利用者一人ひとりに寄り添う行政サービスを
――人員増による体制強化で国民のための仕事をしたい

【とりくみ:各種とりくみ(中央行動など)】2022-07-25
国公労連速報2022年7月25日《No.3653》
 
 国公労連は7月21日、西新橋交差点(東京都港区)で公務・公共サービス拡充を求める宣伝行動を実施しました。宣伝行動には各単組と国公労連本部をあわせ24人が参加。チラシ入りのティッシュを配布するとともに、行政需要に見合った体制強化を実現するため人員や予算を増やすことの必要性を訴えました。
 
 国土交通労組の水谷書記次長は、「地方運輸局の職場では、自動運転や運送事業者への規制強化など、新たな業務や既存業務の複雑化により、業務量が増大している。また、本年4月に発生した知床遊覧船沈没事故に対応する職員の超過勤務は、軒並み100時間を超え、管理職では200時間を超える人も。しかし、公務職場では『定員合理化計画』にもとづく機械的な人員削減により、国土交通省だけでも2020年度からの5年間で6,176人もの人員が削減されようとしている。国民の皆さんへの徹底した安全対策を講じるためにも、職場体制の強化をすすめるよう政府に対する追及を強めていかなければならない。また、この間の物価高騰に鑑みれば、賃金の大幅な引き上げが必要なことは明白。8月の人事院勧告にむけ、公務労組が奮闘して官民一体となったととりくみを強めることが大切だ」と強く訴えました。
 
 全厚生の倉橋書記長は、「私たち公務労働組合は、『公務・公共サービスを受ける国民の幸せなくして、私たち公務労働者の幸せはない』との立場で運動にとりくんでいる。コロナ禍のもと、憲法25条にもとづく医療・年金・福祉などの社会保障制度の改善や、国民の安心・安全をまもる公務・公共サービスの拡充を求める声が大きくなっている。これらの国民の願いに応えるために、厚生労働行政の使命は極めて重大であり、私たち厚生労働省の職員にはその役割発揮が今こそ求められていると感じている。政府は、5年以内に防衛費を倍増するなどと言っているが、軍備を増強したからといって戦争を防げるものではない。軍事費ではなく、教育の無料化や社会保障制度の改善、公務・公共サービス拡充にこそ税金を使うべきだ」と訴えました。
 
 全経済の鈴木書記長は、「コロナ禍のもと、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響も相まって、予期せぬ物価高騰が発生している。先の国会では物価高騰対策を盛り込む補正予算が成立し、経済産業省は原油価格・物価高騰等総合緊急対策に日夜奮闘している。また、『骨太方針』や『経済安全保障推進法』などにより経産省に求められる責務はますます増えることから業務量の増加も予想され、十分な定員確保が実現しなければ、職員の超過勤務が増えるばかりでなく、行政サービスの低下にもつながる。こうした中、新規採用が抑制された時期もあり、30代40代の職員が少ないため、再任用職員が業務のノウハウを伝承している職場もある。国民が求める行政サービス水準の維持向上のためにも、行政需要に見合う定員確保にむけ奮闘していきたい」と決意を述べました。
 
 全労働の小部中央執行委員は、「私が働くハローワークの職場では、職業相談や雇用保険の各種続きに関する業務などを行っており、それぞれ個別事情が異なる利用者に応じたサービスを提供することが求められている。しかし、コロナ禍も相まって、多くの利用者の方々が待合室で長時間待つことを余儀なくされる状況が続いている。こうした状況の中、既存の職員数では本来すべき対応をやりきれていないのが現状だ。私たちは、利用者一人ひとりにもっと寄り添い、満足していただけるサービスを提供したいと思っているが、それができない悔しさで忸怩たる思いだ。国民のみなさんに寄り添い、本来私たちがすべき行政サービスを届けたい。そのためにも、職場にはもっと多くの職員が必要。国民の皆さんの力を貸していただきたい」と呼びかけました。
 
 最後に国公労連の中岡中央執行委員は、「新型コロナの感染拡大が第7波に突入した。こうした中、安心・安全な暮らしを求める国民のニーズは高く、行政体制の拡充は大きな国民的要求になっている。しかし、国家公務の職場は、連年の定員削減で人員不足が限界に達しており、これ以上職員を減らせる職場はない。世界的にみても日本の国家公務員の数は少なく、OECD加盟国の中では最低レベルという状況だ。憲法で保障された生存権が守られ、必要なときに十分な行政サービスを受けられることは、すべての国民の基本的権利だ。それぞれの職場の実態に着目し、行政需要に見合った大幅増員で体制拡充を実現し、公務・公共サービスの機能向上を今こそ図るべきだ」と力強く訴え、宣伝行動を終えました。
 
以上