■労働条件改善と行政民主化を両輪で
いま政府は、「構造改革」の重要な柱として、公務員制度改革、道州制の検討や公務の民間開放などを進めています。こうした「改革」は、「貧困と格差」を拡大し、行政の役割を変質させながら私たちの労働条件を低下させています。
また、国と地方をあわせて773兆円(2007年度末推計)もの借金財政(長期債務残高)を口実にして、税制や社会保障制度をさらに改悪しようとしています。
国公労連は、こうした労働者・国民犠牲の悪政に反対し、みずからの生活と労働条件の改善をめざすとともに、民主的な行財政・司法の確立、教育・医療・福祉の充実をめざして運動を進めています。
■くらしと職場に憲法を
自民党や財界は、日本を「戦争する国」につくり変えるため、憲法改悪の動きを強めています。自民党の新憲法草案では、戦力の不保持と交戦権の否認を定めた9条2項を削除して、自衛隊を「軍隊」とし、「集団的自衛権」を口実に戦闘行為を伴う「国際協力」も可能にしようとしています。
国公労連は、「国民全体の奉仕者」(15条2項)であり、「憲法遵守の義務」(99条)を負う公務員の労働組合として、「9条改憲」反対を運動の中心にすえ、国民過半数の賛同を求める署名運動や、職場・地域での「9条の会」結成などの活動を進めています。
■「公共サービスの商品化」に反対
2001年の1府12省への再編、試験研究機関や自動車検査などの独立行政法人化につづき、国立病院の独立行政法人化や国立大学の法人化(いずれも2004年4月から)が強行され、国家公務員の数が大幅に減らされています。
さらに、教育や医療など国民への公共サービス提供の仕事のほとんどを民間企業に委ね、もうけの手段を提供しようという「公共サービス商品化」の動きが強まっています。
政府の「構造改革」によるこうした動きは、貧富の差で受けられるサービスが違って当然とばかりに、社会的な貧困と格差を拡大し、憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を奪うものです。
国公労連は、公務員減らしに反対し、「公共サービスの商品化」を許さないため、「競争より公正な社会を」のスローガンのもと、国民の支持を広げる全国的なキャンペーンを進めています。
■国民のなかへ、国民とともに
賃金などの労働条件はもとより、「構造改革」に対しても、私たちだけで要求を実現させることはなかなか困難であり、多くの人たちと共同した運動が必要です。
国公労連は、労働組合の全国組織(ナショナルセンター)である全労連(全国労働組合総連合)に加盟し、123万人のなかまと力をあわせてたたかっています。
また、「国民のなかへ、国民とともに」を合言葉に、地域からの共同のとりくみを進めています。こうした運動には、全国8ブロック国公と47都道府県国公が大きな役割を果たしています。
各府省庁の労働組合(単組)の運動をタテ糸に、ブロック国公・県国公の運動をヨコ糸にして、さまざまな活動を進めています。それが国公労連の運動の姿です。
■一人でも加入できる「国公一般」
国家公務員一般労働組合(国公一般)は、正規・非正規や派遣・委託を問わず、職場に労働組合がなくても、一人でも加入できる労働組合として、2003年12月14日に結成されました。2008年1月には愛知でも国公一般が結成され、宣伝や労働相談を通じて広く加入を呼びかけています。 |