16夏季闘争7・27中央行動に全国から1,700人

【とりくみ:各種とりくみ(中央行動など)】2016-07-27
公務員賃金改善・最低賃金1,000円以上の実現を力強くアピール
~ 16夏季闘争7・27中央行動に 公務・民間から1,700人 ~

 人事院勧告にむけた検討作業が大詰めをむかえるとともに、地域最低賃金の目安額が答申されるなかで、全労連・国民春闘共闘は7月27日、16夏季闘争最大 の中央行動を公務・民間の共同でとりくみ、全国から1,700人が参加しました。
 国公労連の各単 組も上京団で結集し、日比谷野外音楽堂での決起集会、内閣人事局・人事院に対する要求行動、銀座デモなどで終日にわたって奮闘しました。

    内閣人事局前行動
   公務員の大幅増員にむけて使用者として努力せよ

 全労連公務部会と公務労組連絡会の主催で、12時すぎからとりくまれた内閣人事局前行動では、 定年延長・大幅増員実現、労働基本権回復、公務・公共サービスの拡充を求めて、公務各単産から1,000人が参加しました。


 公務労組連絡会の岡部副議長(国公労連委員長)は主催者あいさつで、「安倍首相は、正規・非正 規労働者の均等待遇実現、同一労働同一賃金などと声高に主張するが、公務労働者の定年延長や、非常勤職員の処遇改善は放置しており、使用者としてとうてい 認められない。人事院勧告での賃金改善とあわせて、力を集中して職場・地域からたたかい、要求を一歩でも二歩でも前進させよう」と訴えました。

 公務労組連絡会の笠松事務局次長(国公労連書記次長)が情勢報告し、「7月14日に内閣人事局 と交渉したが、使用者として誠実な検討をしたとはまったく思えない回答だった。最終交渉では、職場の要求と怒りの声を背景に政府を徹底して追及する」と決 意をこめてのべました。

内閣人事局前 公務3単産の代 表が決意表明し、国公労連からは又吉沖縄県国公事務局長(写真右側)が「米軍による女性暴行殺人事件が起こるなかで、政府は、沖縄にある国の行政機関機関 に夜間パトロールの業務命令を出している。定員削減で業務量が増大しているなか、国公労働者には何の責任もない業務の押しつけは認められない。強権的なや り方を許さないために、引き続き奮闘する」と怒りを込めてのべました。

 行動では、安倍 首相あてにとりくんできた「雇用と年金の確実な接続を求める署名」約10万人分を内閣人事局の担当官に手渡し、公務各単産から要請しました。国公労連を代 表して義煎(よしいり)北海道国公事務局長が要請し、「北海道では全員がフルタイム再雇用できていない。政府は、定年延長をただちに実施し、確実な年金と の接続をおこなえ」とのべて、職場から集めた署名を提出しました。

  中央総決起集会
  すべての労働者の賃金改善で格差と貧困の解消を

総決起集会 13時からは日比谷野外音楽堂で、全労連・国民春闘共闘・国民大運動実行委員会の共催による 「16夏季闘争勝利7・27中央総決起集会」が開かれました。

 国土交通労組の 吉岡中央執行委員が司会・進行をつとめるもと、主催者あいさつで小田川全労連議長は「安倍政権がますます凶暴となってきている。アベノミクスではデフレか ら脱却できず、失敗は隠しきれない。今こそ最低賃金1,000円以上の実現、格差と貧困の解消を実現をせまろう」と訴えました。

 また、日本共産党を代表して、田村智子副委員長・参議院議員が集会に駆けつけ、連帯・激励のあ いさつをおくりました。

 最低賃金や公務 員賃金の改善をめぐって、国民春闘共闘の井上事務局長(全労連事務局長)が闘争報告しました。その後、各団体からのアピールにうつり、公務単産を代表して 自治労連の仲間が登壇してたたかう決意をのべました。その他、東京土建、生協労連、被災地から駆けつけた熊本県労連の代表らが発言しました。
 最後に、国民大 運動実行委員会代表委員の全日本民医連の岸本事務局長が閉会あいさつし、参加者全員で団結ガンバロウを三唱して閉会しました。

