国公労連は本日の昼休みに東京都港区の西新橋交差点周辺で公務・公共サービス拡充を求める宣伝行動を実施しました。宣伝行動には国公労連本部をはじめ各単組本部から28人が参加し、各職場実態と公務・公共サービス拡充の必要性を訴えるとともに、ビラの配布、署名行動、横断幕の掲示、プラスターボードを掲げ道行く人々に、この運動への支援と協力を訴えました。
訴えは5単組から行いました。最初に全厚生の佐藤書記長からは、国立感染症研究所の感染症対策における研究の状況が報告されました。「国立感染症研究所として行っている研究のなかには採算が合わないもが少なくない。これはいざという時に備えるためのものであり、国としての責任をはたすために必要な業務。それが組織再編により特殊法人化されようとしている。能率的経営を行う特殊法人として国民のいのちは守れない。国は国民のいのちを守るためにも公務としての研究に十分な予算を確保するべき。また、福祉職場でもエッセンシャルワーカーとしての介護や福祉労働者の重要性が見直される中でも予算が削られ恒常的な人員不足、または施設の老朽化によって十分なサービスが提供できない状態にある。必要な時に十分なサービスが受けられるよう定員削減計画を中止して、職場に十分な人員を配置し、公務・公共サービスを拡充することが必要。」と訴えました。
全労働の山口中央執行委員は「この約3年間の新型コロナウイルス感染症で明らかになったことがある。それは、国民が安心して生活できるように支えるために存在する公務・公共サービスの脆弱性。原因は、国の総人件費抑制方針にもとづく人減らしにある。医療機関や保健所をはじめとする公的機関の人員不足。結果として、多くの救えるはずの命が救えなかったのではないか、人災ではないのかという指摘もある。こういった中で、公務における人員削減を見直すべきではないかという指摘も急速に拡大している。公務・公共サービスとは、憲法で定められた国民・労働者の権利保障を実現することを指すもの。公務・公共サービスは充実している方がいいし、充実していなければ取り残される国民が増加する。より良いサービスを提供するためにも公的機関の人数を増やすなどの充実することを望みたい。」と力強く述べました。
全医労の森川書記次長は、「東京医療センターで看護師の大量退職が文春砲により取り上げられた。夜勤などの長時間労働は妊婦の早産・流産の可能性が高くなるため、労基法で妊婦から請求があれば夜勤をさせてはならない。ですが、実際は人員不足の中、お願いベースで夜勤を強要されている実態がある。そのほかにも、超勤の不払い残業、年休の取得もできないなどの環境にある。国立病院の正式名称は『独立行政法人 国立病院機構』といい、国としての役割を求められる中、自力での病院経営を求められている。その結果、不採算な医療提供を徐々に手放すことになり国民に十分な医療を提供できなくなってきている。全医労として、コロナ禍の教訓を活かし、平時からゆとりのある人員体制、設備体制を求める。」と人員の拡充の必要性を訴えました。
全経済の岡田中央執行委員からは「全経済では現場で働く人たちから、職場環境の改善を求める声が届けられている。実際に届けられた声の中にはテレワークが進められている中でPCを自宅に持ち帰った職員が過密な仕事を少しでも進めようとして、業務時間外に仕事をする事例が多く見られ、サービス残業の温床になっていることや、職員数の減少、時代の変化とともに地方出先機関にも新たな役割が求められるようになり、業務の質・量ともに職員の負担につながっている。また、育児休業からの復職においては、育児と両立できるような職場で働けるよう本人意向を尊重することや、子育てを支援する制度の拡充が求められている。、全経済はこういった現場で働く人たちが、安心して働き続けられ、真に国民のための行政サービスを考え、実行できる職場環境の改善に向け、活動を続ける。」と決意を述べました。
最後に国土交通の青木中央執行委員からは「コロナ禍による影響で、国土交通省が所管する業界は航空産業、バス・タクシー・鉄道などの運輸産業、建設産業など全て産業が苦境にある。政府は会社などには支援の手を差し伸べ、そこで働く従業員や関わる労働者の暮らしを守ることが何よりも大事ですが、なかなか直結していない。そうした中でたたかう23春闘では、政府による、全ての労働者の賃金引き上げにつながる政策の実現を求めるとともに、公務職場が奮闘して官民一体となったとりくみを強めることにより、大幅賃上げを実現させることが大切だと考る。国土交通労働組合では航空や運輸、建設といった産別のなかまともに、これまで肩を組みたたかってきたが、その連携をより強化して、この春闘にとりくんでいく。全ての国民が安全に安心して暮らせる社会をめざして、23春闘勝利にむけて奮闘していく。」と決意を述べました。
以上