「首切り自由」は許さない1点共同を展開
◆東京地裁・高裁への個人請願はじめ霞が関で行動
【社保庁職員不当解雇撤回闘争ニュースNo.85】

【とりくみ:社保庁 分限免職】2013-05-20

 けんり総行動実行委員会と東京争議団共闘会議による「首切り自由を許さない!5・15霞が関大行動」が5月15日に東京・霞が関で実施されました。解雇を許さない1点での共同行動は12年ぶりで、上部団体の違いを越えて700人が参加しました。国公労連・全厚生闘争団もこの行動に結集し、あわせてJAL不当解雇撤回裁判原告団等と共催で厚労省抗議要請行動を行い、社保庁職員の分限免職処分の撤回を求めました。

 全労連と全労協両議長が連帯あいさつ 

 12時10分からとりくまれた東京地裁・東京高裁前行動(主催「首切り自由」は許さない実行委員会)には、さまざまな労働組合が結集。国公労連・各単組は裁判所向かいの総務省側で結集しました。
 主催者あいさつした東京争議団の小関議長は、東京地裁と高裁で不当判決が続き、財界・大企業の横暴に迎合する流れがあると批判しました。そして、安倍内閣が労働法制に「解雇自由」の原則を盛り込もうとしていると告発し、「本日の共同行動は、この不当な流れを断ち切るための行動であり、協賛団体は90団体を超えている。人間らしく働くための共同のたたかいをすすめよう」と呼びかけました。
 連帯あいさつした全労連の大黒議長は、「本日は、『解雇自由』を許さない1点で共同した仲間の決起の場であり、裁判に訴え、使用者の不当な解雇を許さないたたかいを積み上げてきた結節点の行動だ。マツダの『派遣切り』を不当解雇と認めた山口地裁判決を力に、不当判決を許さないたたかいを全国に広げ、1日も早く勝利するため、運動を強めよう」と訴えました。全労協の金澤議長は、「JAL裁判の不当判決は不当労働行為そのものであり、国鉄闘争とまったく同じだ。解雇された労働者を職場に戻すとともに、『解雇自由』を私たちの力で跳ね返そう」と述べました。
 郵政産業ユニオン、東京私教連、全印総連、JMIU日本アイビーエム支部、JMIUいすゞ自動車支部、JAL不当解雇撤回裁判原告団、「東芝・稲葉さんの裁判(有期雇用問題)を支援する会」の代表が決意を表明。JMIU日本アイビーエム支部の木村原告が「退職強要裁判で会社側が勝ち、退職競争の追い風になっている。『ロックアウト解雇』では無効の判決を勝ち取りたい」と訴え、JAL不当解雇撤回裁判原告団(パイロット)の山口団長は「昨年3月の地裁不当判決は、経験と年齢に相関関係はないとするなど、会社側が主張していないことを判断した。憲法の番人である裁判所が、憲法を無視したことは許されない」と批判しました。
 その後、参加者一人ひとりが要求を書いたレッドカード(個人請願書)を手に、東京地裁・高裁個人請願を行いました。

「すぐに解雇を取り消せ」厚労省抗議・要請行動で全厚生闘争団が訴え

 14時からはJAL不当解雇撤回裁判原告団と全厚生闘争団、JAL契約制雇い止め争議、日東整争議団の主催で厚生労働省抗議・要請行動を行いました。
 決意表明した全厚生闘争団当事者の伊藤重雄事務局次長は、旧社保庁職員の分限免職で人事院が解雇取り消しの判定を出したことにふれ、「いかにでたらめな解雇だったかは明らかだ。厚労省は残る人事院判定を待つことなく、すぐに解雇を取り消すべきだ」と厚労省をきびしく批判しました。
 最後に、全厚生闘争団・全厚生の杉浦副委員長が閉会あいさつを行い、「4団体が厚労省要求で行動したことは歴史的なとりくみだ。老後を安心して暮らせる年金制度確立と空の安全を守るたたかいを結合して、『乱暴な解雇』を許さない共同を広げ、勝つまでたたかおう」と呼びかけました。