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国公労新聞 2011年9月25日 大会特集号その2(第1356号)
 
 

◆6単組が組織統一 国土交通労働組合を結成
 統一の力で要求実現へ

 「職場の厳しい現状を打破しよう」と国土交通省内にある全運輸、全建労、全気象、全港建4単組と、国公労連未加盟だった海員学校職員組合、海技大学校職員組合の6組合は9月11日、都内で国土交通労働組合を結成しました。

◇時代の転換点に立つ<

【大きな飛躍の時】
 大会冒頭、国土交通共闘組織統一準備委員会の冨安一弘委員長はあいさつで、「国土交通共闘は、将来的にひとつの組織となり大きな飛躍をしようとやってきた。いよいよその日がきた。今までの経験と教訓を結集し、発展させる場として結成大会を位置づけ、確かな議論を」と訴えました。

【産別発展の土台に】
 来賓あいさつで国公労連の川村好伸副委員長は、国土交通労働組合の結成の意義にふれ、@出先機関廃止や賃下げなどの攻撃に対する反撃ののろし、A国公産別運動を全国で展開する要、B産別の組織と運動の質的、組織的発展の土台であるとのべました。
 討論では、8人が発言。職場と雇用の廃止を含む今日の攻撃の厳しさにふれつつ、国公産別、交通運輸産別、建設産別への結集をいっそう強め、国土交通省内の組合が大同団結し、運動を展開していく必要性などが語られました。
 新組織の規約・規則と運動方針、財政方針を採択し、60人の新たな役員を選出しました。

【時代の転換点に】
 新役員を代表して国土交通労働組合の安藤高広中央執行委員長があいさつし、「6単組が大同団結した。それぞれの単組の歴史と伝統をひきつぎ、先進的なとりくみをいかし、不十分なところは互いにおぎないあおう。厳しい情勢だが、たたかう組合の組織統一に世間の注目も高い。時代の転換点ともいう時期に、新たな出発を決意した。新しい運動を全国の職場からつくりあげよう」と訴えました。


◆国公労連第57回定期大会討論(要旨)
 財界本位の国づくりと対決

 8月25〜27日、東京・全労連会館で開かれた国公労連第57回定期大会では、のべ58人が発言に立ち活発な討論を行いました。被災者本位の東日本大震災復興のため、財界が狙う「構造改革」路線と対決し、憲法をくらしにいかす「21世紀国公大運動」のとりくみ、社保庁職員不当解雇撤回、労働基本権回復、賃下げ阻止をはじめとした労働条件改善、組織強化・拡大など運動方針等の内容をいっそう深めました。

◇【震災復旧・復興】国の機関だから統一対応

 「津波で気仙沼支局は登記簿が流失。原発事故で富岡支局は岩城支局で業務。これまで以上に増員闘争が重要。利用者国民の安全確保、職員の安全確保も重要」(全法務)、「復興で労働行政は、おびただしい業務量をこなし、原発事故の安全指導で何度も立ち入っている。全国から180人の業務応援は国の機関だからこそ対応できたもの。庁舎の耐震構造検査や心のケアなど、産別も尽力を」(全労働)、「東北3県の8割近い300病院が被災。33チームを被災地に派遣。最大ネットを持つ国立病院が大きな役割。憲法を行政に生かす大運動で、自治体にも要請し、奮闘する」(厚生共闘・全医労)。

【「整備局は必要」】
 「復旧機材を東北に送り、翌日に東北及び常磐自動車道、4号を開通。国の出先機関、整備局の全国統一基準での仕組みと機材があったから。建設会社や自治体から整備局は必要との声が。政策を持って大運動にとりくむ」(全建労)、「浚渫船が真っ先に救援物資の輸送に当たった。漂流物回収に千葉、和歌山、徳島の船が作業に当たった。国の責任で行政態勢を確立する必要性を示す事例となった」(全港建)。
 「震災支援に感謝。宮城県知事は大企業本位の復興に。職員は不眠不休で奮闘、なのに賃下げとは。地元に大きな影響。国公が災対連の中心的役割を果たしている」(宮城)、「放射能警戒区域は自宅にもどれない。会津若松の裁判所は、放射線量数値が高いとの報道。県国公として庁舎の除染と内部被爆の検査を求めることも検討」(福島)、「現職知事は、安全確保優先としつつ、大型公共事業中心で被災者に応えていない。無駄な大型公共事業をやめて復興財源に充てる必要がある」(岩手)、「物心両面での支援に感謝。国公労連の政策提言では、各単組の政策があるが、プロ集団として復旧・復興の在り方についての提言が必要ではないか」(東北)。

