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談話
  財界・大企業に奉仕する行政への変質は許さない(談話)
 〜国家公務員法等「改正」法案は審議を尽くし廃案にせよ〜
     
 

 

 政府・与党は本日、衆議院本会議で国家公務員法等「改正」法案の採決を強行した。国公労連は、公務員制度の基本的な理念やこれまでの議論経過を無視し、党利党略による選挙目当ての暴挙に強く抗議するとともに、参議院段階で徹底的に審議を尽くして廃案にすることを強く求めるものである。

 「改正」法案をめぐる衆議院段階での審議は極めて不十分なものであったが、その中でさえ次の重大な問題点が明らかになった。
現行の国公法第103条は、憲法第15条に規定された「(国民)全体の奉仕者」として、公務の公正・中立性を担保するために「私企業からの隔離」を求めている。
 「改正」法案は、この規定にそった再就職の事前規制(退職後2年間、退職前5年間に就いていた職務と密接な関係のある営利企業に就職できない)すら撤廃し、事後的な「行為規制」を導入して「官民人材交流センター」に再就職あっせんを一元化するとしている。
 これでは「天下り」を根絶するどころか、逆にその自由化、合法化につながるものであり、財界・大企業の求めに応じて官民の垣根を限りなく低くし、人材交流を拡大することで、官製談合や「政・官・財のゆ着」をいっそう助長し、公務を歪めることになる。

 「改正」法案は、中央人事行政機関の役割を見直して政府・使用者の権限を強化し、「能力・実績主義の人事管理」と称して新たな人事評価制度を構築するとしている。
 その結果、任用、給与などに人事評価が反映されるにもかかわらず、政府はこれまで人事評価制度の「勤務条件性」を認めようとしてこなかった。しかし、与党提出の附帯決議に「労働基本権の検討」を盛り込まざるを得なかったことと、労使交渉なしに新たな人事評価制度の検討もできないことは不可分一体である。
 また、参考人質疑において、日本経団連の専務理事が「人間が人間を評価するのは難しい」としてその弊害を認めている「成果主義」を、営利目的の民間企業とは異質な公務に導入することは、社会保険庁の例を見るまでもなく、ノルマ主義に陥る危険性が高く、効率性の向上にもつながらない。

 公務員制度の改革をいうのであれば、「政・官・財ゆ着」の温床である「天下り」を禁止し、採用試験で将来の処遇まで決定される特権的キャリア制度をなくし、公務員の働くルール=労働基本権を確立することがまず何よりも求められている。
 国公労連は、財界・大企業に奉仕する行政への変質を許さず、国民のための民主的で公正・効率的な公務員制度を確立する立場から、改めて広く国民的な議論を呼びかけるとともに、政府提出法案の廃案をめざして全力で奮闘するものである。

2007年6月7日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市

以上

 
 
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