために奮闘しよう。政府は、消費税増税や社会保障改悪実施のため公務員バッシングを強め、公務員総人件費2割削減を押しつけている。地域主権改革、税と社会保障の一体改革を許さず、消費税増税ストップの共同の取り組みを発展させよう」と呼びかました。
連帯あいさつには、全労連・全国一般の林特別中執が、「公務員賃下げは民間・地域経済にも大きな影を落とす。入札での契約金も大きくカットされ、下請け企業もさらに深刻な経営状態だ。私たちは憲法違反の公務員賃下げ違憲訴訟で勝利するため一緒にたたかう」と呼びかけました。
続いて、大阪自治労連、全司法近畿地連、全教広島、郵政産業ユニオンが決意表明。全司法近畿地連の青年対策部長は、公務員宿舎の廃止にともない、「生まれたばかりの子どもを抱えて住居を探し、子どものために蓄えていた資金が敷金などに消えた。子どもたちと子育て世代のために、一緒にがんばりたい」と決意を語りました。
なお、この間取り組んできた退職手当削減に反対する署名は、16万筆(国公労連は3万5001筆)に達しています。
社会保障切り下げ反対、無法な解雇許さない
厚労省前要求行動
厚生労働省前要求行動で、主催者あいさつにたった春闘共闘の伊藤潤一代表幹事は、「政府は、今年7-9月のGDPが年率換算でマイナス3.5%と発表した。これは労働者の所得が減り、消費が低迷しているからだ。景気を回復させるには、消費を拡大するしかない。最賃引き上げ、安心して働ける雇用を実現、年金や社会保険など社会保障改悪を許さないことだ。都知事選で、東京から構造改革を止め、国民の声に聞く耳を持つ都政・国政にしていこう」と呼びかけました。
情勢報告で小田川義和事務局長は「消費税増税と社会保障改悪をセットにした『一体改革』や『社会保障推進基本法』は、自己責任と自助努力を押し付けるもので、野田政権は超市場原理主義の立場にいる。総選挙と都知事選挙で暴走政治にレッドカードをつきつけよう」と呼びかけました。
続いて、生協労連・コープネット労組、JMIU、年金者組合、自治労連社会福祉部会が決意表明。JMIU日本IBM支部の木村さんは、「日本IBMでは、『ロックアウト』解雇を行っている。突然解雇通告を言い渡され、まともな理由も示さず会社からも追い出され、法に触れる暴挙を絶対に許してはならない。3人が裁判に立ち上がっている。こうした攻撃に反撃するため、総決起集会を開催するので、多くの方に参加してほしい」と訴えました。
消費税増税反対!独法の運営交付金を削減するな
財務省前要求行動
消費税増税反対、国民本位の予算実現、運営費交付金の拡充などをもとめる財務省前要求行動には300名が参加しました。
主催者を代表して全労連の高橋副議長は、「消費税増税は日本経済を破壊する暴挙だ。庶民増税や公共事業費増額ではなく、軍事費・思いやり予算を削減し、社会保障や福祉をはじめ国民のくらしを充実する予算編成に向け、この秋からたたかいを強化しよう」とあいさつ。
決意表明では、宮城県国民春闘共闘の赤松さん(宮城一般・生協支部)は、「ダンボールでしきったスペースで授業が行われている学校がある」と、すすまない東北地方の復興状況の一端を報告し、「公務も含め地元の住民の努力に頼るのではなく、国の政策で対応すべき。復興予算の流用などとんでもない」と怒りをぶつけ、全商連、新婦人の代表は、消費税増税阻止と国民生活重視への予算配分を訴えました。国公労連を代表して国土交通労組の無田中執は、「独法の職場では、運営費交付金を盾に公務と同様の賃金引き下げが強要されている。政府が言う自主・自立はどこへ行ったのか」と独立行政法人の職場実態を訴えました。
公務員賃金改善、退職手当改悪反対、独法課題で国会議員要請
14時30分からは、日比谷公園の西幸門から、国会に請願デモを展開。デモ終了後は、全労連公務部会が全参議院議員に対し、「国家公務員退職手当削減法案の廃案、公務労働者の賃金改善と権利回復を求める要請書」をもって議員要請し、国公労連は、「独立行政法人通則法の一部を改正する法案」にかかわる国会議員要請を実施しました。