国公労連は本日、第159回拡大中央委員会を開催し、すべての労働者の賃金引き上げと雇用確保、国民本位の行財政・司法の確立、憲法を守り国民の権利保障・ジェンダー平等の実現、職場で働くすべての仲間を視野に入れた組織強化・拡大を柱とする2023年春闘方針を確立した。
四半世紀にわたる実質賃金の低下、収束の見えないコロナ感染(禍)、円安と歴史的な物価高騰などによって国民生活の悪化が深刻になっている。さらに、23年早々には食料品等の値上げラッシュが予想されている。23年国民春闘はまさに物価高騰から労働者・国民生活をまもる春闘である。国公労連は、社会的影響力の大きい公務員賃金を社会的な賃金闘争の中心に位置付けるとともに、全労連が提起する「公務員労働者の大幅賃上げを求めるキャンペーン」に積極的に結集し、公務労働者として23年国民春闘を主体的にたたかうことを組合員のみなさんに呼びかける。
すべての職場での要求書提出をはじめ、国公労働者の専門性を活かした「ビクトリーマップ」運動を全国で展開するなど、「ひとり一行動」を合言葉に、公務労働者側から官民一体の春闘構築にむけた共同行動を強め、生活改善できる賃上げを勝ちとろう。
市場原理主義の重視、大幅な規制緩和など新自由主義的政策がすすめられ、行政機関や公務員の削減をはじめ「公務・公共」が切り捨てられてきた結果、国民のいのちやくらしの破壊、権利の後退を招いた。こうした経験から本来の「公共性」の回復を求める世論が高まっている。
全労連が提起する「生活圏での公共を取り戻す」運動を自らの課題としてとりくみ、職場と地域住民が共通して持っている公務・公共サービス拡充要求を「見える化」し、国民本位の行財政・司法の確立及び行政体制の拡充を官民共通の課題として追求する。その基軸として公務・公共サービスの拡充を求める国会請願署名を位置づけ、単組・ブロック・県国公が一体となって地元選出国会議員をはじめ大多数の国民・住民の理解と支持の獲得にむけて奮闘しよう。
岸田政権は東アジアにおける軍事的緊張関係を強調して国民の不安を煽り、「敵基地攻撃能力」の保有や経済安全保障のとりくみなどを新たに記した「防衛3文書」を閣議決定し、防衛費倍増を強行しようとしている。そのための予算確保にむけ、医療・社会保障予算や公務員人件費の削減などの歳出「改革」と、消費税・所得税の大増税がねらわれており、国民生活は二の次にして大軍拡路線に舵を切っている。
政治が今なすべきは、コロナ禍や物価高騰から国民生活をまもることであり、軍事的緊張を高める軍拡ではなく、対話による平和外交である。「ふたたび戦争の奉仕者にならない」をスローガンに憲法尊重擁護義務を負う国公労働者としての役割を発揮することが求められている。春には統一地方選挙が行われる。「政治的無関心」に陥らず、職場での学習強化と権利行使で、地域から国民・住民本位の政治への転換のうねりをつくり出そう。
ジェンダー平等の実現は、国民全体の奉仕者である公務員の役割発揮や公務・公共サービスの質の向上をはかるうえでも、安心して働くことができる公務職場をつくっていくうえでも極めて重要な課題である。すべてのとりくみにジェンダー平等の視点を重視し、労働組合の社会的責務を果たしていこう。
職場で働くすべての仲間をはじめ、国民・労働者の切実な要求を前進させるためには、労働組合を強く大きくすることと、その役割発揮が欠かせない。「組織強化拡大3か年計画(2021~2023年度)」にもとづき、すべての職場労働者との対話を推進し、組合員・国公共済会加入者を拡大しよう。すべての職場で組合員一人ひとりの「資源」をいかした「全員参加型」の運動を推進し、組合活動の「見える化」をはかり、第69回定期大会を増勢でむかえよう。
私たちのこれまでの足跡に希望と展望を持ち、国民のいのち・くらしを守り、一人ひとりが尊重される平和で公正な社会の実現にむけて、2023年国民春闘を意気高く大いにたたかおう。
2022年12月17日
日本国家公務員労働組合連合会
第159回拡大中央委員会