全厚生当事者4人に対する人事院判定がだされたもと、国公労連、全厚生闘争団は4月20日、3年4カ月が経過した社保庁職員の不当解雇撤回を求める決起集会を全労連会館ホールで開催しました。集会には、分限免職処分された21人の当事者をはじめ各単組やブロック・県国公、県労連、民間労組、争議団、民主団体から192人の仲間が参加しました。
公務員の権利確立とも一体で、不当解雇を許さない社会つくろう
主催者あいさつにたった国公労連の宮垣忠中央執行委員長は、「大阪と秋田の人事院判定がでたが、解雇回避努力が行われていなかったことが明らかになった。人事院は残された35人の処分を取り消すとともに、政府・厚労省は、解雇の不当性が断罪されたからには解雇を撤回し、職場に戻すべきだ。安倍政権と財界は解雇自由化と雇用の柔軟化を狙っている。民間の仲間と連帯して解雇自由にストップをかけよう」と訴えました。
加藤健次弁護士がたたかいの到達点と今後の課題について報告し、「大阪の大島琢己さんの処分取消は、社保庁長官や厚労大臣に分限免職回避の努力義務があるとしたうえで、厚労大臣が分限免職回避のための努力を行えば社保庁職員の受入拡大が可能だったとし、分限免職に瑕疵があったことを人事院が認定したもので、たたかいの大きな成果といえる。一方、秋田事案の処分承認の判定は、政府の責任や厚生労働省のずさんな転任手続きを無視したもので正当な理由はない。国民のための年金制度や公務員の権利を確立する課題とも一体で不当解雇を許さない社会を築いていこう」と呼びかけました。
5曲の合唱構成を披露
決起集会では、全厚生闘争団と全厚生の組合員がいっせいに登壇し、神奈川合唱団によるピアノとギターの伴奏にあわせて、年金の仕事のやりがいと誇り、解雇撤回への決意をこめた歌を全厚生闘争団のメンバーが熱唱。「日本国憲法第25条」の歌から始まり、「ねぇ 聞いてください」「年金とわたし」「笑顔の意味は」「風を感じて」「はな」の5つのオリジナル曲を通じてたたかう決意を歌で表現しました。
全厚生闘争団当事者の大阪の大島琢己さんは、「3年前、分限免職になるとわかり、人事院に不服申し立てをしたが一人でたたかうことの不安で押しつぶされそうな日々。そんな中で出会った、同じように分限免職となりたたかう仲間。そして、たたかいを全面的に支えてくれるみんな。この出会いがあったからこそ、3年間がんばることができました。しかし、全国で39人いる仲間のうち、まだ取消の判定が出たのは私一人です。3年間ともに支えあってきた39人全員が職場に戻るときが本当の勝利です」と訴えました。
全労連、JAL原告団、自治労連がともにたたかうエール
連帯あいさつした全労連の根本隆副議長は、「解雇取消判定は大きな力になる。約10万筆集約した署名や運動を背景に、勝利にむけて全国でたたかおう」と呼びかけました。
JAL客乗原告団の内田妙子団長は、「大島さんの判定を聞いて、とてもうれしかった。社保庁不当解雇とJAL不当解雇問題の本質はまったく同じ。共闘をさらに強めて、空の安全と人権を守るために勝利するまでともにたたかおう」とエールを送りました。自治労連の山口祐二副委員長は、「自治体も民間委託や指定管理者制度で深刻な雇用問題が起きている。国自らが社保庁を解体・民営化して分限解雇することは、公的年金に対する信頼をなくすことだ。労働者の生活を奪う分限免職は、すぐに撤回すべきだ。自治労連は、連帯して奮闘する」とともにたたかう決意を表明しました。
当事者、全厚生闘争団がたたかう決意を表明
全厚生闘争団を代表して決意表明した愛媛の児島文彦さんは「解雇は断じて受け入れることはできない。安心できる年金制度をつくり、解雇自由を許さないためたたかう」、京都の北久保和夫事務局長は「労働組合があったからこそ、ここまでたたかえた。あと35人の仲間の希望をつくっていきたい。たたかいに勝利し、安心して働ける社会をつくっていく。今後とも支援をよろしくお願いします」と訴え、全厚生の山本中央執行委員長が、全厚生闘争団としてこれからのたたかいへの決意を述べました。
国公労連の川村好伸副委員長が「厚労省の解雇回避努力の不十分さを認定した判定を確信にして、運動を広げよう」と閉会あいさつを行いました。