2003年2月21日《No.137》

「アリバイづくりの交渉には応じられない」
 国公労連が推進事務局に通告

 国公労連は、本日午後、行革推進事務局交渉を行いました。この交渉は、2月7日の交渉の際に「改めて中身のある提案をしたい」との回答を受けて臨んだもので、推進事務局から「能力等級制度の導入について」と「採用制度の改革について」という文書が手交されました。
 交渉には国公労連から堀口委員長、山瀬副委員長、小田川書記長ほか4名が参加し、推進事務局側は春田室長、高原参事官ほかが対応しました。やりとりの概要は以下のとおりです。(注;○は国公労連、●は推進事務局)

 交渉では、冒頭、堀口委員長が、提案の内容について説明を求めたのに対し、室長は要旨以下のとおり回答しました。

【推進事務局の回答要旨】
● 現在取り組んでいる作業の関係で、できる限り私どもの考え方を議論できる材料を提示していきたいと考えている。
● 提示した「能力等級制度の導入について」と「採用制度の改革について」は、現在の検討状況や法律改正に向けての検討のポイントを示すものだ。これについて、より議論が進むような形にしたいということで示した。
● 「能力等級制度の導入について」は、現在の制度を踏まえて能力等級をどう考えていくか、「採用制度の改革について」も、どういう形で新しい試験制度の上に立った採用制度をやっていくかをとりまとめたものだ。これを素材に有意義な議論をしていきたい。

【国公労連の主張とやりとり】
 これに対し、国公労連は次のように主張し、以下若干のやり取りを行いました。
○ 法案提出直前の重要な局面にあたり、中身に入る前に改めて、この二つの文書の性格を確認するが、労使としての交渉・協議を進めるために、使用者の立場で提案したものと理解してよいか。
● 示した文書は、内閣官房として、公務員制度改革を企画・立案し総合調整する立場として提示するものであり、公務員制度改革全般を幅広に交渉・協議したいし、これまでもそうしてきたと認識している。今後もそういう考え方に則って話し合っていきたい。
○ 我々が求めているのは、「公務員制度改革」の企画・立案、総合調整する立場だけではなく、使用者としての立場だ。今回の改革が、労働条件の変更であることは明らかであり、そうである以上、誠実な交渉・協議による労使合意が必要だ。その立場で「二つの文書」を提案しているのか。
● 私どもは内閣官房という強力な総合調整機能を持ち、また企画・立案機能を持つ立場から、今般の公務員制度改革について全体の取りまとめを含めて推進する任にあたっており、労働条件に限らず幅広く交渉・協議していきたいといってきた。
○ そうであるならば、我々が労使の立場で議論する相手は誰なのか。公務員労働者の労働条件について協議する相手は、使用者の立場にあるのではないのか。
● 交渉・協議の当事者、カウンターパートとして話をする趣旨は受け止めているが、私どもは内閣官房として改革を企画・立案していく立場で総合調整を中心にやっていく。

 以下、「二つの文書の性格と交渉・協議の位置づけ」をめぐって、推進事務局に対し、企画・立案にあたる立場ではなく、使用者を代表する立場を明らかにするよう繰り返し求めましたが、推進事務局は最後まで制度の企画・立案の立場に固執し続けました。
 そのため、堀口委員長は、「本日の提案内容は、これまでの経過に対する約束や労使の立場の明確性を踏まえても、誠意に交渉・協議する姿勢とは受け止められない。したがって、本件に関わる交渉・協議を継続することはできない。」と述べ、立場をはっきりさせないままのアリバイづくりの交渉・協議には応じられない旨を通告し、交渉を終えました。         
        (以 上)

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