分限免職承認は不当!怒りをもって抗議◆4.19人事院前要求行動を実施
【社保庁不当解雇撤回ニュースNo.82】

【とりくみ:社保庁 分限免職】2013-04-25
 4月19日午後、社保庁職員の不当解雇の取り消しを求める人事院前要求行動を行い、約200人が参加しました。トランペット奏者松平晃さんによる演奏で始まった行動で主催者あいさつした国公労連の川村副委員長は、「大阪の大島さんへの取消判定は、政府・厚労省が行った分限解雇の不当性を人事院が断罪した画期的なもの」と述べるとともに、秋田の3名への分限免職処分の承認判定に対しては、「怒りをもって抗議する。分限免職回避努力が不十分なままの処分は裁量権の乱用としている以上、承認判定は不当と言わざるを得ない」と人事院の姿勢をきびしく批判しました。また、「承認判定の不当性は明白。直ちに35名全員の取消判定を求める」と人事院への追及強化と、「厚労省に対し、判定を待つことなく525名の処分の撤回を求めていこう」と力強く訴えました。
 連帯あいさつで全労連の斎藤組織局長は、「国民を守るべき国が、率先して労働者を解雇することがあってよいのか。こうした厚労省のやり方が、解雇は使用者の専決事項などとの声を助長している」と指摘。そのうえで、「いたずらに長引かせることなく速やかに労働者救済の命令をだすことが、全労連として人事院に対する要請だ」と述べました。続いて、秋田全厚生闘争団を支える会会長である秋田県労連の佐々木議長が、「秋田の3名の分限免職処分を認めるという極めて不当な判定」と人事院をきびしく批判しました。また、宙に浮いた年金問題にかかわって「社保庁幹部が何ら責任を取らず、懸命に働いた職員を解雇したうえ、問題の解決もできていない」と指摘し、「直ちに知識経験のある人達を職場に戻すべきだ」と訴えました。東京争議団共闘会議の小関議長は、「財界・大企業がねらっている労働者を物扱いする流れを断ち切るためにも、何としても社保庁のたたかいは前進させなければならない。額に汗して働く者が報われる労働現場を実現しよう」と訴えました。
 国公単組を代表して全法務の浅野副委員長が、「厚労省の面接評価を正当と認める人事院判断こそが不当。全法務の職場でも、市場化テストによる定削で組合員の首が飛びかねない状況が続いた。自身の問題としてたたかっていきたい」と決意を述べました。
 全厚生闘争団の決意表明として、全厚生の山本委員長が「秋田の3名も全く納得していない、許せないという思いを持っている。国民のために努力した者が首になった。消えた年金記録も何が問題なのかを明らかにし国民の理解を得ながら、胸を張って正々堂々とたたかっていく」と力強く決意を述べました。
 最後に、全厚生の倉橋中央執行委員のシュプレヒコールで締めくくり、人事院前要求行動を終えました。

残る35人の当事者の早期取り消し判定を◆公正判定を求め人事院へ要請

 人事院前要求行動の後、全労連と秋田県労連、国公労連、全厚生の7名で人事院への要請を行い、「分限免職処分取消請求事案の迅速・公正な判定を求める要請署名」3,517筆(累計95,458筆)を提出しました。人事院は武廣監理官ほか1名が対応しました。
 冒頭、国公労連の川村副委員長が、4人の判定に対する国公労連・全厚生の声明を手渡した後、「45年間発動されなかった分限免職に対する人事院の判定が公正・公平だったか疑問。判断待ちの全厚生組合員35人について早急に取消の判定を求める」と述べました。
 全労連の斎藤組織局長は、「雇用責任が不問にされている。人事院の役割を果たして欲しい。審理に3年以上かかるのは異常。一日も早く救済すべき」と発言。秋田県労連の佐々木議長は、秋田全厚生闘争団を支える会および全厚生東北社会保険支部の声明を手渡した後、秋田と大阪で判定が別れたことについて「極めて形式的な論理によるもので到底納得いかない」と述べました。
 全厚生闘争団の北久保事務局長は「4人の判定がでたが、全ての事案で判定をだして欲しかった。首に至る経過はそれぞれ異なる。解雇回避努力が不十分としており全員を取り消すべき」、國枝事務局次長は「4人の判定がでて、残り35人の当事者はさらに不安になっている。早急に取消判定をだすよう求める」、杉浦副委員長は「判定書を読んで、処分取消の点は評価できるが、それ以外は疑問。政府の責任を不問にして逃げる判定のあり方は問題。人事院の役割が問われる」と述べました。
これに対して人事院の武廣監理官は、「当事者と支援者それぞれ大変な立場で、ご苦労されていることは承知している。声明等、判定に対する発言について伝える」と述べました。また、現在、人事官が2人であるが「判定はだせる」と回答。現時点で判定がでているのは今回の4人のみで、秋田・大阪の事案が今回先行してでたのは、判定をだす準備ができたから行ったと回答しました。
 最後に、川村副委員長が「今回の判定は納得できない。そのことを受け止めて今後の判定作業にあたってほしい。残る35人の全厚生組合員について早い対応を行うよう求める」と述べ要請を終了しました。
以 上