国公労新聞2014年12月10・25日合併号(2015春闘職場討議資料、第1429号)

【データ・資料:国公労新聞】2014-12-25
◆まもろう憲法とくらし ストップ 暴走政治 実現しよう!大幅賃上げと雇用の安定
 
 2015年春闘は、「まもろう憲法とくらし ストップ暴走政治 実現しよう!大幅賃上げと雇用の安定」をスローガンにたたかいが展開されます。12月14日投票の総選挙では、安倍政権への批判が反映して自民党が議席を減らしたのに対し、日本共産党が議席を大幅に伸ばすとともに、オール沖縄の候補が沖縄全選挙区で自民党候補を破って当選を果たしました。その一方で、史上最低の投票率と小選挙区効果で与党が安定多数の議席を維持する結果となりました。総選挙では、大企業・富裕層優遇で国民犠牲の施策の推進と「戦争する国づくり」を許すのか否かが争点となりました。今春闘では、その気運をさらに高めて、安倍政権の暴走をストップさせて、誰もが人間らしく働き、安心してくらせる社会に転換させる好機として職場・地域から共同の輪を広げましょう。
 
 
◇富の再配分機能の強化で格差と貧困の解消を
 
 政府・財界は、総選挙でアベノミクスの継続について「信任を得た」としています。しかし、アベノミクスは、円安株高を誘発させて大企業の内部留保が285兆円に達し、1年間で13兆円増やすなど大企業と富裕層には莫大な利益をもたらしていますが、圧倒的多数の労働者・国民には、その効果が及んでいません。それどころか消費税増税ともあいまって、GDPが2期連続大幅減少するなど国内経済は逆に悪化しています。
 そのため、実質賃金は16カ月連続減少、正規雇用労働者が1年間(2014年4月時点)で40万人減少、年収200万円以下の労働者が約1120万人と1年間(2013年)で30万人増加するなど、国民生活は悪化する一方であり、アベノミクスの破綻は明らかです。
 今春闘では、アベノミクスは直ちにやめ、内部留保の還元を含めた富の再配分機能を強化して格差と貧困をなくし、すべての労働者の賃金改善と良質な雇用の確保で、国民本位の景気回復を図ることが求められています。
 
 
◇国民犠牲の施策を転換させる好機
 
 安倍政権は、財界の要望にもとづいて、労働法制の大改悪、消費税率再引き上げと法人税率引き下げ、社会保障大改悪、TPP参加、原発再稼働・輸出などの利益至上主義の施策を推進しています。
 労働者派遣法の改悪など労働法制の規制緩和は、企業や人材ビジネスに利益をもたらす一方で、正社員ゼロ・労働者使い捨て自由の社会をつくり、格差と貧困を拡大するものです。労働法制の改悪を阻止して、大企業優遇ではなく、全労働者の7割が働く中小企業の活性化に力をそそぐとともに、全国一律最低賃金制を確立して地域間の賃金格差を解消していくことで、すべての労働者の賃上げと消費拡大による景気回復が可能となります。
 安倍首相は、消費税率再引き上げを1年半先送りしただけで引き上げの方針は堅持しています。政府は、2014年4月の増税分は社会保障の充実にあてると約束していましたが、実際に充実に使われたのは増収分の1割のみで、残りは法人税減税などの代替として既存の制度の財源として使われています。いま必要なのは、消費税増税を中止して、消費税に頼らない、応能負担の原則による民主的な税制の確立です。
 安倍政権は、年金(支給開始年齢の引き上げ等)、医療(75歳以上の負担引き上げ等)、介護(報酬の引き下げ、利用料の引き上げ等)など、社会保障の改悪を進めており、こうした動向にも注視が必要です。また、消費税率引き上げ先送りにともなう負担を社会保障改悪に求める危険性もあります。
 今春闘では、これらの国民犠牲の施策を転換させるため、一致する要求での労働者・国民の共同を発展させることが求められています。
 
 
◇公務・公共サービス拡充めざす
 
 春闘では、民主的な公務・公共サービスの拡充をめざすたたかいも重要です。政府は来年度から5年で10%の新たな定員削減計画を策定しました。これ以上の定員削減は、行政機関の機能を脆弱にし、国民の権利保障機能の低下を招き、職員の健康破壊を加速しかねないものです。
 いま政府がなすべき課題は、総定員法と定員削減計画による定員管理施策を改め、各行政分野の実態に着目して、行政需要にみあった定員の大幅増員による体制確保とそれによる公務・公共サービス機能の向上です。福祉の充実も公務・公共サービスの拡充が不可欠であり、その重要性を職場・地域から訴えていきます。

