国公労新聞2014年10月10日号(第1425号)

【データ・資料:国公労新聞】2014-10-10
◆職場や生活の実態を話し合おう
 春闘アンケートは要求作りの出発点
 
 国公労連は秋年末、「国公労連2015年要求組織アンケート」(3、4面に掲載)にとりくみます。国公労働者の賃金をはじめとする労働条件等の改善要求と仲間が日頃からいだいている不安や不満を集約し、要求とたたかいに反映させるために実施します。
 
 
◆安倍政権の暴走にストップ
 賃金引き上げと雇用の安定をかちとろう
 
 9月29日に開会した臨時国会の所信表明演説で安倍首相は、「地方創生」や「女性がかがやく社会」を強調する一方で、TPP交渉や原発再稼働を推進する立場を鮮明にし、農業、雇用、医療、エネルギーなどの「岩盤規制」を取り払い、大企業のもうけを確保し、国民には犠牲を押し付けようとしています。
 8月の実質賃金が14カ月連続で減るなど、アベノミクスによる物価上昇や消費税率引き上げで国民の生活はますます深刻です。
 政府は、「地方創生」をかかげ地方の活性化を重点施策とする一方で、地域経済の疲弊を招く公務員賃下げという矛盾した政策を強行しようとしています。これを突破口にして、消費税率10%への引き上げをねらっています。
 2015年春闘は、財界・大企業本位、国民生活犠牲の悪政をすすめる安倍内閣の暴走をストップさせ、すべての労働者の賃金引き上げと雇用の安定により、景気回復をはかっていくうえで、重要なたたかいとなります。
 要求組織アンケートは、春闘期統一要求案検討の重要な資料となるだけでなく、すべての組合員が積極的に職場討議に参加する要求づくりの出発点となるものです。アンケートのとりくみをきっかけに、今一度、職場や生活の実態をみんなで話し合い、生活実感に基づいた賃金要求をはじめとした春闘期の要求を確立することが重要です。
 
◇「総合的見直し」反対の声広げよう
 
 政府は10月7日、第2回給与関係閣僚会議と引き続く閣議で、2014年人事院勧告どおり給与改定する方針を決定しました。月例給・一時金や諸手当の引上げは、生活改善には程遠い内容ではあるものの、改善勧告の実施は当然です。しかし、「給与制度の総合的見直し」は、私たちの反対を押しきり強行するものであり、とうてい認められません。また、「総合的見直し」に連動して、退職手当削減の方針が決定されました。
 「総合的見直し」は、地域間の賃金格差拡大や、年齢により賃金差別となる「職務給原則」を踏みにじる賃下げです。
 また、独立行政法人職員や、地方公務員をはじめ、民間労働者にも賃下げが波及し、地域経済が冷え込むことは明らかです。安倍内閣は労働者の賃上げを財界に要請してきましたが、それならば、「総合的見直し」は直ちに中止し、あくまで公務員賃金改善をめざすべきです。
 退職手当については、「総合的見直し」による俸給引下げに連動し水準低下となるものですが、2012年に官民均衡を口実として、約400万円もの手当引き下げが強行されたばかりなのに、このうえさらに水準低下など許されません。
 政府は、「民間の退職手当水準に変更がない中での給与制度見直しへの対応」としながら、「貢献度を的確に反映させるための改正」へと目的をすり替え、職責によって加算される「調整額」拡大を狙っています。これにより、4、5級で10万円以上、6級では20万円以上の水準低下となる一方、7級以上では20~30万円以上も引き上げられます。官僚優遇措置であり、断じて認められません。
 政府との交渉では、明確に労働条件の不利益変更であり、退職手当への措置は給与改定とは切り離し、交渉を継続するよう求めましたが、政府は聞き入れず、閣議決定を強行しました。
 たたかいの場は国会へと移りましたが、地域経済に深刻な悪影響を及ぼす「給与制度の総合的見直し」の阻止に向け、国会議員要請をはじめとし地域から反対の声を広げ、国会を包囲する取り組みの強化が重要です。
 
 
◆【国公労連】
 新基地建設許さない
 沖縄県知事選挙
 翁長雄志氏の支援決定
 
 国公労連は9月30日の第4回常任中央執行委員会で、沖縄県国公の要請をふまえ、11月16日投票の沖縄県知事選挙に立候補する翁長雄志氏への支援を決定しました。
 この選挙は、安倍内閣がねらう辺野古新基地建設を許すのか、建設を阻止して基地のない沖縄をめざしていくのかを最大の争点としてたたかわれます。さらに、国政にも影響し、安倍政権の暴走に国民の審判を下す絶好の機会となります。
 1月の名護市長選挙では、新基地建設に反対する現職の稲嶺市長が再選されたにもかかわらず、安倍内閣はあくまで辺野古移転の姿勢を変えず、今年8月には辺野古沖合のボーリング調査を強行するなど、県民の願いを踏みにじってきました。
 沖縄県知事選挙には自民党本部推薦のもと現職の仲井眞知事が立候補を表明し、一方、県政野党・会派をはじめ、沖縄経済界有志や自民党県連から除名された那覇市議会の自民党会派などの要請を受けて、基地建設に反対する翁長雄志那覇市長が立候補を表明しました。
 保守から革新まで幅広い支持をうける翁長氏は、出馬表明にあたり、「米軍基地は経済発展の阻害要因であり、辺野古新基地建設には断固反対する」と強い決意を明らかにしています。
 
