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◆労働基本権など審議不十分
国家公務員制度改革基本法が成立
国家公務員制度改革基本法は、自民・公明、民主などの賛成によって6月6日の参議院本会議で可決、成立。衆・参での委員会審議時間はわずか25時間で、天下り禁止や労働基本権などの十分な審議もなく、国民と公務員労働者を蚊帳の外に置いての法案強行です。
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当初は成立が困難視された国家公務員制度改革基本法案。「公務員制度改革」推進の思惑で一致した自民・公明・民主による衆議院での修正合意によって、急転直下の成立となりました。
成立した法の問題点は、この間運用で行われてきたキャリア制度が、法に基づく制度として、これまで以上に特権的な制度となる危険性があります。
また、国家戦略スタッフなどの政治任用を大幅に拡大するとともに、各省幹部職員の任用を内閣が一元的に管理することも問題です。時の政権党の思惑によって公務員人事や行政運営が左右されかねず、行政や公務員の政治的中立性が破壊されることが懸念されます。
労働基本権では、労働協約締結権のみにふれ、争議権や消防職員等の団結権にはいっさい触れておらず、再三のILO勧告にも反するものです。
また、民主党が求めていた天下りの禁止規定は棚上げにされ、まったく触れられていません。
◇国公労連書記長が談話
国公労連岡部勘市書記長は6日、「労働基本権回復に向けて速やかに具体的な検討を開始せよ」との談話を発表。審議が不十分だったことを批判し、引き続き民主的な公務員制度の実現に向けての決意を表明しています。
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◆国の出先機関の合理化に言及
地方分権委員会が第一次勧告を公表
地方分権推進委員会は5月30日、第1次勧告を首相に提出しました。
勧告では、国道や1級河川の整備・管理などの国の権限の都道府県移譲や、都道府県から市町村への事務権限の移譲などを盛り込んでいます。
今秋の第2次勧告に向けて国の出先機関の大胆な合理化と地方移譲の検討も提起しています。
一方で、5兆円もの地方交付税削減による地方自治体の困難にはいっさい触れていません。昨年の「中間的なとりまとめ」で提起した過疎化・高齢化が進む地域への対策などを念頭に置いた検討は見られません。
中央政府の役割を限定し、住民に身近な行政は地方自治体で行うことを提起しても、その財源や体制を確保する手だてはなんらありません。これでは、単に国の業務を地方に押しつけるとともに、財政赤字を地方に転嫁するものであり、住民負担と地域切り捨てがいっそう加速することになります。
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◆雇用確保と公的年金制度実現を
「安心年金つくろう会」が発足
5月28日、「国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会」(略・安心年金つくろう会)の発足会が国公労連会議室で開催されました。発足会には、呼びかけ団体などから47名が参加。「会」の申し合わせ事項と「安心年金をつくる国民署名」などのとりくみを確認しました。
呼びかけ団体を代表して国公労連の福田委員長は「このまま社保庁を解体・民営化して、老後の安心としての年金制度は守れるのか」、「社会保障としての公的年金制度を実現するために、みなさんのご奮闘をお願いする」とあいさつ。
意見交換では、「シンポジウムを開催し、問題の本質への理解が深まった」(愛知の会準備会)、「雇用問題について団として申し入れをしたら、再生会議の議論にブレーキがかかった。必ず情勢は変えられる」(自由法曹団)、「生活保護受給者と国民の分断を許さず、がんばっていきたい」(全生連)、「社保庁を第二の国鉄にはしない。連帯してたたかっていきたい」(国労)など積極的な発言が相次ぎました。
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◆5・30中央行動に2000人
国公労連は5月30日、全労連・国民春闘の「第2次最賃デー」と結合した夏季闘争第一次中央行動を展開。全労連で2000人(国公労連は400人)が参加し、最低賃金引き上げと後期高齢者医療制度廃止、民主的公務員制度の確立などを求め、要求・要請行動や総決起集会、議員要請、独法集会など一日奮闘しました。
⇒国公労連速報2008年5月30日付
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◆所定勤務時間短縮キャンペーン
6〜7月に集中とりくみ 時短実現めざし全力を
超勤、家庭責任持つ職員生活など切実な要求
