判決をひかえて各地の裁判闘争がヤマ場に
~ 安心できる年金制度の実現と一体で政府の責任追及を ~
全国7つの裁判所で争われている社保庁不当解雇撤回闘争が、大きなヤマ場をむかえています。札幌・名古屋各地裁では結審の期日が決まり、また、大阪高裁の京都事案は7月8日に結審し、11月16日に判決が予定されています。
第一審の不当判決をはね返して高裁で勝利判決を
大阪高裁でたたかわれている京都事案は、7月8日に第4回控訴審弁論が開かれ、約60人が傍聴参加しました。裁判では、当時の社会保険事務所の京都事務局長と舛添元厚労大臣の2人を証人として申請していましたが、証人不採用の通知が事前にあり、この 日の口頭弁論で結審となりました。
弁論では、原告 7人が法廷で陳述し、夫婦で分限免職になった悔しさやその後の生活苦、濡れ衣の懲戒処分で分限免職となったことなどを裁判長に訴えました。
弁論後に 開かれた報告集会で、渡辺弁護士が「この裁判は働く誇りを取りもどす裁判だ。裁判長に(不当解雇の実態の)生の声を聞いてもらった」とのべ、村山弁護士か ら「極めて明快な裁判。社保庁が無くなればみんなクビ。これを許せばどこでもクビを切れる。ここが問われている。高裁レベルで逆転勝訴を必ず勝ちとりた い」と決意を示しました。
集会では、 JAL闘争団、京大職組、国民救援会、京都総評からそれぞれ激励と連帯のあいさつがありました。判決の言い渡しは、11月16日午後に予定されていま す。
北海道・愛知の各地裁 では年度内の判決の見通し
北海道事案は、6月28日に第22回弁論が札幌地裁で開かれました。弁論では、厚労省への転任に際し、社保庁在籍期間の人事評価を参考にしたと被告が主張していたことにかかわって、国側は当時の人事評価一覧を提出しました。しかし、提出された資料は、ほぼ黒塗りにされており、原告側は、だれの評価か判断できない ので証拠資料にはならないと強く主張しました。
この申立に対し て裁判長も、判断できるような資料の再提出を国側に求めました。また、職員の分限免職(解雇)にあたっては、厚生労働大臣に解雇回避にむけた努力義務があ ることを認めた3月の高松地裁判決(愛媛事案、国公労連書記長談話参照)を証拠として提出し、あらためて使用者による解雇回避の義務を主張しました。
次回の第23回 弁論は8月30日開かれ、また、第24回弁論は11月24日に開く日程が決まりました。今後、第24回弁論で結審する見通しで、年度内の判決が予想されま す。
愛知事案は、7月25日に愛知事案の第15回弁論が名古屋地裁で開かれました。4月13日の第 14回弁論以降の進行協議では、原告が求めている4人の証人の採否について協議されてきました。第15回弁論では、申請のあった4名のうち2人を証人とし て採用し、佐藤元全厚生中部支部支部長と盛永国公労連顧問の2人を採用しないことが決定しました。
これをうけた証 人尋問は、9月29日におこなわれ、12月21日に結審することが決まりました。愛知事案も、年度内に判決が予想されます。
以上のように、この秋から来年にむけて各地の裁判で判決がつづくこととなり、裁判闘争は大きな ヤマ場をむかえています。引き続き、署名や宣伝をひろげ、国民が安心できる年金制度の拡充とあわせて、社会保険庁職員の解雇撤回を求め、裁判闘争の勝利を めざしていく必要があります。