2021年国公労連統一要求を決定
コロナ禍だからこそ生活改善できる賃上げを
国公労連は1月15日に中央闘争委員会を開催し、月額2万円(4.9%)以上の賃上げをはじめとする2021年春闘における統一要求を確認しました。
2月8日の週を「第1波統一行動週間」に設定し、この統一要求を任命権者・所属長に対して提出し、生活改善できるすべての労働者の大幅賃上げ、諸手当・赴任旅費の改善、均等・均衡待遇の実現、定年延長など雇用と年金の確実な接続、感染防止対策の強化など組合員の切実な要求の実現にむけて、交渉を積み上げていくこととしています。それぞれの機関で所属長交渉の重要性を意識して職場からの上申闘争を強化し、3月5日までを基本に春闘統一要求に対する上申を勝ちとりましょう。
大企業に社会的責任を果たさせよう
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう状況下で国民の命が脅かされるとともに、新型コロナウイルス関連解雇者数は8万人を超えるなど、雇用も危機的状況に陥っています。こうしたもとで、2021年春闘は国民のいのち・くらしをまもるうえでも重要なたたかいとなります。
日本経団連が1月19日に「2021年版経営労働政策特別委員会報告」を発表しましたが、コロナ禍によって先行きの不透明感が一層強まっているとして、「業種横並びや各社一律の賃上げは現実的でない」とし、春闘の「横並び賃金引上げ」を否定し、個別企業の「総額人件費」管理徹底を強調しています。この方針に呼応するかのように、トヨタ労組はベースアップを要求するか否かも含めて非公表とし、ホンダ労組やJR西労組でベア要求を見送るなど、賃上げ要求を自粛する動きが報道されています。
しかし、大企業(金融・保険業を含む資本金10億円以上の企業)では、この間の法人税減税や大企業優遇の税控除、長年にわたる賃上げの抑制、人件費削減のために非正規雇用やアウトソーシングを増やしてきたことなどで約460兆円もの内部留保を積み上げており、コロナ禍のいまこそ内部留保を活用して労働者や下請け業者の生活や雇用をまもるなど企業の社会的責任を果たすべきです。
国公労連は、富の再配分機能の強化、内部留保の取り崩しや課税によりその社会への還元をめざす「格差と貧困をなくそう~過剰な蓄財は社会に還元を」キャンペーンを全国で展開し、すべての労働者の賃上げ実現、労働者・国民犠牲のうえに利益を上げる大企業の社会的責任を追及すこととしています。
具体的には、ブロック・県国公で国公労働者の専門性をいかして「ビクトリーマップ」を作成し、各県労連によって展開される地域総行動で宣伝を実施するなど、公務の側から官民一体の春闘構築にむけて奮闘することとしています。
労働者・国民の生活を顧みない大企業の姿勢をあらためさせ、コロナ危機を乗り切るためにも、エッセンシャルワーカーの処遇改善や、大幅な賃上げと仕事確保、雇用の安定、全国一律の最低賃金1500円などを勝ちとっていく必要があります。コロナ禍ではありますが、「ひとり一行動」を合い言葉に、創意工夫を凝らしながら、2021年春闘のとりくみを旺盛にすすめていきましょう。