国公労新聞2021年12月25日号 第1576号

【データ・資料:国公労新聞】2021-12-25
第157回拡大中央委員会
すべての労働者の賃上げと雇用確保を



 国公労連は12月18日、第157回拡大中央委員会を東京都内にてオンライン併用で開催し、中央委員22人、特別中央委員44人が出席しました。拡大中央委員会では①すべての労働者の賃金引き上げと雇用の確保、②国民本位の行財政・司法の確立、③憲法を守り、国民本位の政治への転換、④職場で働くすべての仲間を視野に入れた組織拡大・強化の4つの柱を基本とする春闘方針案を議論し、「2022年春闘方針」と「2021年秋季年末闘争のとりくみの経過と到達点」を全員一致で決定しました。来賓として、全労連の黒澤幸一事務局長から激励あいさつを受けました。

【討論】
 冒頭のあいさつで九後委員長は「岸田内閣の『新しい資本主義』はこの間の新自由主義的改革と中身は変わらない。デジタル田園都市国家構想推進本部のメンバーにパソナ会長の竹中平蔵氏、フランスで民営化された水道事業を運営してきたヴェオリアの日本法人代表が入っていることを見ても明らか。また辺野古新基地建設、敵基地攻撃能力の検討、6兆円を超える防衛費、改憲策動など平和と憲法をめぐる状況は予断を許さない。春闘では、国民の生活と権利を守るために働く国公労働者として広範な国民と連帯し、全国一律最低賃金の実現と公務労働者における賃金の地域間格差解消、正規労働者と非正規労働者の均等待遇実現、長時間労働やハラスメントのない働きやすい職場の実現へ奮闘しよう」と呼びかけました。
 続いて、浅野書記長が2022春闘方針を提案し、討論では会場12人、オンライン10人からの発言がありました。
 討論の冒頭、分限免職取消をたたかう全国税・原口朋弥さんから支援の訴えがあり「6月28日付で分限免職処分を受けた。理由は勤務成績の不良。在職期間中は上司より退職勧奨を受け続けた。社会人採用で入庁したが業務を十分に教えてもらえずパワハラを訴えた結果、その報復と思える人事評価を10回連続してD評価とされた。ADHDの発症も業務が起因している」と述べました。
 「オンラインオルグや職種別オンラインミーティングなどが職場改善につながっている。国公青年交流集会プレ企画で、せやろがいおじさんの講演とレクを行った。大変好評で来年の交流集会につながるものになった」(全司法)、「国立ハンセン病資料館の学芸員不当解雇撤回のとりくみを進めている。団体署名と個人署名にぜひ協力を」(国公一般)、「改憲、敵基地攻撃など岸田政権の危険な動きを止めたい。春闘で組合員と家族を守るため奮闘する」(全司法)、「7割テレワークから緩和されたが手当の充実など職場から意見が出ている。辺野古新基地建設をやめさせるため国公労連の沖縄連帯行動などに結集する」(全通信)、「月2回公務公共サービス拡充宣伝を行い、職場の厳しい実態を訴えている。地元国会議員30人に請願要請を行う。宿舎改善に向けてアンケートを実施し近畿財務局交渉にとりくむ」(兵庫県国公)、「国交省の二重計上は2013年から行われGDPに上乗せされた。これは安倍政権発足からで職場では『またか』の声が上がっている。森友問題でも政府の対応は許されない。非常勤アンケートがきっかけでパワハラに悩んでいた方が組合加入。所属長交渉を行い、パワハラをしないと約束させた」(山梨県国公)、「高齢期雇用の課題でオンライン学習会の検討を。春闘期にかかわらず学習会の開催を」(青森県国公)、「衆院選結果にがっかりしたと思うが落胆することなく来年の参院選に向け奮闘しよう。全員参加型の運動の提案を積極的に受け止めとりくみを進め、毎月の街頭宣伝や地元国会議員要請を行う。1月以降は13地区国公で春闘討論集会を開催する。地域の運動への仲間の結集を追求する」(福岡県国公)、「高卒初任給が最低賃金を下回る地域が多くあり、これを許すわけにはいかない。学習を強め青年の春闘結集を進めたい」(国交労組)、「一時金引き下げを来年夏の賞与で調整することは不利益訴求であり許されない。大阪府などは政府の方針よりも早く12月給与から一時金引き下げを行った。維新政治は市民と公務の分断で公務を切り下げるもの」(国交労組)、「防衛費が6兆円を超える一方で貧困対策は数百億円しかなく強い怒りを感じる。年金機構で振り込み通知書97万件の誤送付があり追及している。個人情報を外部委託に頼っていること自体大きな問題」(全厚生)、「運輸などの業種では長時間労働が蔓延。全労連、建交労、自交総連が11時間の休息時間を求める署名にとりくんでいるので協力を。交代制勤務の管制官は15分単位の休暇の要望が多い」(国交労組)、「政府は国立病院の効率化の名のもと、縮小を押し付けてきている。これはコロナを経験した国民の願いに反するもので国立病院の機能強化を求める署名等にとりくんでいる。組織拡大も4月に向け奮闘したい」(全医労)、「超過勤務手当について割合を引き上げる提案があるが、基本給を引き上げる要求をしてほしい。経験豊富な方が育児短時間を取得できるよう増員が必要。非正規職員をすべて正職員に」(愛媛県国公)、「1月に名護市長選挙が行われる。名護市は辺野古新基地の建設地域。沖縄県国公は辺野古新基地建設反対の市長候補を支援することを決定した。全国から支援を」(沖縄県国公)、「毎月、公務公共サービス拡充宣伝を実施しSNSでも発信。1月の春闘討論集会では人事評価と京都府知事選挙について学習を行う」(京都国公)、「地域における組織課題の提起をお願いしたい。要求を柱にした運動、産別運動を担える若い世代の人材育成、春闘討論集会などでも報告型でなくミーティング型で行うなどいろいろな方法を検討すべき」(福岡県国公)、「最賃運動に重点を置き出足早く春闘にとりくむ。全国税の原口さんの分限免職取消の運動にブロック全体でとりくんでいく」(関東ブロック)、「退職手当や定年延長、再任用など高齢期雇用の課題と、障がい者雇用のとりくみ強化を。国公共済会のオンライン学習会の開催を」(中部ブロック)、「職場の願いは大幅増員。要求実現に向け幅広い運動を地域で展開しよう」(全労働)、「組織拡大に向け全員参加型を追求する。職場では職員が大幅に不足。増員へ国民にアピールしたい」(全法務)、「退職金の更なる引き下げ阻止のとりくみと、青年から多くの要求が上がっている移転料について追及強化を」(全労働)




