国公労新聞2020年8月10日号(第1548号)

【データ・資料:国公労新聞】2020-08-10
コロナ禍乗り越え行政体制拡充を
8月28~29日オンライン併用で国公労連大会


 国公労連は8月28~29日、オンラインによる大会参加も併用しながら第66回定期大会を東京都内で開催します。
 2019年度は、新型コロナ禍の下で労働組合をはじめ多くの市民団体などが行動や集会の制限を余儀なくされました。その一方で、時限定員を含めた増員の実現、特別休暇をはじめとした新型コロナウイルスの感染拡大防止措置の実現、赴任旅費の運用見直しなど少なくない要求を実現させてきました。また、社会的にも「#検察庁法改正案に抗議します」のツイートが大きな世論を作り出し、検察庁法改正案を廃案に追い込んだことや、国民一人一律10万円の特別定額給付金を実現させるなど、情勢の変化を生み出しています。
 他方、テレワークやオンラインの活用が盛んになり、これまでどおりの労働組合運動や社会生活が困難になるなか、知恵と工夫を凝らすことが求められています。基本方向では、新年度の労働組合としての基本原則である「要求で一致した団結」や「数の力」、人と人のつながり・信頼関係などを大切にしながら要求実現をめざすことも重要であることから、「重さ、広がり、厚み」を持った要求と運動、組織づくりを提起しています。

組合員一人ひとりが運動を進める労働組合へ
 職場の要求を実現するために必要なのは、職場の声を拾い要求として練り上げ、その要求の実現にむけて動く組織です。そしてその組織は組合員一人ひとりが運動に関わっていく「厚み」を持った「みんなの労働組合」でなければなりません。新型コロナ禍のもとで、業務実態をふまえないテレワーク・時差出勤の押しつけや支部・分会での職場集会が開催できないことなどによって、職場におけるコミュニケーションがとりにくくなっています。だからこそ労働組合の役割が大きいと言えます。したがって、職場段階ではさまざまな機会や方法で労働組合活動の「見える化」を追求するとともに、来年4月には、情勢の変化もふまえて、これからの国公労働運動のあり方を議論する全国会議を開催します。
 要求を実現するためにも組織拡大は待ったなしの課題です。新規採用者はもとより、非常勤職員や再任用職員など職場で働くすべての仲間を労働組合に迎え入れることが重要です。大都市部や本省庁などで仲間を増やし、労働組合の組織も運動も「広がり」のあるものとすることで要求前進につなげる必要があります。
 「広がり」や「厚み」のある労働組合活動をつくっていくためには、青年層や女性が参加しやすい、参加したくなるようなとりくみも重要です。青年を対象としたとりくみとして、「国公青年交流集会2021」の来年12月4~5日開催をめざし準備を開始することとします。また、女性協のとりくみでは新型コロナ禍により延期となった第50回女性交流集会の開催にむけ、あらためて財政活動や参加者組織にとりくみます。
 国公共済会に加入できることは労働組合に加入する大きなメリットです。大幅な賃金引き上げがないなかで、生活防衛手段として有効であることなどを大いに宣伝し、組織拡大と一体で共済の加入拡大にとりくむ必要があります。
 検察庁法案廃案のツイッターなどによる情報発信が社会的にも大きな影響を与えてきました。労働組合運動が社会的な「広がり」をつくるうえではSNSの活用も重要です。

国公労働者が働きがい持てる民主的な行財政・司法へ
 国公労連は、これまで増員をはじめ公務・公共サービスの拡充を求めて国会請願署名にとりくんできました。その結果、署名の紹介議員は着実に増加してきました。新型コロナ禍やこの間の自然災害対応などを通じて公務員不足や行政体制の脆弱性、その元凶となっている新自由主義の問題点がいっそう明らかになっている今こそ、さらに「重み」や「厚み」のある世論を「広げ」ていくことが求められています。したがって、6月に閉会した通常国会で提出を見送った請願署名の採択を秋の臨時国会で勝ちとるとともに、来年の通常国会にむけて新たな請願署名のとりくみを進めます。加えて、街頭での宣伝行動や行政相談活動、行政研究活動を通じた対外的な発信などに積極的にとりくみ、すべての国公労働者が働きがいの持てる民主的な行財政・司法の実現の必要性を訴えていきます。
 私たちが公務労働に働きがいを見いだすためには、労働条件の維持・向上も重要です。そのためには自らの労働条件がどうなっているのかを理解・確認し、すべての組合員が要求実現にむけて奮闘することが重要です。したがって非常勤職員や再任用職員なども含め職場で働くすべての仲間を対象に「一緒に学び・一緒にたたかおう」キャンペーン(仮称)を展開し、政府・人事院に私たちの要求を「重く」受け止めさせるような理論・運動をつくっていきます。また、人事院勧告をはじめとした国家公務員の労働条件決定には、民間労働者の労働条件が大きな影響を与えます。したがって、春闘はもちろん最低賃金引き上げのたたかいや非正規労働者の均等・均衡待遇実現のとりくみなどに国公労働者が積極的にかかわっていくことで労働運動全体の「広がり」をつくっていくことも重要です。
 働きやすい職場づくりのとりくみでは、この間、超過勤務時間の上限規制、パワハラにかかる人事院規則の制定や新型コロナ禍のもとでの特別休暇の適用などの成果を勝ちとってきました。これらの成果を絵に描いた餅にさせないためにも、職場での監視や労働組合としての相談体制確立が求められています。同時に、新型コロナウイルスの感染防止対策や災害発生時における通勤手当の柔軟運用や安全確保、障がいを持つ職員も含めた働きやすい職場づくりなども引き続き追及していく必要があります。
 私たち国家公務員の仕事や労働条件にかかわっては、政治のあり方が大きな影響を与えます。職場では、政治の話がタブー視される風潮はありますが、「政治的無関心」に陥ることなく、国民の権利や安心・安全を守る公務員として、あるいは一人の国民としても職場での対話や議論を進めていくことが重要です。




