国公労新聞2021年2月10日号 第1558号

【データ・資料:国公労新聞】2021-02-10
2021年春闘スタート いまこそ内部留保を賃上げに


 全労連・国民春闘共闘は1月6日早朝、東京都内5カ所で2021年春闘のスタートとなる新春宣伝行動にとりくみました。国公労連と単組の仲間52名は港区の虎ノ門交差点で宣伝行動を行い、朝の通勤で行きかう人々にアピールしました。
 主催者を代表して国公労連の九後健治委員長(全労連公務部会代表委員)が「コロナ解雇が8万人に達するなど深刻な状況だ。大企業の内部留保をいまこそ活用すべき。自助を強調する新自由主義を改め、政府や自治体が有効な対策を示すことが必要。コロナ禍だからこそ大幅賃上げと雇用の安定を」と訴えました。

【経団連包囲】巨額の内部留保を労働者の生活改善に回せ
 1月15日、全労連・国民春闘共闘と東京春闘共闘は、2021年春闘の闘争宣言行動にとりくみました。
 厚生労働省前の行動では、全厚生の倉橋忠司書記長が「コロナ対応と慢性的な人員不足により、昨年1~5月、厚労省職員555人が過労死ラインを超える月100時間以上の残業を強いられた。公務員の大幅増員が必要だ」と訴えました。
 丸の内昼休みデモでは、飛沫防止のためシュプレヒコールを宣伝カーのみで実施し、プラスターなどでアピールしました。
 日本経団連包囲行動では、主催者あいさつに立った全労連の小畑雅子全労連議長が「コロナ禍でも大企業の内部留保は増え続けている。コロナ禍だからこそ、雇用を守り、賃金の大幅引き上げと底上げ、全国一律最低賃金1500円の実現を求める。そして、コロナ禍においても、いのちが守られ、安心して暮らせる医療・社会保障と公共体制をつくろう」と呼びかけました。
 国公労連は「大企業の内部留保459.7兆円、いまこそ社会に還元を」のプラスターで注目を集めました。
 



2021年国公労連統一要求を決定
コロナ禍だからこそ生活改善できる賃上げを



 国公労連は1月15日に中央闘争委員会を開催し、月額2万円(4.9%)以上の賃上げをはじめとする2021年春闘における統一要求を確認しました。
 2月8日の週を「第1波統一行動週間」に設定し、この統一要求を任命権者・所属長に対して提出し、生活改善できるすべての労働者の大幅賃上げ、諸手当・赴任旅費の改善、均等・均衡待遇の実現、定年延長など雇用と年金の確実な接続、感染防止対策の強化など組合員の切実な要求の実現にむけて、交渉を積み上げていくこととしています。それぞれの機関で所属長交渉の重要性を意識して職場からの上申闘争を強化し、3月5日までを基本に春闘統一要求に対する上申を勝ちとりましょう。

大企業に社会的責任を果たさせよう
 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう状況下で国民の命が脅かされるとともに、新型コロナウイルス関連解雇者数は8万人を超えるなど、雇用も危機的状況に陥っています。こうしたもとで、2021年春闘は国民のいのち・くらしをまもるうえでも重要なたたかいとなります。
 日本経団連が1月19日に「2021年版経営労働政策特別委員会報告」を発表しましたが、コロナ禍によって先行きの不透明感が一層強まっているとして、「業種横並びや各社一律の賃上げは現実的でない」とし、春闘の「横並び賃金引上げ」を否定し、個別企業の「総額人件費」管理徹底を強調しています。この方針に呼応するかのように、トヨタ労組はベースアップを要求するか否かも含めて非公表とし、ホンダ労組やJR西労組でベア要求を見送るなど、賃上げ要求を自粛する動きが報道されています。
 しかし、大企業(金融・保険業を含む資本金10億円以上の企業)では、この間の法人税減税や大企業優遇の税控除、長年にわたる賃上げの抑制、人件費削減のために非正規雇用やアウトソーシングを増やしてきたことなどで約460兆円もの内部留保を積み上げており、コロナ禍のいまこそ内部留保を活用して労働者や下請け業者の生活や雇用をまもるなど企業の社会的責任を果たすべきです。
 国公労連は、富の再配分機能の強化、内部留保の取り崩しや課税によりその社会への還元をめざす「格差と貧困をなくそう~過剰な蓄財は社会に還元を」キャンペーンを全国で展開し、すべての労働者の賃上げ実現、労働者・国民犠牲のうえに利益を上げる大企業の社会的責任を追及すこととしています。
 具体的には、ブロック・県国公で国公労働者の専門性をいかして「ビクトリーマップ」を作成し、各県労連によって展開される地域総行動で宣伝を実施するなど、公務の側から官民一体の春闘構築にむけて奮闘することとしています。
 労働者・国民の生活を顧みない大企業の姿勢をあらためさせ、コロナ危機を乗り切るためにも、エッセンシャルワーカーの処遇改善や、大幅な賃上げと仕事確保、雇用の安定、全国一律の最低賃金1500円などを勝ちとっていく必要があります。コロナ禍ではありますが、「ひとり一行動」を合い言葉に、創意工夫を凝らしながら、2021年春闘のとりくみを旺盛にすすめていきましょう。



公務・公共体制を拡充することなしに、行政サービスの質を向上することはできない!
――「デジタル庁設置法案」を含むデジタル改革関連6法案の徹底審議を求める(談話)