 
◇「改憲」と「戦争する国づくり」をやめさせよう
 
 安倍首相は、総選挙の争点に憲法改正や安全保障政策を前面に打ち出しませんでしたが、安倍政権が当初から憲法の改悪や「戦争する国づくり」をねらっていたことは明らかです。そのため安倍首相は、年明けには日米ガイドラインを「改定」し、集団的自衛権の行使を可能とする自衛隊法の改正案などを国会に提出することをめざしています。
 2015年は戦後70年の節目を迎えます。春闘では、こうした危険なねらいをやめさせるため、憲法をまもり、特定秘密保護法廃止、集団的自衛権行使容認閣議決定撤回、日米ガイドライン改定反対、米軍新基地建設反対などの「戦争する国づくり」を許さない国民的規模のたたかいに結集することが重要です。
 
◆2015春闘 官民共同の運動を地域から
 
[1]春闘に臨む基本姿勢は
 国公労連春闘2大行動の「Vマップ運動」と「ブロックキャラバン行動」を柱に
 
 2015年春闘で国公労連は、次の5つを基本に据えています。
 第1は「すべての労働者の賃上げと良質な雇用の確保」、第2は「民主的な公務・公共サービスの拡充」、第3は「権利確立と職場要求の実現」、第4は「戦争する国づくりと安倍『雇用改革』を許さない共同の拡大」、第5は「組織拡大と運動の強化」です。
 以上を基本方向に据えて、各課題に対応します。
 特に重視することは、官民問わず多くの労働者が春闘に参加することで賃上げの気運を高めるとともに、労働法制改悪や社会保障改悪の阻止などの国民的課題での官民共同のとりくみを進めることです。そして春闘を国民的な運動に発展させて、貧困と格差の解消をめざし、大企業優遇の社会から国民本位の社会に変えていくことです。
 国公労連のとりくみとしては、「ビクトリーマップ運動」と「ブロックキャラバン行動」を国公労連春闘2大行動として位置付け、2月の全労連・地域総行動とも連動させながら重点的にとりくみます。
 
 
[2]賃上げを実現するためには
 大企業の内部留保を活用し底上げを
 
 大企業は巨額の内部留保を蓄積しており、その気になれば賃上げは十分可能であることが、昨年の春闘でより明らかになりました。その流れを本格化させて、今春闘ではすべての労働者の賃上げをめざし、それによる景気回復を図ることを重視します。
  具体的には、多くの労働組合が賃金改善要求を掲げて使用者との交渉を春闘期に集中してとりくみます。同時に貧困と格差の解消をめざして全国一律最低賃金制の確立や非正規雇用労働者の均等待遇をもとめる運動を官民共同で展開します。
 国公労連としては、大企業の社会的責任を明らかにして、貯め込んだ内部留保を活用させる「ビクトリーマップ運動」(国公労連春闘2大行動①)を各ブロックの主要都市で具体化します。
 「ビクトリーマップ」は、主要都市に社屋を構えている大企業の内部留保の状況を明らかにして、それを地図などでわかりやすくまとめたビラです。そのビラを活用した宣伝行動を展開して、賃上げが十分可能であることを世論に訴えます。そのため春闘ポスターや手引き、ビラのひな形を作成します。
 
 
[3]賃上げ要求案と統一行動は
 月額平均2万円以上、時給150円以上
 全任命権者・所属長に要求書提出を
 
 国民春闘共闘委員会は、アンケート結果と物価上昇を考慮して、月額2万円以上、時給150円以上を要求案として議論を進めています。
 国公労連もアンケート結果を踏まえて春闘共闘と同様の月額平均2万円(4・9%)以上を賃金要求案として提起しています。
 また、春闘期の重点課題として、定年年齢の段階的延長の早期実現、再任用制度の改善、宿舎の確保、非常勤職員の処遇改善などを統一要求書にまとめ、2月9日の週を基本に「第1波全国統一行動週間」を設定し、すべての任命権者・所属長に提出します。(最終回答3月25日)
 回答日に向けた総決起の場として3月4日に配置される「大幅賃上げ・労働法制改悪ストップ労働者決起集会・中央行動」に積極的に結集、民間の山場となる3月12日に全労連が全国規模で取り組む「統一ストを含む官民一体統一行動(50万人総行動)」に参加します。
 
