国公労連は3月5日、全労連、国民春闘共闘に結集し、雇用確保・賃上げで景気回復、賃下げ法の廃止、公務員賃金改善などを求める「13国民春闘勝利3・5中央行動」を展開しました。13春闘のヤマ場をひかえた中央行動には、公務と民間の労働者など全体で3,000人(国公労連は約300人)が結集。総務省と厚労省への要求行動、総決起集会、銀座パレード、経団連包囲行動など終日、奮闘しました。
この行動には、宮城国公から約20人が駆けつけるなど各県国公の仲間(東北、山梨、東京、神奈川、中部、中国、鳥取、島根、山口、岡山、沖縄等)からも多数参加しました。
公務労働者に賃下げを押しつけるな!◆総務省前要求行動
11時15分からスタートした総務省前要求行動の主催者あいさつにたった全労連公務部会の宮垣代表委員(国公労連中央執行委員長)は、「国民のくらしと日本経済を立て直すためには、膨大な内部留保を活用して労働者の賃上げと安定した雇用の確保が求められる。政府は率先してデフレ脱却のために賃下げ特例法を廃止すべきだ。多くの国民世論で政府と財界を包囲し、公務員賃下げを撤回させ、すべての労働者の賃上げと安定した雇用の確保を実現するために13春闘を全力でたたかおう」と訴えました。
決意表明では、福岡自治労連の懸谷(かけたに)書記長が、「福岡市と北九州市の市長らの給与削減をマスコミ発表したが、労組との交渉の前に既成事実をつくるやり方だ。賃下げは、非正規職員や民間企業にも大きな影響をあたえる」と述べ、埼玉県教職員組合の贄田(にえだ)委員長は「地域総行動で様々な団体との懇談をおこない、地方公務員の賃下げは地域経済を冷え込ますことを訴え、理解をひろげてきた」、郵政産業ユニオンの安達執行委員は「労働条件の悪化、特に非正規社員に影響している。非正規の均等待遇と正社員化に全力をつくす」と発言しました。
国公労連を代表して全通信関東支部の酒井書記長は、「賃下げ特例法の違憲性を明らかにするため、『公務員賃下げ違憲訴訟』をたたかっている。地方自治体に対しても地方交付税などの削減をちらつかせながら賃下げを求めるやり方に怒りを感じる。賃下げスパイラルを断ち切ろう。政府が行った総人件費削減で国民の生活が豊かになったのかといえば答えはノーだ。国民にはさらに消費税増税や生活保護費引き下げなどを押しつけようとしている。政府・財界の攻撃をはね返すためにも、広範な国民と一体となった運動で要求実現めざし奮闘する」と力強く決意表明しました。
生活保護の引き下げ許すな!社保庁不当解雇撤回を◆厚生労働省前要求行動
11時20分から始まった厚労省・人事院前の要求行動で、主催者あいさつした全労連の高橋副議長は、「13兆円の補正予算が成立し、生活保護670億円削減の予算審議がされるなど社会保障改悪がねらわれている。生活保護は最後のセーフティーネットであり、広範な国民生活を直撃し格差と貧困が拡大する。いま国民犠牲の政策に反対するたたかいが広がっている。今春闘を大いにたたかおう」と呼びかけました。
反貧困ネットワーク代表の宇都宮弁護士が連帯あいさつを行い、全労連の伊藤常任幹事が情勢報告を行いました。公務を代表して決意表明した全厚生・分限免職取消裁判京都原告団の草川副団長は、「525人もの不当解雇から3年が経過し、生活の糧を奪われて苦しい生活をしてきた。1月28日に人事院の審理が結審したが、解雇される必要が無かったことが明らかになった。現在裁判闘争も行っており、多くの傍聴に感謝している。勝利するまで最後までたたかう」と訴えました。
雇用を増やせ!最賃引き上げ、TPP参加阻止へたたかおう◆日比谷公会堂の決起集会に会場いっぱいの2000人
12時すぎからは日比谷公会堂で「13春闘勝利をめざす3・5総決起集会」が開かれ、2,000人が参加しました。
主催者を代表してあいさつした全労連の大黒議長は、「267兆円の内部留保をため込む大企業に、社会的責任を果たさせることがどうしても必要だ。マスコミも賃上げが必要と報道し、経団連への批判も強まっている。私たちの力で賃上げの風をもっと強く吹かそう。国民と力を合わせてねばり強くたたかおう」と呼びかけました。連帯あいさつしたJAL支援共闘共同代表でもある全国港湾の糸谷委員長は、JALの不当解雇と断固たたかう決意や港湾労働者をとりまくきびしい現状を報告しつつ、「非正規労働者を正規にすることが社会を活性化させる。この集会をきっかけに、働くものの連帯で労働条件を改善しよう」と訴えました。