   人事院前要求行動
   問答無用の扶養手当改悪はただちに中止せよ

 決起集会に続いて14時すぎからは、公務員賃金改善、扶養手当の改悪阻止、「給与制度の総合的見直し」中止などの要求をかかげて、公務労組連絡会の主催による人事院包囲行動にとりくみ、1,200人が人事院前に結集しました。

 主催者を代表し て猿橋公務労組連絡会議長(自治労連委員長)が、「中央最低賃金審議会は本日、最低賃金の平均24円・3%引き上げを答申したが、このペースでは最賃が 1,000円になるには6年もかかる。きわめて不十分であり、地域最低賃金の大幅引き上げにむけてさらにたたかいをすすめよう」と訴えました。

 全労連民間部会を代表してJMITUの笠瀬書記長が駆けつけ、「景気回復、国内消費を増やすた めにも公務員の賃金引き上げが重要だ。民間の賃金にも大きく影響する。公務・民間、正規・非正規すべての労働者の賃金引き上げを勝ち取るために連帯しともにがんばろう」とあいさつしました。

 人事院勧告をめ ぐる最終盤の状況を中心にして、川村公務労組連絡会事務局長の情勢報告をうけて、各単産からの決意表明がつづきました。国公労連を代表して藤井国公近畿ブ ロック事務局長が、「16春闘を『ヒーロー春闘』と位置づけて、一人ひとりが主役になる春闘を実践してきた。配偶者にかかる扶養手当は、大切な生活給で改悪は許せない。人事院は政府の言いなりにならず、職員の生活実態を受け止めた改善勧告をすべきだ。引き続き近畿からたたかいをひろげる」と決意表明しました。

銀座デモ 人事院前の行動と並行して、夏季闘争でとりくんできた「公務労働者の賃金・労働条件の改善を求 める署名」109,651人分を提出し、人事院に要求実現を要請しました。提出行動には、国公労連から佐藤国公四国ブロック事務局長、伊藤国公九州ブロック事務局長が参加しました。

 人事院前の行動 終了後、公務・民間の参加者は日比谷公園に集まり、銀座にむけてデモに出発しました。サウンドカーを先頭に、「最低賃金を今すぐ1,000円以上に」「労 働法制の改悪反対」「格差と貧困の解消」とコールし、道行く人々にアピールしました。

   独立行政法人関係4労組
   運営費交付金の拡充を求めて共同で財務省交渉

財務省交渉 概算要求を前にして、中央行動の午前中に独立行政法人の運営費交付金の拡充を求め財務省交渉を配置し、団体署名1237団体分を提出しました。交渉には、 国公労連の橋本副委員長、学研労協の小滝議長、特殊法人労連の越後谷副議長、全大教の岩崎書記次長のほか、国公労連の独法労組などから14人が参加しまし た。

 はじめに、橋本副委員長は「運営費交付金が連年にわたって削減され続けている。医療・研究開 発・教育をはじめ、国民安全・安心を守るために不可欠な独立行政法人の業務遂行が脅かされている。運営費交付金を拡充すべき」と要請しました。

 交渉参加者からは、「独法化以降、研究員の数が減少している。研究員は常勤が減り、任期付任用 が増えている。論文発表数も減っている。独法改革が足りないのではなく、運営費交付金が足りない」(学研労協)、「任期付職員は雇用不安にさらされてお り、処遇の改善が必要だ。落ち着いて研究できる環境にない、試験設備を整備・保守する費用がない」(特殊法人労連)、「各地で自然災害がつづくなか、災害 医療のための予算措置を拡充すべきだ」(全医労)、「非正規・有期雇用職員は安心して研究できる環境にない。研究設備の建替え・改修できる予算の手立てを 求める」(全通信研究機構支部)など、厳しい職場実態を訴えて予算の増額を求めました。

 財務省からは、「独法の運営費交付金が減額されているのは把握している。8月末に概算要求が出 されるが、各省から優先順位を聴きながら査定していく」との回答にとどまりました。橋本副委員長は、「どの独法も人手が足りず、試験機器の老朽化など業務運営に支障をきたしている実態を、財務省は重大にうけとめるべきだ。あらためて、運営費交付金の拡充を求める」と強調し、交渉を終えました。