◇【21世紀 「国公大運動」】「出先廃止反対」訴えれば反応

 「財界の国のかたち改革の狙いは、トップダウンの国家統治の推進にある。公務員制度改革やバッシングを止めることが構造改革に反撃することになる。震災復興は、この国のあり方を問うもの」(全労働)、「宮崎県が議会に出先機関の受入案を出した。九州知事会で先行しているが、議会は蚊帳の外。県国公オリジナル署名にとりくみ3人の国会議員に直接要請。出先機関廃止でいいという議員はいない」(宮崎)、「関西広域連合は、マスコミも含め関西の財界がしきっている。大阪の橋下知事などは、出先丸ごと移管を主張。自治体労働者との共同連帯が重要」(近畿)。

【道内101議会採択】
 「生公連九州キャラバンで全建労、全港建を激励。九州全県をめぐって、出先機関廃止反対を自治体に要請。地方議員に訴えれば、反対との声が上がる」(全建労)、「運輸局の地方移管反対の地方議会請願にとりくんだ。北海道では、道内180議会の6割の101議会で採択を実現。足を出せば共感が広がる」(全運輸)、「5年間の測候所廃止反対闘争で帯広と名瀬は存続に。地元住民との共同が背景に。名瀬は県議会でも意見書を採択。国土交通労組に移行するが、気象事業の整備拡充運動を継続する」(全気象)。
 「毎年とりくんでいる裁判所の人的・物的充実を求める請願署名を通じて21世紀国公大運動を継続・発展させる」(全司法)、「震災後、全国税は各界に税制面、税務行政面での改善を求めた。社会保障・税一体改革が動いており、全労連、国公労連、全国税三者の税調申入れを急ぐべき」(全国税)、「地域主権戦略会議への追及強化と、独法の運営費交付金確保を。今年6月に急逝した大屋武士さん(専従の国公近畿ブロック事務局長、国公労連中執)の4人の遺児が安心して成長できるよう遺児育英資金への協力を。同時に、犠牲者救援基金規定の改正を」(全経済)。

◆大会宣言

=> 大会宣言(2011年8月27日 国公労連第57回定期大会)


◆自らの言葉で語り理解と共感を広げよう【総括答弁】

 大会には、代議員84名をはじめ特別代議員、役員など全体で229名が参加。うち女性は32名で14%、規約第16条2項に定める女性代議員比率の目標達成は18組合中2組合にとどまった。
 発言はのべ58名で、いずれも提起した方針を積極的に実践・補強する立場からの発言であり、まさに正念場のたたかいの基本的な意思統一が図られたことを確認したい。

【震災復興に全力】
 震災復旧復興をはじめとした国民的課題では、「上からの復興」ではなく、被災者・住民と自治体が主体となった復興計画の策定、憲法25条の立場に立った早期復興に向けて、国民的な運動を強めなければならない。
 同時に、復興の名の下に狙われている庶民増税、解雇や労働条件の切り下げを許さず、最低賃金の抜本引き上げなど、すべての労働者の安定した雇用と労働条件の底上げが求められている。
 国の行政・司法機関の労働組合として責務を果たすべく全力をあげる。知恵と力を結集して国公労連の政策提言(第一次案)を補強・充実させ、内外に発信していく。
 また、原発事故の早期収束と完全な賠償を求めるとともに、職場から議論を深め、原発ゼロ、再生可能な自然エネルギーへの転換をめざす合意づくりにとりくみたい。

