解雇の誤りを認め処分を撤回しろ!
人事院判定を受け厚労省要請を実施
【社保庁不当解雇撤回闘争ニュースNo.90】 

【とりくみ:社保庁 分限免職】2013-08-23
 人事院による3回目の判定書が手交された19日の午後、全労連社保庁対策会議メンバーと、国公労連、全厚生の11名で、厚生労働省に対して社保庁職員の解雇撤回・職場復帰を求める要請を行いました。厚労省側は年金局総務課の今井課長補佐ほか1名が対応しました。
 冒頭、全労連の根本副議長が「旧社保庁職員の解雇撤回の政治決断を求める」要請署名2,858筆と解雇撤回を求める要請ハガキ817枚(累計943枚)を提出し、「今回を含め16人の解雇が取り消され、不服申立者全体の3割を超えている。分限免職処分の根拠を失うものだ」と厚労省の責任を追及しました。
 国公労連の川村副委員長は、「厚労省転任での面接官は、社保庁時代の成績は重視しないと言っている。そのことが恣意的な判断につながっている。厚労省自身が反省しないといけない」と裁判を待たずに解雇を撤回するよう要請しました。
 秋田県労連の佐々木議長は「分限免職になった525人の3割は約160人。だとすれば、全員復職させるべき」、香川・綾さんを励ます会の森事務局長は「香川の綾さんは裁判をしているが、判決待ちではなく誤りを認めて身分を回復させる誠意を見せて欲しい」、愛媛県労連の竹下事務局長は「愛媛の当事者4人は取り消しにならなかったが、能力のどこに問題があったかわからない。分限免職しなければならない理由はない」、岐阜県労連の澤村副議長は「当事者は3年8か月辛い思いをした。名誉回復を含めて525人職場復帰すべき」、京都総評の吉岡事務局次長は「厚労省は責任持って処分したのに3割超える人が取り消された。処分全体の検証をみずから行い、公表すべき。当事者の責任で問題解決をはかるべき」とそれぞれ発言しました。
 全厚生闘争団の伊藤事務局次長(東京)は「3回判定がでて3割の当事者が取り消しになった。このことを重く受け止めるべきだ」、業務センターの松本さんは「クビを切られた人はどこに行けばいいのか。あっせんも失業保険も整備されていない。死ねと言うことか」、京都の中本事務局次長は「京都は15人当事者がいるが一人も判定が出ていない。長ければ苦しくなる。早期に職場に戻して欲しい」と述べました。
 年金局総務課の今井課長補佐は、「今回の判定は、今知ったところ。幹部や大臣への報告はこれから。今日の貴重な意見も報告し、対応を考えていく」と述べるにとどまりました。
 最後に全労連の根本副議長が、「解雇を承認された人の争う場は裁判のみだが、そこまで追い込むのか。厚労省は全員の判定がでた段階で、見解をだして欲しい。今後、懇談などやり取りをしたい」と述べ要請を終えました。

※ 全員の解雇撤回・職場復帰を実現するため、内閣総理大臣・厚生労働大臣あての解雇撤回を求める要求署名とハガキのとりくみに更なるご協力をお願いします。

<厚生労働大臣あて解雇撤回要請ハガキの一言欄より>

・人事院も指摘するように回避努力が不十分なまま行われた旧社保庁職員の分限免職は認められません。厚労省は働く者の雇用・生活を守る役所です。その本来の立場に立ってください。
・国民の生活を守る行政を行う厚労省が、解雇するとは言語道断です。すぐさま不当解雇を撤回してください。
・人事院判定で明らかになった厚労省の対応はブラック企業そのものです。直ちに分限免職を撤回するよう求めます。
・職員一人一人には家族もいるし生活もある。職員を部品のように切り捨てる首切りに反対します。
・人事院による解雇撤回努力の不備が判断されています。今一度、過去の分限免職を見直し、全員の復権復職を望みます。
・今回の解雇は政治の力を利用したパワハラにしか見えません。全員を元の職場に戻して下さい。
・何やら、国民の目が実際届かないところで、もっともらしく「郵政改革」「早急改革」などの言葉をかかげてデタラメをやっていく。こういうゴマカシを許さないよう、私たちも応援します。厚生労働大臣はまじめにやれ!
・社会保険庁をこわし年金機構という無力な組織を作り、年金引き下げなど社会保障を削減するために能力のある職員をやめさせるというやり方は、間違った政治のあり方です。職員の解雇は直ちに撤回すべきは当然です。
・雇い主の一方的な都合の押しつけで、解雇された職員と家族の生活をうばうことは決して許されることではありません。国民の生活を守る立場にある国として、一日も早く不当解雇を撤回することを望みます。
・年金記録問題を含め、国民・労働者の権利を守るためにも、熟練した労働者を職場に戻すことが必要です。政府は、間違いをきっぱり正すべきです。
・経験のある職員をしっかり雇用し、国民のためにがんばってほしいです。簡単に首切りする国は、国民も簡単に切り捨てるのではと不安です。
・年金問題も解決していないのに、職員が少ないのでは改善になりません。経験ある職員を職場に戻してください。国民のためです。
・当事者たちは、3年半も苦しんでいるのです。厚労省は働くものを大切にすべき立場ではないですか。恣意的な面接が人事院判定の基準になっていることも、反省すべきです。