広島事案 高裁が原告申請の証人を採用

【とりくみ:社保庁 分限免職】2016-09-20
 高等裁判所で初の判断となる大阪高裁判決(京都事案)を11月16日に控え、社保庁不当解雇撤回裁判闘争がいよいよ重要な局面をむかえています。広島事案では、9月15日に広島高裁で第2回控訴審弁論が開かれ原告申請の証人尋問が決まりました。

街頭宣伝と署名提出行動を実施
 弁論に先立ち、街頭宣伝および署名提出行動が行われました。街頭宣伝は、朝の7時半から広島バスセンター前で実施。爽やかな秋の風を感じながら、原告の平本さんと全厚生闘争団にくわえ、広島県労連や広島県国公のメンバー15人が、チラシ配布等の宣伝行動を元気よく行いました。また、10時から広島高裁への署名提出行動を行い、原告の平本さんを先頭に、杉浦全厚生副委員長、川后広島県労連議長、林崎中国ブロック国公事務局長の4人が、全国から集められた2,121筆の署名を広島高裁第4部に提出しました。

転任面接の面接官を証人採用
 11時から開かれた第2回控訴審弁論に25人が傍聴行動に参加し、法廷をほぼ満席にしました。弁論では、裁判長から原告側に対し、弁論終結に向けてどのような主張立証をするかについての問いかけがなされました。原告側は、申請している証人尋問の重要性と必要性を強調するとともに、懲戒処分歴のある者を一律不採用(分限免職)とした基本計画の違法性・不当性を証明するための新たな書証を提出する予定である旨の説明を行いました。その後、裁判官による合議がなされ、原告側申請の証人ので、厚労省への転任面接を行った面接官2人のうち、実際に平本さんの面接票を作成した人物を、証人として採用することが裁判長より言い渡されました。被告側は、この弁論後すみやかに、実際に面接票を作成した人物が誰なのかについて裁判所に回答することとなっており、この回答があり次第、採用される証人が具体的に決定されます。

平本さん「裁判に希望がつながった」
 弁論終了後、広島弁護士会館の会議室で報告集会が開かれました。まず弁護団からの報告がなされ、主任の萩田弁護士は「今日は、申請していた証人の採否が決定される日だった。こちらとしては、平本さんを実際に面接した面接官2名と広島社会保険事務局長1名を申請し、すべての証人採用とはならなかったものの、なんとか1名の証人採用を獲得することができた。次回の尋問で事実を明らかにしていきたい」と報告しました。続いて、京都から応援に駆け付けた渡辺弁護士から「公務員の身分保障は本来手厚いはずで、その身分の公正・中立性が確保されなければならない。懲戒処分歴がある者を一律に排除するという方針は、日本年金機構の『採用の自由』を奪い、さらには解雇回避努力義務自体にも反する方針で違法なもの。当時のマスコミ報道の中にも、この分限免職における政治介入について触れたものがあるので、これをまとめた証拠(書面)を作成している」との報告がありました。 また、原告の平本さんは、「たくさんの署名が集まり、びっくりしている。本当にありがとうございます。今日で結審になるかもしれないと思っていたが、証人採用により、判決に希望がつながった。ご支援をくださる皆さんのおかげです」と力強く発言しました。 その後、川后議長、萩原中国ブロック国公副議長、福山地区労の西谷さん、全国で裁判闘争を続けている全厚生闘争団の仲間からの激励あいさつが続き、最後は全厚生の山本委員長による閉会あいさつと「団結ガンバロー!」で締めくくりました。 次回期日(証人尋問)は、12月5日(月)14時~16時までの予定です。なお、証人が確定し、5日の日程調整がつかない場合の予備日として、15日(木)の同じ時間帯を設定しました。

以上