「故中曽根康弘」内閣・自由民主党合同葬儀の当日における弔意表明に関する談話

【私たちの主張:私たちの主張】2020-10-14
2020年10月14日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 浅野 龍一
 
 政府は10月2日、「故中曽根康弘」内閣・自由民主党合同葬儀の当日における弔意表明について閣議了解した。その具体的措置は、①各府省においては、弔旗を掲揚するとともに、葬儀中の一定時刻(午後2時10分)に黙とうすること、②各府省は、前項と同様の方法により、哀悼の意を表するよう、各公署に対し協力方を要望することとなっている。
 当該葬儀は、内閣と自由民主党の合同で執り行われることとなっている。特定の政党が関わるイベントに国家公務員が関与することは、国民全体の奉仕者である公務員の政治的中立性を損い、政治的偏向を排することができなくなるおそれがある。
 当該葬儀が執り行われる10月17日は土曜日であり、原則として土曜日は、正規の勤務時間が割り振られていない日であって、特に勤務を命ぜられない限り、職員に就労の義務がない「週休日」にあたる。前述の具体的措置を講ずる業務が、「臨時又は緊急の必要がある場合」に発せられる超過勤務命令の対象にあたるのか疑念があり、政府・使用者が職員に勤務を強制することはあってはならない。また、葬儀中の一定時刻に黙とうすることを求めているが、個人の内心の自由を侵害することにつながりかねない。
 当該葬儀の経費として、今年度予算の予備費から約9,643万円を支出することが閣議決定されている。多くの国民がコロナ禍で苦難にあえいでいる状況の下で、多額の税金を葬儀に使うということは国民の感覚からかけ離れており、これまでのあり方を含めて見直しが必要である。
 いま必要なのは、コロナ禍のもとで高まる国民のニーズに応えうる行政体制・予算の確保と、森友・加計問題や桜を見る会など歪められた行政を正していくことであり、国公労連は引き続き国民本位の行財政・司法の確立にむけ奮闘する。