全労連大会 オンラインで開催
女性初となる小畑新議長を選出


 全国労働組合総連合(全労連)は7月29〜30日、第30回定期大会をオンラインで開催しました。討論では、各単産・地方の代表からコロナ禍と新自由主義を乗り越える社会づくりと組織拡大ににむけた運動への決意などが語られました。
 国公労連からは中岡淳中央執行委員が、組織の減少傾向に歯止めをかけ組織拡大に奮闘する決意とともに、「国の行政機関等では国立感染症研究所など予算や人員が削減されてきた。コロナ対応も加わり厚労省で多くの職員が過労死ラインを超えている。憲法にもとづき全体の奉仕者として誇りと働きがいある職場づくりに奮闘する」と発言しました。
 全労連の新四役として国公労連からは、川村好伸副議長、秋山正臣事務局次長が選出されました。また、ナショナルセンターでは史上初めての女性トップとなる小畑雅子議長(全教)が選出され、6年間、全労連議長をつとめた国公労連の小田川義和特別中央執行委員が今大会をもって退任しました。




 
人事院勧告にむけ要求書を提出
国公労働者の奮闘に報いる賃金改善を


 新型コロナウイルス感染症の影響を受けるもとで人事院は、今年の人事院勧告にむけた作業について、約2カ月遅れで職種別民間給与実態調査における賞与等の調査を先行して実施するという異例の形で調査をすすめてきました。
 こうした状況のなか、国公労連は7月31日、人事院に対して2020年人事院勧告にむけた重点要求書を提出し、夏季闘争における人事院交渉をスタートさせました。
 要求書提出に際して九後書記長は、7月豪雨をはじめとする自然災害やこの間の新型コロナウイルス感染症に対して、危険を顧みず、国民の命やくらし、権利を守るために現場の第一線で働いている国公労働者の奮闘に報いる内容の勧告とするよう求めました。
 具体的には、初任給の抜本改善をはじめとする大幅賃上げと地域間格差の解消、災害時への対応などにかかる通勤手当の改善、非常勤職員の雇用の安定と均等待遇、国公労連の要求をふまえた定年延長、再任用職員の処遇改善、上限規制の徹底をはじめとする労働時間短縮と超過勤務縮減、不妊治療にかかる通院休暇制度、ハラスメントの根絶、新型コロナウイルス感染症等の安全対策などを求めました。
 人事院は「本年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、民間給与実態調査の日程にも影響が生じているところであるが、人事院としては、国会と内閣に必要な勧告・報告を行うという国家公務員法に定められた責務を着実に果たしていく所存。みなさんの意見も聞きながら、検討をすすめていく」と回答しました。
  
月例給調査を8月17日~9月30日で実施
 人事院は8月4日、2020年の職種別民間給与実態調査における月例給の調査について、8月17日から9月30日の日程で実施することを明らかにしました。
 調査内容は、2つの個人別給与の調査に分かれており、一つめが4月分の初任給月額であり、二つめが4月分所定内給与月額(役職、年齢、学歴等従業員の属性、4月分の決まって支給する給与総額と、その内の時間外手当額・通勤手当額)となっています。月例給調査は、全国的に新型コロナウイルス感染症が拡大するなかで実施できないことも想定されていましたが、ここにきて急に実施する方針を打ちだしたものです。
 こうした状況もあって、今年の人事院勧告がどのようなスケジュールですすめられていくのかは見通しが立っていない状況です。可能性としては、(1)一時金調査の結果がまとまり次第、その部分に限って民間との較差を是正する勧告を行い、その後、月例給調査がまとまった時点で再度勧告をだすパターン、(2)月例給調査の結果がまとまるまで、一時金調査の結果を寝かしておき、月例給と一時金の較差を同時に勧告するパターンなどが考えられます。
職場・地域からの追及強化を
 人勧のスケジュールは混沌としていますが、今年の民間春闘や新型コロナウイルス感染症の影響をふまえれば、きびしい勧告になることが想定されます。全労連公務部会が提起している「公務労働者の賃金・労働条件の改善を求める署名」などのとりくみをいっそう強化していくことが必要です。
 一方、ブロック国公による人事院地方事務局との交渉は、すでに実施されているところもありますが、これから配置されるところもあり、今後本格化していきます。各ブロック国公の交渉にむけて、職場からの声をとりまとめて代表者に託し、人事院に対する追及を強めていくことが求められます。
 人事院に労働基本権制約の代償たる役割を果たさせ、私たちの要求をふまえた勧告とするよう、奮闘していきましょう。