 
[4]職場の体制を拡充するためには
 総人件費削減の問題点を訴え大幅増員を
 
 春闘期は、国民本位の行財政・司法の確立をめざす「21世紀国公大運動」の「総対話MAP運動」の一環として「ブロックキャラバン行動」(国公労連春闘2大行動②)を展開します。
 このとりくみは、公務職場で深刻な問題となっている人員等の体制に焦点をあてて、政府の総人件費削減方針が公務職場と地域の公務・公共サービスに与える影響などを明らかにして、総定員法の廃止と新たな定員合理化計画の即時中止で需要に見合った大幅増員をめざすとりくみです。 具体的には、地元国会議員要請や3月議会にむけた地方議会請願行動、街頭宣伝行動などの行動計画を策定し、実践します。その際、各職場の実態を明らかにしたリーフレット「国民のくらしを支える行政の拡充を」(リニューアル版)や各単組の増員署名、ブロック毎の国会請願署名などを活用して、公務・公共サービス拡充・強化の機運を高めていきます。
 
 
[5]非常勤職員の要求実現のとりくみは
 2014年人勧にもとづき賃金・手当の引き上げを追及
 
 2014年人事院勧告にもとづく初任層の賃金や通勤手当の改善を踏まえ、臨時・非常勤職員の賃金・手当引き上げ、年度末の乱暴な雇止め阻止と公募要件の撤廃を求めて政府・人事院、各省庁当局への追及を強化します。
 また、春闘期から概算要求期にかけて「非常勤職員の労働条件改善を求める署名」にとりくむとともに、政府・人事院交渉を配置します。
  非正規雇用労働者の差別的低賃金の是正など、底上げと格差是正を重視した最低賃金闘争と公契約適正化運動にも結集してすべての労働者の公正な働き方を求めていきます。
 
 
[6]「公務員賃下げ違憲訴訟」のたたかいは
 裁判の意義を意思統一し、東京高裁宛署名をとりくむ
 
 11月13日に控訴した「公務員賃下げ違憲訴訟」の逆転勝訴をめざして、各ブロック・県国公、各単組では、1審判決の問題点や控訴審のポイント、たたかいの意義について意思統一をはかります。
 そのため国公労連として、Q&A形式のコンパクトな対話リーフ、新たな宣伝ビラ、などの資材を順次作成するとともに、東京高裁あて公正判決を求める要請署名をとりくみます。
 
 
[7]独立行政法人の春闘のとりくみは
 交渉力を強化し賃上げ・労働条件改善を
 
 独立行政法人の自主的・自律的な労使関係のもと、職場での日常的なとりくみや交渉力を強化し、春闘期における賃上げをはじめとした労働条件の改善を求め、2015年度の賃金・労働条件の早急な確定をめざします。
 独立行政法人個別法「改正」にむけて、雇用承継規定の明文化や統廃合による労働条件切り下げを許さないとりくみを強化します。
 
 
[8]社会保険庁職員の不当解雇撤回のたたかいは
 6地裁宛署名のとりくみを推進
 
 政府・厚生労働省に対して使用者責任を追及して不当解雇撤回を求める要請・要求行動を強化するとともに、全国6地方裁判所(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、高松)での裁判闘争を支援します。そのため、6地方裁判所に対する公正な判決を求める署名をとりくみます。
 
 
[9]安倍「雇用改革」に対しては
 広範な労働者と共同
 
 先の国会で労働者派遣法の大改悪法案を廃案に追い込んだように、ナショナルセンターの枠組みを超えた多くの労働者・労働組合との協力・共同を発展させることが重要です。当面、全労連や労働法制中央連絡会等が提起する安倍「雇用改革」阻止の新署名を推進して、宣伝、集会、国会議員要請行動をすすめます。
 また、全労連が提起するブラック企業の根絶、若者にまともな雇用を求める運動に参加するとともに、公契約法・条例制定と公契約適正化、均等待遇実現、男女雇用機会均等法の改正などをめざすとりくみに結集します。
 さらに、JAL不当解雇撤回、日本IBMロックアウト裁判、社保庁不当解雇撤回闘争の3つの闘争を重視し、すべての争議団と連帯して「乱暴な解雇を許さない」運動を広げていきます。
 
