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談話
労働基本権問題を先送りした法案は容認できない(談話)
〜国家公務員制度改革基本法案の閣議決定に抗議する〜
     
 

 

 政府は本日、国家公務員制度改革基本法案を閣議決定し、開会中の第169通常国会に提出した。
 法案は、2月5日の「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」報告をふまえて、公務員制度改革の基本理念、基本方針などを定めようとするものであるが、三次にわたるILO勧告が求めている関係者との協議も行わず、一方的に閣議決定したことは到底容認できず、厳重に抗議するものである。

 法案は、労働基本権の取り扱いに関わって第12条で「協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示してその理解を得ることが必要不可欠であることを勘案して検討する」としており、これでは労働協約締結権を付与するとした昨年の専門調査会報告から大きく後退し、先送りしていると言わざるを得ない。
 加えて、労働基本権を含む改革課題の検討は5年以内とする一方、内閣人事庁については1年以内の法制上の措置を規定していること、国家戦略スタッフ職等の政治任用の拡大や内閣人事庁による人事管理の一元化、本府省・企画立案部門と事務事業実施部門の職員を区分する採用試験の再編など、多くの看過できない問題が含まれている。
 さらに、労働条件に直接・間接に関わる定員の配分、能力・実績に応じた処遇の徹底を目的とした給与及び退職手当の見直し、定年年齢などについて、見直しの方向性を一方的に規定していることも極めて重大である。

 1948年のマッカーサー書簡にもとづく政令201号による国家公務員法改悪から60年を迎えた今年、労働基本権制約の見直しに関わる事項が法案化されたことは一定の到達点とも言えるが、非現業公務員の争議権や消防職員・監獄職員の団結権を含め、国際労働基準に則した労働基本権の全面的な回復要求からすれば、ほど遠いものである。
 本年秋には国際人権規約の審査も行われるが、先進国といわれる日本において基本的人権が制約されている事態は看過できるものではなく、政府は真摯に対応する責任がある。とりわけ、政党のビラ配付が国家公務員法違反だとする裁判が争われているが、公務員労働者の政治的市民的自由の制限は、民主主義社会において異常とも言える事態であり、公務員も一市民である以上、たとえ制約されるとしてもその範囲は合理的かつ厳格に必要最小限のものとされなければならない。

 国公労連は、公平・効率的な公務運営を保障するためにも、国会での徹底審議を通じて以上のような法案の問題点が明らかにされ、広く国民的な議論が行われることが重要だと考える。同時に政府は、労働基本権の回復をはじめとする民主的な公務員制度改革の実現に向け、給与・定員その他の労働条件に関わる課題について、直接の当事者である国公労連との交渉・協議の場を設定し、誠実に対応することを強く求めるものである。

2008年4月4日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市

以上

 
 
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