第5回国立試験研究機関全国交流集会で、87年2月に全学のとりくみで「平和憲章」を制定した名古屋大学教職員組合の仲間に、連帯の激布を手渡する福永満雄学研労協議長(右)
=1987年6月25日、茨城県・筑波研究学園都市
1960年代初頭に計画が開始された筑波研究学園都市は1980年に移転が終了した。前後して、この学園都市を、戦争と無縁な平和な都市にしようとする努力が国立試験研究機関の研究者、労働組合、市民らですすめられた。82年12月8日に平和都市宣言採択集会が開かれ、「筑波研究学園都市は、永遠に平和都市である」ことが内外に宣言された。
87年6月25、26日、筑波研究学園都市で開かれた国立試験研究集会第5回全国交流集会に先立って同集会実行委員会の記者会見がおこなわれ、「軍事研究は可能な限り拒否する」というアンケート結果が明らかにされた(「軍事研究拒否75.1%」「政府のSDI(米戦略防衛構想)研究参加反対79.3%」等)。この「軍事研究に対する意識調査」は、集会実行委員会が実施し、全国約1万人の研究公務員のうち、国公労連、学研労協(筑波研究学園都市労働組合協議会)の組合員2594人が回答した。
SDIは通称「スター・ウォーズ計画」といわれ、アメリカが宇宙にまで核戦争を拡大するものとして世界から批判を受けていた。しかし、日本政府はSDI研究参加の政府間協定に調印をしていた。アンケート結果には、軍事研究は研究者の良心からけっして行わないという国立研の研究者の強い決意が込められていた。
(国公労調査時報 bT72 2010年8月号)
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