●具体的なとりくみ●
 沖縄に支部・分会などがある単組は本部からの職場オルグに取り組むなど指導・援助を強めましょう。沖縄県内の友人、知人、親類などに支援の輪を広げましょう。
 檄布・メッセージの送付などをはじめ、沖縄県国公が取り組んでいる選挙カンパに積極的に応えましょう。
 
○翁長 雄志(おなが たけし)
 1950年、沖縄県那覇市生まれ
 法政大学法学部卒
 那覇市議(2期)、沖縄県議(2期)
 2000年12月より那覇市長
 (現在4期目)
 
 
◆社保庁不当解雇撤回裁判(京都事案)で証人尋問
◇【全厚生・山本委員長】
 経験豊富な元職員の早期復職を
 
 【近畿ブロック国公発】9月29日、大阪地裁で、不当解雇撤回裁判(京都事案)第13回口頭弁論が開かれ、国側証人、全厚生・山本中央執行委員長のほか、原告代表5人への証人尋問が行われました。全厚生組合員をはじめ、国公各単組、京都総評、国公OBなど80人余りが傍聴しました。
 
◇「処分ありき」が明らかに
 国側証人として、当時の厚生労働省本省の人事担当官と、社会保険庁の総務課人事調整官が出廷しました。主尋問で2人は当時の状況について「分限免職の回避に向けて最大限努力した」「分限免職処分を行なった平成21年度は新規採用を抑えて、定員確保に向けて尽力した」「各省庁の人事担当者が集まる会合の場で、省庁間配転を打診してきた」などと主張。
 しかし、反対尋問では、「人事担当者の会合で、社保庁からの省庁間配転について正式議題にあがっていなかった」と述べ、処分以降、年金記録問題に対応するための117人分の人員予算配置があったにも関わらず、それを執行しなかったことについて「わからない。判断できる立場になかった」と回答。
 さらに、「年金機構法では『分限免職処分することができる』と定められているが、絶対的義務事項ではないため、処分そのものを行なう必要性はなかったのではないか」との問いに対し「(法令解釈では)そうだが、私には分からない」とまともな回答しませんでした。
 その後、全厚生・山本委員長が証言。「職場は、知識が少ない非正規職員が増えて大変。経験豊富な元職員の早期復職をお願いしたい」と力強く訴えました。
 
◇「のぞき見」えん罪を立証
 各原告からは、「勤務最後の日まで年金記録問題のマッチングのため仕事を行ない、年明けも引き継ぎを兼ねて作業するため出勤した」
 「滞納件数が100件近くあり、それを20件にまで解消し、全国トップレベルの実力があり、評価もS~Aだったにもかかわらず、移行調査で『声が小さい』と評価されただけで採用にならなかった」育児休業中に分限免職処分を強行され、収入が途絶え、子どものお年玉にも手を付け、苦しい生活を強いられた」
 「部下が私の端末で『目的外閲覧』したにも関わらず、部下が強く否認を主張したため、濡れ衣を着せられ、転任することができなかった。その部下は日本年金機構に採用されている」
 「精神疾患を発病。がんばって職場復帰したが、不採用となった。当局から非常勤職員の募集があることを薦められ面接に行ったが、相手方が既に病気のことを知っていたため、採用されなかった。なんのための就職あっせんなのか」
 と、涙を流しながら訴えました。
 原告の証人尋問は、各30分程度でしたが、各自が精いっぱい当時の状況や今も変わらぬ年金業務への想いを熱く語り、閉廷となりました。裁判は12月8日の第14回口頭弁論で結審となります。
 弁論終了後、裁判報告集会が行なわれ、勝利にむけ署名の上積みなどを確認しました。
 
 
◆集まって話せば、元気に
 女性協第40回総会
 
 国公労連女性協は9月27~28日、東京都内で第40回総会を開き、9単組4ブロック12県国公からオブザーバーを含め40人が参加し、2014年度運動方針を決定しました。発言はのべ23本。
 「職場に余裕がなくなり、セクハラ・パワハラが横行し、同僚間でも弱い者いじめが発生している」「大学職場では、セクハラ相談員を学内の職員が行っており、その弊害が出てきている」など職場環境改善を求める発言がありました。
 また、第44回国公女性交流集会の感想でも「元気のない人を誘って参加したところとても元気になった」「実行委員会は次の役員を育てる場でもある」などの発言がありました。
 今回は県国公からの参加が少数でしたが、その中でも「厳しい状況だが、みんなが集まれば元気になるので、少しずつでも、できることを行っていきたい」「役員がまず楽しめることから始めたい」など前向きな発言が目立ちました。
 2日間の総会では「集まって話せば、元気が出る」ことが共有され、職場や地域から要求実現に向けて奮闘していくことが確認されました。