安心・安全の医療体制確立のために国立病院の充実・強化が不可欠★国立病院機構

【とりくみ:独立行政法人労組のとりくみ】2013-04-10
 国立病院機構は、現在144病院を一つの組織として運営する事業型特定独立行政法人です。国立病院機構は、約5万6,000床の病床を有し、約6万人の職員が日本最大のネットワークを活用して国民の健康と国民医療の向上のために働いています。

 
 
■地域医療を支えるとともに、不採算の政策医療で重要な役割
 
 国立病院は、急性期から慢性期の医療まで地域の医療機関や自治体との連携を図りながら全国的に地域医療の質の向上に重要な役割を果たしています。

 それとともに、重症心身障害児(者)、筋ジストロフィー、結核、司法精神、救急医療、災害医療など他の医療機関では担うことができない不採算な政策医療を積極的に担い、海外の地震被害にも職員を派遣し、被災地における医療活動に貢献しています。

 特に、心神喪失者等医療観察法に基づく指定入院医療機関に関わっては、国立病院機構が約7割の病床を占め、国の政策医療の推進に重要な役割を果たしています。また、日本最大のネットワークを活用し、臨床の現場に根ざして高度先駆的な医療から標準的な予防、診断、治療法の開発に関わる豊富な臨床データの収集及び解析を推し進め、臨床研究活動を推進しています。

 さらに、医師、看護師をはじめとする医療従事者の育成と臨床研究に従事する研究スタッフの育成も担っています。

 
 
■地域医療崩壊に歯止めをかけるために、国立病院の役割と責任が重要
 
 今、地方ばかりか都市においても、医師・看護師不足が深刻化しています。産科、小児科、麻酔科をはじめとする地域医療の崩壊が社会的な問題となり、救急車のたらい回しや安心して出産すらできない異常事態となっています。国民は、国民医療・地域医療に大きな不安を抱えており、安心できる地域医療体制の確立は喫緊の課題となっています。

 こうした厳しい医療情勢の下で、国民がいつでも、どこでも安心して医療を受けることができるために、医療提供体制の整備を図ることが求められています。そのため国の医療行政の実施機関である国立病院が果たすべき責任と役割はますます大きくなっています。

 国立病院の充実・強化で国民医療・地域医療を守ることが何よりも求められています。

(全日本国立医療労働組合)