安倍首相がTPP交渉参加をねらうなか厳冬の北海道から駆けつけた農民連の白石会長は、「TPP参加に踏みだし、暴走をつづける安倍首相に農村で怒りが渦巻いている。日本の国の形を変えるTPP参加を何として阻止するためがんばる。国民的な声で安倍内閣を包囲しよう。春闘勝利へみなさんの積極的なたたかいに期待する」と参加者を激励しました。
全労連の小田川事務局長が、13春闘をめぐる現状と国民春闘共闘のたたかいについて情勢報告を行い、とりわけ労働者の賃上げを敵視する財界に対して、賃金底上げ、最低賃金改善の要求を高く掲げてたたかう重要性を強調しました。
決意表明では、全教の加門副委員長・日高教委員長が「戦争をする国づくりへ教育分野でも安倍首相は暴走している。青年を『国防軍』の兵士にしてはならない。4億筆を超える署名を確信に、30人学級の実現へ全力をあげる」と発言し、自治労連の山口毅副委員長が「賃上げを財界に要請しながら公務員に賃下げをせまる安倍内閣は『あべこべ内閣』だ。賃上げと正規労働が当たり前の声をひろげるため官民共同で奮闘する」と決意を述べました。
国土交通省への個人請願を終えて会場に駆けつけた自交総連の高城中央執行委員長は、「最賃以下のタクシー労働者もいるなかで、最賃を1,000円に上げることが賃上げにもつながる。自交総連からも最賃委員に候補を立てて奮闘したい」と述べ、被災地から参加したいわて生協労連の阿部恵子さんは、「岩手県の最賃は全国で2番目に低い。一人ひとりが強い気持ちを持ち、運動をひろげて最低賃金1,000円以上を勝ちとろう」と決意を表明しました。日本医労連は、白衣の看護師のみなさんが「夜勤・交替制勤務の改善を」などの横断幕をかかげて壇上に並び、全日赤広島の三上さんが「准看護師は同じ仕事をしても一番安い賃金になる。働きつづけられるだけの賃上げを勝ち取りたい。看護師になって良かったと思えるような職場にするためがんばる」と力強く決意を述べました。
閉会にあたって国民春闘共闘代表幹事で出版労連の大谷委員長が、「山のような内部留保をため込んだ大企業は社会的責任を果たせ。アベノミクスは物価だけ上がって生活は苦しくなるだけだ。人間らしく生き働く社会の実現へ大いに奮闘しよう」とのべ、参加者全員で団結ガンバロウを三唱して集会を締めくくりました。
集会後は、ノボリ旗や横断幕、プラカードなどをかかげて銀座パレードに出発し、「賃上げでこそ景気回復を」「暮らしを壊すTPP参加反対」などのシュプレヒコールで市民に要求を訴えました。
ため込んだ内部留保は雇用と賃金にまわせ!◆経団連包囲行動
銀座パレードを終えた参加者は大手町の経団連ビルまで移動し、「内部留保を雇用と賃金、下請け単価引き上げに活用せよ!経団連包囲行動」にとりくみました。
主催者あいさつした国民春闘共闘の伊藤代表幹事(東京地評議長)は、「公務員の賃下げは、デフレ脱却という安倍内閣の政策と矛盾している。原発推進やTPP参加など財界がねらう攻撃に反対して、国民との共同を地域から強めよう」と、横暴勝手をつづける財界とのたたかいを呼びかけました。
全商連の鎌田副会長が激励に駆けつけ、「働く人の賃金が増えて、正社員が当たり前にすることがデフレを克服できる。消費税ほど不公平な税制はない。消費税増税をやめさせるためみなさんとともにたたかう」と決意をこめてあいさつしました。
決意表明では、郵政産業ユニオンの須藤書記長が、春闘ヤマ場でストライキを配置してたたかうことや、年収200万円以下の非正規社員の実態を報告しつつ、「膨大な内部留保をため込みながら、賃下げと非正規を拡大する財界・大企業は泥棒と変わりない。怒りを持った人はすべて立ち上がる春闘にしよう」と述べました。
全労連・全国一般の青池書記長は、「賃上げを財界に要請するならば、安倍首相は、まず最賃引き上げを決断すべき。結局は公務員の賃下げで官民の賃金を下げようとしている。職場からしっかりたたかう決意だ」と発言し、JMIUの三木書記長は、「3月6日を回答指定日にして統一ストライキでたたかう。インフレターゲットと言うなら、賃上げをターゲットにしろ。経営トップは、今すぐに賃上げを決断すべきだ」と訴えました。「経団連のみなさん、あなたたちはすでに包囲されている。ムダな抵抗はやめて要求に応えよ」と声を上げたいわて労連の金野(こんの)議長は、「全県が最賃のC・Dランクの東北では、最賃キャラバンにとりくんで奮闘する。財界はたまっている内部留保を活用しろ」と被災地の怒りをこめて発言しました。