行政サービスの質の維持・向上を願って
――公務・公共サービス拡充の必要性を訴える

【とりくみ:各種とりくみ(中央行動など)】2022-12-23
国公労連速報2022年12月23日《No.3677》
 
 国公労連は本日の昼休みに東京港区の西新橋交差点周辺で公務・公共サービス拡充を求める宣伝行動を実施しました。宣伝行動には国公労連本部をはじめ各単組本部から28人が参加し、各職場実態と公務・公共サービス拡充のための人員増の訴えをおこなうとともに、ビラの配布、署名行動、横断幕の掲示、プラスターボードを掲げ道行く人々にこの運動への支援と協力を訴えました。
 
 訴えは4単組から行いました。最初に全法務の中坊書記長からは、法務省が管轄する法務局、更生保護、出入国管理局や少年院施設などの職場での状況が報告されました。「少年院施設では、少年事件の複雑化により、処遇が困難な少年が増え、人員が不足したまま業務が増えたことにより、職員の肉体にも精神的にも限界がきている。少年院施設以外の他の職場でも、半世紀を超える無謀な定員削減により職員はギリギリの状況で業務続けている。国民の権利と財産を守る法務行政を維持・向上させていくには行政需要に応じた人員を確保することが必要である」と訴えました。
 
 全通信の鶴田中央執行委員は「政府の『定員合理化計画』による定員削減が繰り返され、総務省でも省全体で2019年度末の定員約4,800名から、5年間で10%を超える約500名もの定員を削減することを求められている。業務量が減らない中、職員だけが減らされていることによって自ずと超過勤務が増加し、長時間労働が恒常的に続くことによって、健康を害したり、メンタル障害を患ったりする人も増え、長期の休暇を余儀なくされ、その人のフォローを周りの職員が行うことで更なる負担増となっている。このような劣悪な労働環境から『公務ブラック』という言葉まで聞かれ、若手職員の離職や、就職を目指す若者の公務員離れを招いており、状況はますます悪化している。行政サービスの質を維持・向上させるためには、増員を中心とした体制拡充が待ったなしの状況である」と力強く述べました。
 
 全司法の井上書記長は、「いま裁判所ではIT化・デジタル化が急ピッチですすめられている。裁判手続きのIT化が実現すれば、裁判の申し立てや書類の提出・受領がオンラインでできるようになり、口頭弁論をはじめとする各種の裁判手続きをウェブ会議などで実施することが可能になる。裁判手続きのIT化を実現する上で最も重要になるのは最高裁のシステム開発だと考えているが、これまでのシステムはシステム障害を起こしたりと使い勝手も含め、職員からも不評であった。今後の裁判手続きのシステムでは職員だけでなく、国民のみなさんがシステムの操作をする必要があり、ユーザーフレンドリーな利用しやすいシステムの開発が必要となっている。そのためには必要な予算を確保する必要があるが、現在の裁判所の予算は国の予算のわずか0.3%程度しかないという問題がある。国民のみなさんの様々な権利が保障される裁判所業務、裁判所のIT化・デジタル化を行うためにご理解とご賛同をお願いしたい」と予算の拡充を訴えました。
 
 最後に国公労連の大門中央執行委員からは「国家公務員は、採算を重視せず、民間で行うには困難な業務を行い、国民のいのちや暮らし、安心・安全を守ることを使命としている。しかし、その公務員を減らし続けることは、結果国民サービスの低下につながりかねない。コロナ禍や、近年頻発している大規模な風水害への対応、まさに今でいえば北海道や日本海側地域での大雪被害の対応など、公務公共サービスの役割とそれに対する国民の期待は日に日に高まっている。岸田政権は、軍事費増額の大軍拡を推し進めようとしているが、いま多くの国民が求めていることは何百億円もするような戦闘機を備えることではなく、安心して医療や介護を受けられるように医療体制・介護体制を整えることだ。国民の皆さんのいのちや暮らし、安心と安全を守るために、国がすすめる政策のあり方を国民本位のものに変え、国民のみなさんが求める真の行政サービスを実現するに足りるだけの人の確保、体制確保をめざし、引き続き奮闘していきたい」と決意を述べました。
 
以上