いまこそ大幅賃上げ・底上げ実現と体制拡充を
――2023国民春闘がスタート

【とりくみ:各種とりくみ(中央行動など)】2023-01-06
国公労連速報2023年1月6日《No.3678》
 
 全労連・国民春闘共闘は1月6日、都内各地で「2023年国民春闘共闘・新春宣伝行動」を実施し、2023年国民春闘がスタートしました。冷たい風が吹く寒空のもと、国公労連本部と9単組の他、公務単産や民間単産など50人以上が東京都港区の虎ノ門交差点に結集し、朝の通勤で行きかう人々に全労連の「変えるリーフ」入りのティッシュを配布したほか、横断幕やプラスターボードを持ってスタンディングアピールを行いました。
 
 行動では6人の弁士から、春闘のとりくみに奮闘する決意表明と賃上げや体制拡充を求める訴えがなされました。
 
賃上げで誰もが当たりまえの生活ができる公正な社会を
 
 まず始めに、国公労連の九後健治委員長(全労連公務部会代表委員)が主催者を代表し、「年末に発表された11月の消費者物価指数は前年同月比で3.7%も上昇している。とりわけエネルギー価格は、都市ガスが28.9%、電気も20.1%と大幅に上昇している。そのほかにも生鮮食料品を除く食料が6.8%、家庭用耐久財が10.7%など上昇している。現在の賃金水準では、生活をしていくためそうした支出を切り詰めなければならないという異常な事態に陥っている。総務省が出している家計調査では、2021年における貯蓄や負債の状況が明らかになっているが、二人以上の世帯を見ると50歳未満の層では貯蓄より負債の方が多くなっている。2022年度の出生数は80万人を割る見込みだと報じられ、原因は結婚する人が減ったと指摘されていたが、働いても働いても給料が上がらず雇用も不安定であれば、子育てはおろか結婚すらできないという人も多いのではないか。これから本格化する2023年春闘で全労連は①誰でもどこでも時給1,500円以上の実現、②物価高分プラス25,000円以上、率にして8.19%の賃上げ、③雇用形態や男女間格差の根絶をめざす均等待遇の実現、④最低賃金を全国一律1,500円にすること、の4つを要求として掲げている。皆さんも私たちとともに『大幅賃上げ・底上げ実現』『戦争する国づくり反対』の声を上げよう」と力強く呼び掛けました。
 
国民のいのちを守るための公務職場の体制拡充を
 
 全労働の伊吹五月書記次長は、厚生労働省や都道府県労働局、労働基準監督署、公共職業安定所・ハローワークなどが所掌する労働行政について発言し、「みなさんの職場では、サービス残業や持ち帰り残業をしていないか?パワハラやセクハラをする上司はいないか?職場は相談しやすい職場環境にあるか?そういった困りごとを解決していくことも労働行政であり、労働基準監督署の仲間が相談に対応するので是非頼ってもらいたい。一方で国家公務員は総定員法で人数が決められ、また定員合理化計画で毎年2%ずつ定員が削減され続けている。現在は、相談したいと監督署に行ったのに担当者がいないようなことにならないように窓口体制をなんとか保ちながら業務を遂行しているが、このまま定員の削減が続けば、窓口体制を確保することも難しくなり、せっかく監督署に相談に行ったのに相談員が不在となる事態に陥りかねない。労働法制の体制強化の声を一緒にあげていただきたい」と呼び掛けました。
 
春闘を幅広い人たちの運動でたたかう
 
 最後に、全司法の中矢正晴中央執行委員長は、「今、物価高が大きな問題になっている。毎月のように様々な商品やサービスの値段が上がっていくもとで、今年の春闘では物価上昇を上回る賃上げを必ず実現し、生活改善につなげることが絶対に必要だ。個人消費は国内総生産の8割を占めており、日本の経済成長が止まり、社会の様々な仕組みが行き詰っている最大の原因は、この二十数年間、実質賃金が上がらなくなり、国民に物を買う力がなくなってしまったことにある。諸外国では着実に賃金が上がっている中、日本だけが賃金が上がらない国になっている。行き詰まった日本の経済や社会を立て直していくためにも賃上げは絶対に必要であり、またそれは政府が責任を持って行う役割を持っていると思う。政府と交渉して賃金を決めることができない私たち公務員も、公務員賃金を改善することが国民全体にどういうメリットをもたらすか積極的にアピールしていくことが求められている。政府は昨年末に2023年度の予算案を策定したが、この予算案は中小企業を支援し、物価上昇を抑える対策をとり、国民が安心して生活できる内容ではなく、防衛費が6兆円を越える大軍拡予算となっている。政府はこのような大軍拡予算を行うのではなく、国民の生活改善を行うべきだ。春闘では企業内での賃金交渉だけではなく、多くの労働組合が一緒にたたかい、幅広い人たちが一緒に運動を作り、政府に要求していく社会的な運動が一体となり展開されることでこれまでも大きな成果をあげてきた。今年の春闘を幅広い多くのみなさんと一緒に作り上げていきたい」と強く訴えました。
 
 以上3人のほか、全労連・民間部会を代表して生協労連の岩城伸副委員長、公務部会から全教の檀原毅也書記長、特殊法人労連の岡村稔事務局長から連帯のあいさつと訴えがありました。
 
▼行動の様子を伝える国公労連のツイッター
https://twitter.com/kokkororen/status/1611156225949065217
https://twitter.com/kokkororen/status/1611147971315523585