国公労連は、6月〜7月を「所定勤務時間短縮キャンペーン」期間に設定し、「昼休み60分をとりもどそう」「終業時間を繰り上げよう」「交替制職場の拘束時間の短縮を」など、職場に見合ったスローガンを掲げ、宣伝行動等にとりくんでいます。
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◇超勤で疲労とストレス
2006年7月に人事院が強行した「休憩・休息時間の見直し」にともなって、拘束時間の15〜30分延長、昼休み時間の短縮、退庁時間の繰り下げなどが実施されました。
また、この「見直し」にあわせて昼休み時間の窓口開庁や開庁時間延長が実施された職場もあります。この「見直し」によって、恒常的な超過勤務に拍車がかかり、さらには、育児・介護など家庭責任を持つ職員の生活にも大きな影響を与え、多くの組合員が、心身への負担、疲労・ストレスによる不調を感じています。このことが、所定勤務時間短縮を切実な要求課題に押し上げています。
◇民間より長い所定時間
昨年勧告の際に人事院が報告した民間の所定労働時間調査では、過去4年間の民間事務・管理部門の平均所定勤務時間は1日当たりで7時間44分、1週間あたり38時間45分でした。さらに、各府省に対する業務への影響に関する調査では、業務の合理化・効率化、勤務体制の見直し等により業務遂行に影響を与えることなく対応が可能であるとしています。
◇時短の勧告実施を
このような状況にもかかわらず人事院が、07年勧告では時短の必要性に言及したものの、「入念な準備の必要」を理由に勧告を先送りし、今なお勧告の実施について明言していないことは、人事院が労働基本権の代償措置としての役割を放棄し、私たちの期待を裏切るものと言わざるを得ません。
今年こそ、所定勤務時間の短縮の確実な勧告実施を勝ち取るため、職場からのとりくみに全力をあげましょう。
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◆集まれ!大きな井戸端会議 仲間との連帯を大切に
いきいきと働き続けられる職場を
第38回国公女性交流集会ひらく
5月30・31日、第38回国公女性交流集会が宮城県内で開かれ、270人(13単組37県国公)が参加。会場では一人ひとりの切実な要求を綴った鮮やかな「短冊タペストリー」が目を引きました。
作家の雨宮処凜さんによる「語ろう!平和のこと、憲法のこと、そして未来につながる生き方・働き方」と題してのスペシャルトーク。若者の労働や生活実態をリアルに紹介しながら、生存権を求める連帯の輪が広がっている状況を語り、「非正規の労働条件が悪化すると正職員も悪化するスパイラルが深刻。ワーキングプアと公務員バッシングは根がひとつです。職種を超えて共感しあい連帯しましょう」と呼びかけました。
◇女性の感性が組合変える
阿部春枝女性協議長の基調報告の後、宮城国公議長の熊谷正伸さんが「地域の課題を住民とともに考える」を、建交労書記次長の角田季代子さんが、「女性の感性は労働組合を変える」を訴えました。全厚生女性部事務局長の木立圭子さんは、深刻な社会保険の職場実態を報告しました。
2日目は8つの分科会を開催。「集まれ!大きな井戸端会議」分科会をはじめ憲法、メンタルヘルスや食の安全、公務員制度改革問題や働き方について語り合いました。
最後の全体会では、「仲間との連帯を大切に、職場・地域で共同の輪を広げよう」とのアピールを採択しました。
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◆一人職場でも、一人ではない
第42回行(二)労働者全国集会ひらく
国公労連第42回行(二)労働者全国集会が5月31日に都内で開かれ、全国から53名(うち行(二)組合員24名)が参加しました。前後には各単組の独自行動(集会)なども実施され、昨年を上まわる参加がありました。
◇「構造改革」で業務範囲が縮小
行(二)職場は、「欠員不補充」や業務委託など、あらゆる面から業務範囲の縮小がすすめられており、「構造改革」の影響がとりわけ厳しく表れています。集会では、このような行(二)労働者をとりまく情勢を確認し、各職場の現状とたたかいを交流。労働条件改善をめざすたたかいへの確信を深め合いました。
参加者からは、「職場同士の意見交換ができた」「昇格改善は待ったなし」「今後も集会を継続して開催してほしい」などの感想が寄せられています。国公労連は、「一人職場であっても決して一人ではない」を合い言葉に、引き続き行(二)集会を継続・発展させていきます。
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◆News フラッシュ!!
■ハンセン病基本法 成立へ
全国13カ所の国立ハンセン病療養所を地域に開放することなどを盛り込んだ「ハンセン病問題解決促進法案」(ハンセン病問題基本法案)が、超党派の議員により6月6日衆議院に提出され、可決しました。同日、参議院に送られ、今国会で成立する予定です。
■第22回労働学校がスタート!
