-国公労連中央執行委員会からのメッセージ-
労働者・国民のいのちと権利を守るため
要求実現めざし、今こそ労働組合に結集を
2020年4月8日
国公労連中央執行委員会
新型コロナウイルスの感染拡大が、日本の経済や国民生活にも重大な影響を与えています。国公職場においては脆弱な体制の下でも首相や官邸によるトップダウンの各種施策実施のため、多くの仲間が日常生活や自分の健康に不安を抱えながら日々の職務に精励されていることに敬意を表します。昨日、政府が緊急事態宣言を発出しましたが、仲間のみなさんにおかれては体調管理に万全を期しながら国公労働者として引き続き役割を発揮されることを祈念します。
2020年春闘は、景気後退局面の下で消費税増税が強行され、労働者・国民の生活が脅かされる中、大幅賃上げと最低賃金引き上げ、均等待遇などを求めて官民一体のたたかいがすすめられました。新型コロナウイルスの世界的蔓延による経済的ダメージを口実にしたベアゼロや低額回答が一部大企業で行われ、観光業や運輸業、飲食業などを中心に労働条件の切り下げや解雇などが顕在化していますが、全労連・国民春闘共闘に結集する労働組合では、概ね「昨年並みの回答」を引き出す大奮闘やコロナウイルスを理由にした解雇などに対する労働相談活動が展開されています。
国公労連も、仲間の要求と団結に依拠して粘り強くたたかい、パワハラ指針の策定や赴任旅費の運用見直しを勝ちとり、新型コロナウイルス感染への対応では非常勤職員も含めた出勤困難休暇を措置させるなど一定の前進を作り出してきました。また、各組織では「組織的前進」をめざして多くの新規採用者を仲間に迎え入れるとともに、職場で働くすべての労働者を視野に入れた「総がかり」「総あたり」のとりくみが展開されています。
まもなく始まる人事院勧告期・次年度概算要求期にむけては、2020年春闘の到達点に立ち、さらなる要求前進をめざすためのたたかう方針の確立が求められています。しかし一方で、新型コロナの影響により、①民間給与実態調査が例年より1ヶ月程度後ろ倒しで実施される見込みとなっており、それに伴って人事院勧告の見通しも不透明であること、②一方、2021年度概算要求のスケジュールは不透明であるが、例年どおり8月末締め切りで作業が進められる可能性も否定できないこと、③労働組合として組合員のいのちと健康を守る責務があることをふまえ、国公労連中央執行委員会として、当初4月24日に開催を予定していた第155回中央委員会を延期することを決定しました。
この間の新型コロナウイルス対応をきっかけに国立感染症研究所の体制不足が国会でも取り上げられるとともに、「新型コロナとの戦い『公務員』を切り捨て続けてきた日本のツケ」(現代ビジネス3/12)と題して国家公務員の定員削減や非正規化を問題視する記事が掲載されるなど、脆弱な行政体制に対する問題意識が広がっており、大幅増員の実現をめざすうえで追い風とも言える状況となっています。新型コロナウイルスの拡大によって日本経済の先行きが不透明となる中、今春闘で賃金抑制を狙う財界・大企業の姿勢に対して連合会長が「今回の新型コロナ拡大という危機にその内部留保を活用すべきだ」と言及するとともに、自民党内部からは消費税の減税や凍結を求める要望書・意見書が提出されるなどの状況も生まれています。また、最低賃金をめぐっては、日弁連が全国一律最低賃金制を求める意見書を発表するなど、最低賃金制度の改善を求める世論も広がっているなど、これまで国公労連が主張してきたことの正しさが明らかになっています。
リーマンショックを超えると言われる未曾有の経済危機を打開するためにも、春闘に引き続き官民一体のとりくみで、8時間働けばまともに暮らせる賃金水準の実現、働きがいの持てる高齢期雇用などが不可欠であることに確信を持ち、必要以上に萎縮せず要求を正面に掲げてたたかうことが求められています。国公労連中央執行委員会として、すべての組合員のみなさんに、新型コロナウイルスを口実にした労働者・国民いじめを許さず、「大変なときだからこそ大幅賃上げによる消費拡大で経済再生を」との声を広げ、職場・地域で引き続き奮闘することを呼びかけます。
以 上