 
[10]「戦争する国づくり」を許さないためには
 「かがやけ憲法署名」推進し世論喚起
 
 安倍政権が進める「戦争する国づくり」を許さない様々なたたかいに結集します。
 具体的には、全労連の「かがやけ憲法署名」にとりくむとともに、「改憲」阻止、日米ガイドライン改定反対、特定秘密保護法廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、自衛隊法「改正」等の安全保障一括法案反対、辺野古新基地建設反対など、「戦争する国づくり」を許さない世論喚起と国民共同のとりくみを強めます。
 そのため、国公労連が作成する安倍政権の「戦争する国づくり」のねらいを学習する職場討議資料を活用し、2015年春闘のとりくみと一体で「戦争する国づくりを許さない運動」を推進します。また、戦争する国づくり反対・暴走政治ストップ大集会(5月下旬~6月上旬)に結集します。
 
 
[11]  組織拡大・強化のとりくみは
 新採の全員加入めざす
 
 切実な要求の実現をはかるためには、その運動をともにすすめる仲間を増やすことが決定的に重要です。
 1月31日の「組織拡大推進会議」で組織拡大と国公共済会加入拡大を一体でとりくむ経験交流を行い、4~6月にかけて「組織拡大強化ゾーン」を設定して、新規採用職員の全員加入、非正規職員や期間業務職員、再任用職員の拡大にとりくみます。
 6月開講予定の全労連・初級教育制度の受講促進にむけ、すべての単組・ブロック・県国公からの受講をめざします。
 

 
◆県民のくらし守る県政を
 小松たみこさんを推薦
 【愛知県知事選】
 
 国公労連は12月9日に開催した第3回中央執行委員会において、愛知国公からの要請にもとづき、愛知県知事選挙(2015年1月15日告示、2月1日投票)に立候補を表明している「無党派」の革新統一候補・小松たみこさんの推薦を決定しました。
 小松たみこさんは医療・福祉・教育の充実、女性が希望を持って働き続けられる環境整備、安倍政権の暴走を食い止める県政の実現等の「基本政策」を掲げています。
 現職の大村知事は自民でも民主でもない「第3極」として、「県民税10%減税」や「医療・健康・福祉へ集中投資」の公約を掲げ、前回の知事選で当選しました。しかし、減税の実施や福祉の充実などの公約を次々と投げ捨てる一方、「世界からヒト・モノ・カネを呼び込む」と公言し大企業優先の県政を推進し、いまや、自民、公明、民主、減税日本などが推す文字通りのオール与党県政となっています。
 こうしたもとで、県民のくらしと営業を守る県政の実現が求められています。
 愛知県在住の友人・知人に支持を訴えるなど、全国各地からの支援・激励・カンパをよびかけます。
 
◇小松たみこ
 
 1950年名古屋生まれ、愛知大学法経学部卒。佐野眼科医院(一宮市)に勤務。
 愛知県医労連副委員長、日本医労連書記次長、全労連副議長などを歴任。現在、愛知県社会保障推進協議会事務局長。
 ※下記、革新県政の会のホームページから、革新県政の会基本政策、「小松たみこさん紹介リーフレット」等のダウンロードができますので、活用してください。http://kakushin.jp/
 
 
 
◆2015年国公労連統一要求案
 平均月額2万円以上引き上げを要求
 
 国公労連「2015年春闘要求・組織アンケート」の結果では、1万円以上の回答が8割を超え、半数以上が2万円以上の回答をしています。加重平均は約2万3千円、中位数は約1万6千円、3分の2ラインは約1万1千円となっており、昨年を下回っています。
 生活実感では、およそ3人に2人は「苦しい」と回答しており、特例賃下げ措置が終了したものの、消費税増税や物価上昇などが影響し、賃上げに対する期待や切実感は高いといえます。
 全労連・国民春闘共闘は、「実質賃金の低下に歯止めをかけ、暮らしを改善する」ため、1万円の底上げ要求に物価上昇分(約3%)を上乗せし、「月額2万円以上」を提起しています。
 国公労連の統一要求は、「3分の2ライン」(約1万1千円)や8割以上が1万円以上を要求している点に注目すれば、底上げ要求(1万円)を基本とし、物価上昇分を上乗せする春闘共闘の要求に結集し得るものと考えられます。したがって、生活改善のための最低限の引き上げ要求として、平均2万円以上(4.9%)とします。
 さらに、春闘共闘の「最低基準の底上げ要求」を受け止め、初任給は行(一)一般職高卒(1級5号俸)で170,000円等とします。
 なお、非常勤職員の賃金要求は、春闘共闘の提起を踏まえ、「時給150円以上引き上げ」、「最低賃金を時給1,000円以上」とします。
 
