基本的人権を保障する公務・公共サービスの実現へ
~ 専修大学・晴山教授の講演で学習を深める ~
公務員を「ふたたび戦争の奉仕者にさせない」との決意のもと、国公労連 は、「まもろう憲法・国公大運動」をこの1年間の柱にすえることを、過日の定期大会で決定しました。
立憲主義が政権によって踏みにじられる重大な情勢をふまえ、「大運動」 では、憲法にもとづいて国民の権利を守り抜くために、大幅増員をはじめとする公務・公共サービスを拡充を求め、職場・地域からのとりくみを展開します。
「国公大運動」のスタートにあたって、各単組委員長・書記長による第1 回の推進本部会議を開き、「大運動」がめざす方向、この1年間のとりくみの重点などを意思統一しました。
公務員の役割は国民の基本的人権の保障
推進本部では、「大運動」を推進するうえで、憲法における公務労働者の位置付けなどについてあらためて理解するため、専修大学・晴山一穂教授を講師に招 き、「憲法と国家公務員――『全体の奉仕者』とその意義」と題した学習会を開催しました。
晴山教授は、「公務員は、国民全体の 奉仕者として、国民の基本的人権の実現をめざし職務を遂行する役割を持っている」とのべ、その役割を発揮するためには、公務員の身分保障と適正な労働条件 の保障が不可欠であり、公務員が自分たちの仕事について自由にものを言える職場づくりへ労働組合の役割が重要だと強調しました。憲法を守り国民の権利を守 ることは、公務労働者の仕事や労働条件を守ることと結びついていることが、晴山教授の講演から明らかになりました。
「大運動」 の1年間のとりくみについて、笠松推進本部事務局長(国公労連書記次長)が提案し、戦争法の廃止にむけて全力をあげることはもとより、憲法が生かされる行 財政・司法を作りあげるために、大幅増員をはじめ公務・公共サービスの拡充にむけて全力をあげることとし、具体的には、(1)職場・地域を出発点にした学 習・対話の強化、(2)国民世論に訴えるための宣伝行動や、「キャラバン行動」などを通した自治体・団体への要請・懇談、(3)政府・国会に要求実現をせ まる署名運動など主なとりくみを提起しました。
職場の仲間たちとともに国民の間に共感をひろげよう
提案をうけて、各単組からは、「専門性を 持つ公務労働者として、それをいかすためにも学習会を徹底し、職場実態もしっかりつかみ、踏まえながら、支部・職場段階から運動をすすめていく」(国土交 通労組)、「医療産別で9月に戦争法案に反対する新聞広告を出し、全医労でも学習キャラバンにとりくんできた。運動が新たな組合加入につながるなど変化が 生まれている。『ふたたび白衣を戦場の血で汚さない』をスローガンに奮闘する」(全医労)、「産総研労組は、研究者として『軍事目的の研究はしない』とい う意識が職場に息づいている。やれるところからそうした意識を広めていく」(全経済)、「青年部活動で平和運動を実践してきたベテランの組合員が若い人た ちに伝えるとともに、学習していく必要がある。『10分間DVD』なども大いに活用していきたい」(全通信)など決意を込めた発言がつづきました。
また、戦争法案審議の大詰めで各単組が定期大会をむかえたこともあり、「大会会場から、代表を国会前に連日派遣し、運動の盛り上がりをリアルに大会参加者に報告し た」(全労働)など、各単組とも、戦争法に反対してたたかうことを大会での議論を通して決意を意思統一してきたことがのべられました。
議論をうけて、岡部推進本部長(国公労連委員長)が、「多くの市民が自覚的、自発的に立ち上がって、新たな国民的運動がひろがっている。その熱気を職場の 仲間たちに伝えるとともに、対話で国民の間に理解と共感を着実に広めていく地道なとりくみが必要だ。憲法を守る課題は、公務労働者の職場や雇用・労働条件 とかかわる課題であり、いまこそ公務員労働組合の出番だ。みなさんの発言をうけとめ、仲間たちが確信を持てる運動の具体化へ国公労連本部としても全力をあ げたい」とまとめました。
今後、たたかいの節目で推進本部を開いて戦略的議論をすすめ、単組書記長で構成する推進委員会で運動の具体化をはかっていくこととしています。