国公労連速報2022年6月30日《No.3647》
国公労連は6月30日の昼休み、東京都港区の西新橋交差点で公務・公共サービス拡充の宣伝行動を実施し、各単組と国公労連本部から全体で34人が参加しました。行動では、横断幕にプラスターを掲げチラシ入りのティッシュを配布。各弁士からは職場の現状や本日支給された夏のボーナスが、昨年12月に支給された冬のボーナスの減額分を含めた不当な減額であることを道行く人々に訴えました。
全労働の野口中央執行委員は「労働行政は誰もが安心して働けるよう奮闘している。コロナ感染症の影響で休業を余儀なくされたみなさんに、休業支援金の制度がある。これは、みなさんが声をあげた結果できた制度だ。その処理をする職員が足りず、業務が滞っている状況。コロナ禍でもみなさんが安心して働けるよう増員を」と訴えました。
全厚生の倉橋書記長は「日本は物価高騰という新たな危機が生活を直撃しているが、日本の労働者の賃金は20年以上あがっておらず、生活が苦しくなるばかりだ。コロナ禍によって格差と貧困が広がる中、医療や年金、福祉といった公務・公共サービスの拡充が求められており、厚生行政で働く職員の役割発揮が求められていると感じている。コロナ危機を打開するためには、税金の使い方を国民のいのちや暮らしに関する公務・公共サービスの拡充に使うべきである。また、労働者の賃金を引き上げて消費拡大により経済を回すことが重要」と訴えました。
全法務の中坊書記長は「本日、わたしたち公務員にボーナスが支給された。支給されたボーナスは6月分の減額のみならず、昨年の12月分の減額まで含み減額されている。この間、公務員賃金も増えておらず、物価急騰がわたしたちの生活にも直撃している。ニュースでは大手企業の夏のボーナスが13.8%の大幅アップと報道されているにもかかわらず、このタイミングで減額することに対し怒り心頭だ。この減額はわたしたちの生活を悪化させるだけでなく、職員のモチベーションにも影響する。法務局などでは職員が増えない中、新たな業務が次々に増え、肉体的にも精神的にも限界なうえにボーナス削減はモチベーションも保てなくなる。」と理不尽な減額と職場状況を訴えました。
全医労の原中央執行委員は「国立病院機構では98病院で延べ38万人のコロナ陽性患者を受け入れている。また、職員を7,000人以上も多くの病院へ派遣している。職員からは『コロナ対応に追われ、感染リスクと隣り合わせの中、業務を行う日々で生きた心地がしない。』など、長期に及ぶコロナ対応で医療従事者の心身の疲弊も深刻化している。そんな中、昨年の人事院勧告で賞与が-0.15月減額され、昨年12月のボーナス分を会計年度が超えた今年6月のボーナスから併せて減額するという原則から逸脱した対応を政府は行った。人事院勧告は国立病院機構などではたらく職員に大きく関係する。コロナ禍で奮闘している職員に対し、その労苦に報いるための賃金改善が必要であり、犠牲なき献身こそが真の奉仕だ。」と国立病院で奮闘する職員の処遇改善を訴えました。
全通信の玉置中央執行委員は「国家公務員の給料やボーナスは、公務員と民間の給与水準の調査が毎年行われ、その結果によって調整されている。本日支給されたボーナスは、昨年行われた公務員と民間の給与水準比較の結果、公務員のほうがボーナスの額が高かったということで、昨年より支給率を落として支給された。今回のボーナスの減額調整は年度をまたいで行われたということで大きな問題がある。『ボーナスが出るだけいいじゃないか』と思う方もいると思うが、公務員の給与が減ると、影響がある民間労働者も多く出てくる。民間企業のみなさんの給与水準を上げていくためにも、また、コロナ禍の中でも、昼夜を分かたず働いている公務員の労苦に報いるためにも、公務員を増やし、官民ともに給与を上げていこう」と訴えました。
国土交通労組の後藤書記長は「国土交通省ではたらく職員は自然災害などに対応し、国民の安心安全を守っている。しかし職場では人員不足が深刻な状況だ。このような中で夏のボーナスが支給されたが、昨年12月に支給されたボーナスの減額分まで、夏のボーナスで減額されている。3月に定年退職し、そのまま再任用された職員も夏のボーナスが大幅に削減された。これは、政府が12月ボーナスを引き下げれば経済に影響を及ぼすとして先送りしたもの。本来個人消費などを改善するには賃上げが必要。国土交通省の関連独立法人では夏のボーナスの減額を撤回させたところもある。引き続き最低賃金の引き上げも含め賃上げに奮闘しよう」と訴えました。
全司法の岡野中央執行委員は「6月のボーナスが削減されたが、日常品が値上げされる中での減額は大変厳しい。国家公務員の給与決定は労働者約770万人に影響すると言われ、低迷している日本経済の状態や物価高騰に苦しむみなさんの生活の実態を考えると、国家公務員の賃上げを行って労働者全体の賃上げにつなげていく必要があると考える。裁判所では、数多くの事件や相談が毎日持ち込まれ、社会や経済の仕組みが複雑になり、裁判所に持ち込まれる事件の内容も、とても複雑なものになってきている。裁判所のデジタル化が進んできているが、機器やシステム、それに対応する部屋の整備のほか、職員も不足している。裁判所全体の予算は国家予算の0.3%しかなく、裁判所予算を増やし職員の増員や利用しやすい施設にしていく必要がある」と訴えました。
最後に国公労連の笠松書記次長が「コロナや災害で行政体制の脆弱性が指摘されているが、背景には、「総定員法」により国家公務員の定員を抑制する一方で、定員合理化計画による大幅な人員削減を強行してきたことにある。1980年代に約90万人だった国家公務員は、2020年代までに約30万人に激減し、GDPに占める公務員人件費の比率は、OECD加盟国で最低水準にあるにもかかわらず、国の財政赤字は増加しつづけており、公務員人件費と財政赤字が相関関係にないことが明白となっている。人員削減がすすめられるなかで、行政サービスを維持するために、非常勤職員が採用され、約9万人が働いている。非常勤職員は、3年に一度公募にかけられ、5年で一律雇い止めされるなど、雇用不安の状態だ。本日、国家公務員にボーナスが支給され、昨年の人事院勧告にもとづいて、昨年の引下げ分0.15月分と、今回の引下げ分0.075月が削減された。この一時金の削減は、非常勤職員も同様に引き下げられた。国ではたらく非常勤職員は正規職員との格差が大きく、病休の有給化、扶養手当や住居手当などの生活関連手当など、常勤職員との不合理な格差を解消すべく運動している」と国ではたらく非常勤職員の実態を訴え公務・公共サービス宣伝を終えました。
本日は、全労連・公務部会が一時金削減に反対するTwitterデモを提起しています。Twitterアカウントを持っている組織や個人のみなさんは、午後6時から9時の間にみなさんの一時金削減に対する思いと「#去年の分を今頃になって戻せとは」「#物価高騰・生活悪化なのにボーナス引き下げ」のハッシュタグを付けてtweetしてください。また、国公労連のTwitterアカウントでも本日の宣伝行動で使用したプラスターの写真と共にみなさんの声をtweetします。
▼国公労連のツイート