【行政支える誇り】
 憲法をくらしと行政にいかす「21世紀国公大運動」は、文字どおり憲法が要請している社会をつくろうという、憲法闘争とも言えるもの。
 財界は、多国籍企業の儲けの自由を最大化するために、道州制も睨んだ地域主権改革と、さらなる規制緩和を求め、知事会等はそれをバックに財源と首長の権限拡大を求めており、そこには国民の権利保障や安心・安全等の視点はない。
 当面するアクション・プランの具体化や九州と関西での先行移管を許さないたたかいを、ブロック国公とも協議して特別の体制も含め全力をあげる。
雇用の確保や労働条件改善を声高に求めるだけではなく、行政の果たしている役割とそれを支えている誇り、国民生活への影響などを自らの言葉で具体的に語り、理解と共感を広げよう。

【バッシング打破へ】
 賃金など労働条件改善の課題では、「賃下げ法案」の廃案めざして断固たたかう意思統一ができた。また、この間の運動で公務員バッシングを梃子とした攻撃を打破する展望を切りひらきつつあることも確認できた。
 欧米諸国との比較でも公務員の人数や人件費が少ないことは、政府やメディアも認めているが、まだ誤った認識も多い。
 当面する人勧と秋の臨時国会に向け、賃金改善や現給保障廃止阻止、定年延長に伴う課題と同時に、職場に根ざした身近な要求実現に向けてねばり強くとりくむ。非常勤職員の制度改善などは、要求からすれば不十分だが運動の貴重な成果であり、引き続き追求する。

【権利回復に向け】
 公務員制度改革関連4法案は、協約締結権を「付与」する一方、国会のコントロールを建前に政府の裁量権を拡大して管理・統制を強化し、公務員労働者に時の政権への従属を迫る狙いがある。
 しかし、限定的とはいえ戦後63年間制約され続けてきた権利回復の一歩であり、運動の到達点であることは事実だ。
 法案の抜本修正を求めて国会段階のとりくみを強化するとともに、憲法とILO基準に沿った労働基本権の完全回復をめざし、運動を強めよう。


◆道理なく、約束違反
 人事院は、現給保障廃止やめよ

 人事院は、給与構造見直しの際の経過措置である現給保障を、本年の勧告で来年4月から2年かけて廃止することを国公労連に提案してきています。
 現給保障の廃止に関して人事院は、50歳台職員の給与が民間を上回っていることを理由として挙げています。50歳台では民間賃金を上回ってはいるものの、40歳台以下では下回っています。
 特定の年代の給与が民間より高いからといって、それ以外の年代の給与は民間より低く設定されているわけで、全体としては官民格差の範囲の中で行われてきているものです。いま50歳台の職員も、以前には民間より高い給与を受けてきました。今、民間よりも低いからと引き下げる道理はありません。
 この現給保障措置は、2005年勧告の給与構造見直しで、俸給月額が引き下げとなる職員については、引き下げ前の俸給月額に達するまで差額を支給するとしたものです。経過措置にはいつまでという期限はついていません。導入の経過から、これを打ち切るということは明確な約束違反であり、断じて許されないことです。

◇給与構造改革にともなう経過措置(現給保障)
 「職員の給与に関する報告」2005(平成17)年8月15日

「新たな俸給表の俸給月額が平成18年3月31日に受けていた俸給月額に達しない職員に対しては、経過措置として、その達するまでの間は新たな俸給月額に加え、新旧俸給月額の差額を支給する(差額を加えた額を俸給とする)」


◆【最賃】中賃目安を1円上回る
 平均7円アップ、737円に

 地域別の都道府県最低賃金審議会の答申が9月12日にすべて出そろいました。改定額の平均は737円で、昨年度を7円上回りました。
 中央最低審議会(厚労大臣の諮問機関)が各県に示した目安は、平均で6円増の736円です。大半の地方審議会が中賃の目安額より高い引き上げ額を答申しました。
 最低賃金額が生活保護基準を下回っていたのは9都道府県(北海道、宮城、埼玉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、広島)でしたが、このうち6県が今回の改定で生活保護基準を上回りました。しかし、北海道、宮城、神奈川の3道県は解消しませんでした。

 
 
 
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