人事院は8月19日11時30分、処分の撤回を求めて不服審査を申し立てていた全厚生組合員の東京2人と岐阜1人、愛知4人、愛媛4人の11人の判定書を交付しました。國枝さんなど愛知2人と岐阜1人の処分を取り消す一方、愛知の2人と愛媛の4人、東京2人については解雇を承認する不当な判定となりました。また、厚生労働省は、全厚生事案(11人)含めて26人の判定があり、10人が処分取消となったことを明らかにしました。
人事院は公正・公平な判定を行え!
猛暑のなか人事院前要求行動に200人駆けつける
34度を超える猛暑のなか、国公労連社保庁不当解雇撤回闘争本部は19日11時15分から取消判定を求める人事院前要求行動を行いました。この行動には、全労連の各単産や県労連、社保庁対策会議メンバー、民間労組、東京争議団、JAL不当解雇撤回原告団、JMIUの仲間など約200人が参加しました。全厚生は、中部社保支部・関東社保支部・近畿社保支部と東京・愛知・京都の当事者も参加しました。
要求行動にあたって国公労連の九後書記次長と全厚生の川名書記長があいさつし、川名書記長は「社保庁バッシングのなか、全厚生闘争団当事者がたたかってきた。社保庁職員を解雇して公務員も解雇できるトップランナーとして攻撃されてきた。安倍政権は労働法制改悪と雇用規制緩和を行い、正社員も首切りしようとしており、この闘争は働く労働者の雇用を守るたたかいだ。不当解雇の全面解決のためにたたかいを強めるので、みなさんのご支援をお願いします」と訴えました。
行動に駆けつけた秋田県労連の佐々木議長と自治労連の猿橋書記長、JMIUの笠瀬書記次長、JAL原告団の山口団長、東京争議団の岩崎さんが連帯と熱い激励あいさつを行いました。
3割5分もの取消判定!政府・厚労省は解雇を撤回せよ
人事院判定後の昼休み要求行動で主催者あいさつした国公労連の川村中央執行副委員長は、人事院の判定結果について、「全厚生闘争団11人のうち3人が処分取り消しとなった。一方、処分が承認された愛知の1人は育児休業中に解雇されたものであり、働く労働者の権利破壊を容認した判定は断じて許せない。3回の人事院判定で46人のうち16人が処分取り消し(3割5分)されたことは、処分自体がまちがいであり、政府・厚労省の不当解雇の実態がいっそう明らかになった。国民の年金権を守るため、すべての解雇撤回のために最後までたたかう」と訴えました。
連帯あいさつした全労連の根本副議長は、「今回3人が処分取り消しになったことは、厚労省の回避努力の不十分さを認定したものであり、525人の首切り自体が公務労働者の人権侵害であり憲法違反そのものだ。JAL不当解雇や日本IBMのロックアウト解雇を許さないたたかいと全国の非正規裁判と結びつけて、解雇自由を許さず、憲法守れのたたかいを全国に広げよう」と呼びかけ、愛媛労連の竹下事務局長は「愛媛4人の処分認定に断固抗議する。処分が取り消されるまで、愛媛労連は全力をつくす」と訴えました。
判定内容を報告した自由法曹団の加藤弁護士は、「今回の人事院判定は、雇用を守るべき政府・厚労省の解雇回避努力をしなかっただけでなく、政府の不公正で差別的な取扱いを断罪しなかった。人事院が公正・中立な機関であるならば、今回の判定について人事院は猛省すべきだ。全国で粘り強くたたかい、処分取り消し判定を勝ちとった運動の到達点に確信を持ち、全面解決にむけて運動をもっと広げよう」と呼びかけました。
取消判定を勝ちとった全厚生闘争団の國枝事務局次長は、「不当解雇から3年8カ月。愛知から東京にでてきて運動を積み重ねてきた結果、勝利判定を勝ちとった。支援していただいた全国のみなさんに心から感謝する。たたかいながら、労働組合の力が大きいことを実感した。民間の仲間と連帯して乱暴な解雇を許さない運動を強め、すべての仲間の職場復帰をめざして、要求実現のために引き続きがんばります」と力強く訴えました。
最後に、「人事院は公正・公平な判定を行え」「社保庁職員の分限免職処分は全員取り消せ」「国による不当解雇は許さないぞ」とシュプレヒコールを行い、要求実現までたたかう決意を固めました。