 
2022年春闘アピール
2021年12月18日 国公労連第157回拡大中央委員会


 



 
国公青年交流集会プレ企画ひらく
楽しく学び、オンラインレクで交流


 国公青年フォーラムは12月5日、国公青年交流集会プレ企画を完全オンラインで開催しました。プレ企画には全国から約120人がオンライン参加し、講義やオンラインレクリエーションを楽しみました。
 今年の交流集会は、本来であれば「国公青年交流集会2021コネクト」と銘打って、滋賀県長浜市で全国の青年が集まって開催されるはずでした。前回の交流集会が2019年にあり、その直後から運営委員会で企画してきましたが、その間に新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい今もなお収束していない中、集合形式の集会は1年延期することを決定し、そのプレ集会として今回のオンライン企画が開催されました。
 メイン講演にはお笑い芸人兼ユーチューバーの「せやろがいおじさん」こと榎森耕助さんに登場していただき、若手公務員に向けた講義をしていただきました。
 「人はさまざまな物事について無意識のうちに先入観を持っていることが多く、その先入観が仕事をする上でも、社会生活をおくる上でも、障害になっていることが多々あるが、それに気が付かないまま仕事や生活の質を下げてしまっていることがあるので、広い視野と見つめなおす冷静さを身に着けてください」という趣旨の話について、具体例を挙げながら楽しく講演いただきました。内容もさることながら、しゃべりを本業としているだけあって、話に集中させるうまさもあり、大変貴重な時間を経験できました。リアルの講義ならさらに良かったのでコロナ禍が悔やまれます。せやろがいおじさんの講義はユーチューブで限定公開する予定です。今回参加できなかった方、もう一度見たい方は是非ご覧ください。
 レクリエーションはチャット機能を使った連想形式のゲームを行いました。参加者が10人前後になるようにランダムに振り分け、運営委員が各部屋の司会者となり進行しました。
 ゲームのうちの1つは「価値観平均ゲーム」で①司会者が数字で回答できる質問をする②思った数字を参加者はチャットに打ち込む③司会者の合図で同時に送信する④司会者はそれらの数字の平均を計算して出し、平均に一番近い数字の人が勝ちというゲームです。実際に行ったお題の一つに、「使い切れないほどの大金と言われて思い浮かんだ金額」があり、結果は写真のチャット欄にもあるように参加者によってさまざまな金額が出されました。金額発表のあとには、なぜその金額にしたのかを自己紹介を兼ねて教えてもらい、意外な答えだったり笑いありだったりと交流も深めました。
 プレ企画の最後には、来年に向けて会場となるホテルや周辺の観光施設の動画を視聴するとともに、運営委員から「国公青年交流集会2022」の成功に向けてみんなで参加しようと呼び掛けました。