 
◇2015年国公労連統一要求(案)抜粋・要約
 
1 賃金・昇格等の改善について
(1)国家公務員の賃金を月額平均20,000円(4.9%)以上(行政職(一))引き上げること。
(2)民間初任給との格差を是正するため、行政職(一)一般職高卒初任給(1級5号俸)を170,000円、一般職大卒初任給(1級25号俸)を202,100円に引き上げること。
(3)55歳超職員の給与減額措置の即時廃止をはじめ、高齢層の給与抑制措置を取りやめること。
(4)一時金の支給月数を引き上げ、改善部分をすべて期末手当にあてること。また、役職傾斜支給、管理職加算は廃止し、全職員の一時金改善にあてること。
(5)退職手当は、公務の特殊性に見合った制度・水準に改善すること。当面、「調整額」は廃止し、退職時の俸給と勤続年数を基礎とする算定方式にあらためること。

2 国民本位の行財政・司法の確立と要員確保等について
(1)国民の安全・安心の確保に資する国民本位の行財政・司法を確立すること。
(2)公務員の総人件費削減は行わないこと。また、行政需要に見合うよう大幅な増員を確保すること。
(3)総定員法を廃止するとともに、「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」を撤回すること。

3 民主的公務員制度と労働基本権の確立について
(1)憲法28条の原則に立った基本的人権として、ILO勧告など国際基準にそった労働基本権の全面的な回復を実現すること。
(2)職員団体のための職員の行為の制限(国公法第108条の6)を廃止すること。
(3)国民の目、耳、口をふさぎ、公務労働者の基本的人権を侵害する「特定秘密保護法」を直ちに廃止すること。

4 労働時間短縮、休暇制度など働くルールの確立について
(1)勤務時間管理を徹底し、超過勤務の大幅な縮減と不払い残業を根絶すること。
(2)国家公務員宿舎の廃止計画、宿舎使用料の値上げを中止・撤回するとともに、必要な公務員宿舎を確保すること。また、改善のための関連予算を大幅に増額すること。

5 高齢期雇用・定年延長について
(1)「天下り」や早期退職慣行を廃止し、定年年齢までの雇用を保障するとともに、雇用と年金の確実な接続をはかるため、定年年齢を65歳とすること。
(2)65歳までの定年延長が完成するまでの間は再任用制度を併置することとし、以下の要求を実現すること。

6 非常勤職員の雇用の安定・処遇改善について
(1)非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などをはかる法制度を整備すること。
(2)非常勤職員の時給を150円以上引き上げること。
(3)非常勤職員をはじめ、公務職場で働く労働者の最低賃金を「時給1,000円」「日額8,000円」「月額170,000円」以上に引き上げること。

7 男女平等・共同参画について
(1)雇用の全ステージにおける男女差別を禁止すること。
(2)女性の採用を拡大するとともに、数値目標を設定して大幅な登用をはかること。

8 健康・安全確保、母性保護等について
(1)職員の健康・安全を確保するため、以下の対策を講じること。
(2)産前休暇を8週間、産後休暇を10週間とし、産前6週間の就業禁止期間を設けるとともに、代替要員を確保すること。
 
9 独立行政法人の制度等について
(1)国民生活と社会経済の安定向上に資する独立行政法人の事務・事業については、国の責任で財源措置をはじめとして存続・拡充させることを前提とすること。また、国として直接運営した方がより効率的・効果的で、高い公共的見地から貢献できる事務・事業については、国の行政機関に戻すこと。
(2)職員の身分・雇用、労働条件に関わっては、当該労働組合との誠意ある交渉・協議を行い、雇用確保に責任を持つこと。
(3)独立行政法人制度について、自主性・自律性が発揮できる独立行政法人制度の運用を保障すること。