国公労連社保庁不当解雇撤回闘争本部は11月14日、東京都内で「ILO、裁判提訴報告11・14決起集会」をひらき、会場あふれる160人が参加しました。この行動には、11・14中央行動に参加した各単組、ブロック・県国公の仲間をはじめ、全労連、東京地評、自治労連、医労連、JMIU、JAL不当解雇撤回原告団などが参加しました。また、全厚生の関東社保支部と近畿社保支部、中部社保支部、四国社保支部、東京や京都、愛媛の当事者も参加しました。
主催者あいさつした国公労連の宮垣中央執行委員長は、解雇撤回を求めるたたかいの舞台は人事院から裁判に移ると述べ、「本日、東京の当事者2人が解雇の取り消しを求めて東京地裁に提訴した。すでに北海道、京都、秋田は裁判闘争をたたかい、全厚生闘争団の川口さんはILOに申し立てをした。11月13日付の朝日新聞社説には『長年にわたり蓄積されていた旧社保庁問題の責任を末端の職員に転嫁したのは政治のパワハラだった』『ツケは国民にも及んでいる』と指摘している。働くルールを確立するためにも、JALの不当解雇、日本IBMでのロックアウト解雇をはじめとする雇用破壊と解雇自由化を許さないたたかいと結んで、政府による国家的不当解雇を撤回させるまでたたかおう」と呼びかけました。
激励あいさつした全労連の根本副議長は、「不当解雇は、労働者の働く権利、生きる権利を侵害するものだ。裁判闘争に勝利するため、国民世論を大きく広げよう」と述べ、東京地評の伊藤議長は「政府・財界の労働法制改悪攻撃を跳ね返し、『解雇自由』の流れをストップさせるとりくみと一体で運動を強めよう」と訴えました。
日本政府の解雇は、ILO87・98号条約違反
日本政府による社保庁職員の不当解雇はILO87号、98号条約違反としてILOに申し立てた全厚生闘争団(京都)の川口さんは、「11月6日にILO結社の自由委員会へ提訴した。政府が組合活動を理由にした懲戒処分を行い、処分を受けた職員の年金機構への応募を一律に認めなかったのは、組合活動を保障したILO条約に違反している。社保庁民営化と525人もの大量解雇を強行し、国民の年金権・財産権をないがしろにしてきた日本政府の責任は明白だ。公務員攻撃を跳ね返し、労働者の誇りと権利を守るために奮闘する」と報告しました。
自由法曹団の加藤弁護士がたたかいの到達点と裁判での課題などについて報告し、「3割を超える前代未聞の処分取消は分限免職そのものの正当性を否定するものであり、大量解雇をしておきながら民間から1000人を雇用するなど、明らかに必要のない解雇だった。労働組合活動を理由とした解雇など実態を検証し、徹底的に政府の責任を追及し、首都・東京で裁判勝利を勝ちとろう」と訴えました。
東京地裁に提訴した原告の鶴田さんは「分限免職された2009年当時を思いださない日はない。上司から『あなたの行くところはない』と告げられ家族にも言えず、自分は死んだ方がましではないかと思った。人事院の処分承認は断じて容認できない。4年間は長く辛かったが、仲間の支えがあったからこそたたかえた。感謝の気持ちでいっぱいです。裁判で不当な処分を取り消してもらい、元の職場に戻りたい」と訴え、松本さんは「旧社保庁職員当時は、上司から5~10%ボーナス返上を強要され、国民からは『おまえは悪いやつだ』と毎日バッシングをうけ、うつ病になった。理不尽なことを許してはならない。怒りのエネルギーがでるのは、たたかいを支援してくれる仲間がいるから。当たり前に権利が保障される社会をめざしてがんばりたい」と決意表明しました。
第2ステージ・司法の場で、勝つまでたたかう
フロア発言でJMIUの三木書記長は「処分取り消しを勝ちとったのは、要求をあきらめず粘り強く運動を着実に積み重ねてきたから。いじめとパワハラなどバッシングを乗り越えて、人間性を確保してたたかえたのは労働組合の団結の力だ。裁判勝利にむけ共同してたたかおう」と呼びかけました。自治労連の平野中央執行委員は「34%もの処分が取り消されたことで解雇自体が間違いだったと証明された。社保庁不当解雇撤回闘争は、地方公務員や民間にも大きな影響を与える。住民サービス切り捨ての流れを断ち切るためにも、自治労連も奮闘する」と述べ、JAL不当解雇撤回原告団の杉山事務局長は「JALはものを言う労働組合をつぶす目的で労働者を解雇した。『空に戻りたい』と訴え、バイトをしながら全国でオルグ活動を行っていた原告が亡くなった。みなさんと連帯して、勝つまでたたかう」と力強く訴えました。秋田県国公の成田議長は「いま秋田の当事者4人が裁判でたたかっているが、決して負けることはできない。12月16日の仙台地裁での公判に多くの仲間が傍聴にきてほしい」と呼びかけ、東京国公の植松事務局長は「これまで諸団体と共闘して争議支援や安心年金つくろう会東京連絡会でたたかってきた。勝利するため、国公労働者は地域にもっと足をだしてほしい」と訴えました。
処分取消の判定を勝ちとった全厚生闘争団の中本事務局次長が全厚生を代表して決意表明を行い、「本日、東京当事者2人が司法の場にステージを変えてたたかう決意をした。全国では、北海道1人、秋田4人、京都12人がすでに裁判闘争をたたかっているが、愛知と愛媛でも提訴を検討しており、全国各地で全厚生闘争の狼煙(のろし)を上げていく。不当に解雇された仲間の職場復帰を勝ちとるとともに、年金記録問題の根元を明らかにするたたかいと位置づけ、すべての労働者が安心して働ける社会と、安心して老後を暮らせる年金制度をつくるために奮闘する。引き続き、みなさんのご支援を」と訴えました。
最後に国公労連社保庁不当解雇撤回闘争本部の川村事務局長が行動提起し、「この間のたたかいでの到達点は『労働組合の力』であり、確信にしたい。不当解雇撤回闘争のたたかいを全国の職場と地域に広げ、勝つまでたたかおう」と訴えました。
※国公労連ホームページに「ILO、裁判提訴報告11・14決起集会」の動画が近日中にアップされます。