国公労連速報2022年10月27日《No.3670》
国公労連は本日の昼休みに東京港区の西新橋交差点周辺で公務・公共サービス拡充を求める宣伝行動を実施しました。宣伝行動には国公労連本部をはじめ各単組本部から30人以上が参加し各職場実態と、公務・公共サービス拡充のための人員増を訴えるとともにビラの配布、横断幕の掲示、プラスターボードを掲げ、道行く人々にこの運動への支援と協力を訴えました。
訴えは5単組から行いました。最初に全労働の山口中央執行委員から「仕事や働くうえで悩みや困ったことがあればハローワークや労働基準監督署に相談・活用してほしい」と呼びかけました。そして「コロナ禍で助成金や各種給付が増大し、職場はすさまじい状況。その原因の一つが圧倒的なマンパワー不足。労働行政はこの20年間で4000人も人員が削減された。我々は労働行政で困っている労働者・国民のためになる仕事をしたい。そのために労働行政ではたらく人員の大幅増員に理解していただきたい」と訴えました。
全法務の神副委員長は法務省の多岐にわたる仕事のうち更生保護官署と入国管理官署の仕事と職場実態にふれ「更生保護官署では保護観察官や社会復帰調整官が専門知識を持って日々奮闘している。犯罪や非行を侵した少年たちの再犯防止や社会生活での指導、心神喪失状態で犯罪を犯した人に対して、適切な治療と再発防止、社会復帰への指導などを行っている。また、入国管理官署ではパスポートやビザの有効確認や日本に在留する外国人の在留に関する業務を行っている」と業務を紹介しながら「コロナ禍で入国が規制されていたが、規制が撤廃され今後入国する外国人は増大する。政府の人員削減計画で現場では人員が減らされ続けギリギリの状態で業務を遂行しているのが実態。国民の権利と財産を守るためにも行政需要に見合った人員体制が必要」と訴えました。
全通信の鶴田中央執行委員は「政府の『定員合理化計画』により、総務省では省全体で2019年度末の定員約4,800名から5年間で約500名も定員を削減するよう政府から求められており、職員から怒りと不安の声がでている。職場の要員不足を訴えてきているが、全くと言っていいほど聞き入れられない」と人員の削減状況を訴えるとともに「業務量が減らない一方で、職員だけがどんどん減らされていることによって、様々な問題が職場で発生している。少ない要員で多くの業務をこなすため超過勤務が増加し、長時間労働を強いられ、健康を害したり、メンタル障害を患ったりする人も増えている。過剰な超過勤務により、家族の介護や送り迎えができない。育休を取得しようとしても、職場におけるフォロー体制すら構築することができず、取得をあきらめる職員もでてきていおり、残念ながらワークライフバランスを保つということと逆の状況にもなっている」と人員不足を訴えました。
全医労の森川書記次長は「新型コロナウイルス感染の収束が見通せない中、この冬には第7波を超える感染拡大が起きる可能性があると専門家からも懸念の声が上がっている。政府は全数把握の簡略化や療養期間の短縮、行動制限の緩和などウイズコロナへと政策を転換したが、医療現場ではいまだ大変な状況になっている。職員やその家族が感染すれば勤務を交代しなければならず、休む間もないのが実態」と医療現場の実態を訴えました。そして現場は医療従事者の使命感で回っている状況として「必要な治療も受けられず自宅で命を落とすことがあってはならないと奮闘しており、コロナ禍で日本の医療体制の脆弱さが露呈された。国立病院では多くのコロナ患者を受け入れているが、人員配置が全く改善されない。国民が期待する医療提供体制にするには国立病院の機能強化が必要。現在、国立病院の機能強化を求める請願署名を行っておりぜひ協力をお願いしたい」と訴えました。
最後に全司法の大杉副委員長が「裁判所では犯罪を犯した人を裁いたり、お金の貸し借りなどのもめ事の解決、成年後見制度、破産手続、保護命令、労働審判手続、遺産分割、相続放棄など様々な業務を行っている。社会や経済の仕組みが複雑になり、家族や個人のあり方も様々な変化を見せ、価値観の多様化から、裁判所に持ち込まれる事件の内容も複雑になっている」と裁判所の実態を訴えました。そのうえで、「適正・迅速に処理するためには裁判所の態勢を整備する必要があり、裁判官・裁判所職員の人的体制の整備、庁舎設備の充実や老朽化・狭隘化している施設の改善、バリアフリー化など裁判所施設の充実と予算の増額が不可欠。現在、裁判所の予算は、国の予算のわずか0.3%。裁判手続のIT化や事務のデジタル化をすすめるには予算が少なすぎる。利用しやすい裁判所を実現するためには、裁判官・裁判所職員の増員と、裁判所の施設・設備の充実が必要」と訴えました。
▼行動の様子を伝える国公労連のツイッター