ブロック別開催となって今年で6回目の国公労連第22回労働学校が5月中旬からスタート。
◇東北会場に68人
5月18〜19日、労働学校(東北会場)が宮城県松島でひらかれ、8単組68人が参加。講義は、「憲法改悪と構造改革路線の諸問題」(東北大学名誉教授・小田中聡樹氏)、「公務員制度改革と労働基本権回復問題」(秋山正臣国公労連中執)、「労働組合とは何か―組織強化・拡大のために」(労働者教育協会事務局長・二見伸吾氏)、「タクシーの規制緩和裁判の意義」(菊地修弁護士)でした。また、国公労連が作成したDVD「あの時の1枚―写真で学ぶ国公労働運動の歴史」(試作品)が初めて上映されました。
◇中部会場に90人
5月23〜24日、労働学校(中部会場)が愛知県犬山市でひらかれ、12単組90人が参加。「格差社会、構造改革路線の諸問題」(ジャーナリスト・平舘英明氏)、「公務員制度改革と労働基本権回復問題」(浅野龍一国公労連書記次長)、「労働組合の大切さ」(愛知学習協会長・吉田豊氏)の講演をうけ、4会場2分科会((1)政策課題=公務員制度、基本権、評価制度、(2)組織問題)で討論を実施。評価制度や、職場活動の基本(要求を聞く、教宣する、オルグする)の重要性が議論されました。
■第6回交通問題研究集会で「提言」発表
全運輸や建交労など労働組合・団体や研究者でつくる交通運輸政策研究会(交運研)は5月24・25日、第6回交通問題研究集会を静岡県でひらき、交通労働者158人・16団体が参加。
少子高齢化や国際化・IT化の進展、地球温暖化が深刻化する情勢をふまえた交運研の「交通政策の提言2008」を討議。政府の交通政策を超えるため課題として5項目(地球環境問題への対応、規制緩和政策の見直し、生活交通・地域交通政策、関係者間の協同の推進、財源問題)を提起しました。
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◆シリーズ 時短の実現を〈全労働〉
所定勤務時間短縮キャンペーン
「昼休みはやっぱり60分に」
「公務員が多すぎる」と、とりわけ国民の暮らしや社会保障に関する行政の定員は大きく削減され続けています。しかし、その一方で、労働者保護行政の需要は高まるばかりで、労働局・監督署・均等室の職場は、非常勤職員も含め、ギリギリの人数で業務をこなしています。
お昼の休憩も急いで食事を流し込むようなような状況です。さらに、休憩時間が短かいので職場コミュニケーションが不足し、業務効率が低下したり、心身の体調不良などが切実な問題となっています。 このような状況を改善すべく、全労働本部作成の「昼休みはやっぱり60分」をスローガンにしたビラをポケットテッシュに入れ(写真)、春闘期にターミナル行動と称し、飯田橋・中野・上野・有楽町で配布しました。合計2000個を街ゆく人に手渡し、アピールができたと思います。
私たちの職場は、仲間たちとの連携の上で成り立ち、スムーズな業務運営をしています。休憩時間中のコミュニケーションは欠かせないと思います。また時短は命にも関わる切実な問題です。何としても、この夏のとりくみで実現をめざしましょう。(全労働東京基準支部)
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◆中国、ミャンマー被災者支援カンパを
○中国中西部の地震被災者への義援金は、全労連を通じて中華全国総工会(組合員1億人4200万人を組織している中国の労働組合の全国センター)に送ることにしています。
○ミャンマー(ビルマ)・サイクロン被災者への義援金は、全労連を通じて国連ユニセフ機関に送ることにしています。
○集約した義援金は、別記口座に送金を。なお、単組で一括集約する際は、単組本部の指示に従って下さい。
◇ 募金専用口座
▼中国中西部の地震被災者への義援金は
中央労働金庫新橋支店
店番289(普)1037844
口座名「国公労連」
▼ミャンマー・サイクロン被災者への義援金は
中央労働金庫新橋支店
店番289(普)2255113
口座名「国公労連2」
※最終期限は7月31日
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◆読者のひろば 私のひと言
◇低い最賃引き上げ、貧困を打開しよう(全建労の仲間から)
最低賃金体験にチャレンジすることにしました。社会保険料、税金、家賃、光熱、水費などを差し引くと1カ月に使える金額は2万7968円で、一日あたり902円です。一食300円の食費でおさえても、あとは何も出来ません。
低すぎる最賃を引き上げて、貧困打開という要求の切実性がわかります。
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